誰もが一度は見たことある「オレオ」に「リッツ」、そして「プレミアム」。どのお菓子も"定番"のロングセラーだ。外装の左上には赤い三角マークで「NABISCO」の文字。2016年5月現在、日本では山崎製パンの子会社であるヤマザキ・ナビスコ(以下、ヤマザキナビスコ)が製造・販売している。

しかし、ヤマザキナビスコは2016年8月31日をもって「ナビスコ」ブランド4製品(オレオ、リッツ、プレミアム、チップスアホイ)の製造を終了し、9月からは商号を「ヤマザキビスケット」へ改める。その理由は、モンデリーズ・インターナショナル・インク(以下、モンデリーズ・インターナショナル)との技術および商標ライセンス契約の終了だ。

モンデリーズ・ジャパンが日本で販売するオレオ、リッツ、プレミアム。リッツは口当たりが軽く、オレオは甘さがちょっぴり控えめになったように感じた。とはいっても、やっぱり慣れ親しんだあの味だ。パッケージはあくまで見本だが、現行品とあまり変わらない

国内製造から海外製造へ

9月からはモンデリーズ・インターナショナルの日本法人であるモンデリーズ・ジャパンがオレオとリッツ、プレミアムを国内で販売していく。モンデリーズ・ジャパンが5月11日に開催した「ビスケット事業」についての記者発表会では、"モンデリーズ・ジャパン版"の3製品をお披露目。モンデリーズ・インターナショナル・インク アジアパシフィック社長 マウリッチオ・ブルサデリ氏、モンデリーズ・ジャパン 代表取締役専務 辺丙三(ほとり へいぞう)氏が登壇した。

リニューアルされるビスケットたちは、日本市場向けに改良(プレミアムは現行品と味は変わらない)。世界共通のレシピに則ってはいるが、日本の消費者に試食してもらって高い評価を得たものを採用している。

左から、モンデリーズ・ジャパン 代表取締役専務 辺丙三氏、モンデリーズ・インターナショナル アジアパシフィック社長 マウリッチオ・ブルサデリ氏

国内でビスケットを製造してきたヤマザキナビスコに対し、新オレオは中国の北京工場、新リッツはインドネシアのチカラン工場、新プレミアムはイタリアのカプリアータ・ドルバ工場で作られ、日本にやってくる。

原産国が海外になることで日本の消費者がネガティブな印象を持つことも考えられるが、辺氏は「いずれの工場も高い安全性を誇る」と強調。モンデリーズ・インターナショナルが培ってきた技術や経験を生かせるうえ、日本の消費者に満足してもらえる品質を提供できるのが上記の3工場だと説明した。続いて、製造だけでなく販売に関しても自信たっぷりの様子をみせた。