“食べ物”イベントからの広がり

さらには期間中、施設内に隠れた「イースターエッグ」を探す「エッグハント」ゲームや「イースター」にちなんだウサ耳、「ボンネット」という帽子など、「イースター」記念の写真が撮れるようにグッズを用意している。スイーツを食べに来たついでに、施設内でちょっとした体験ができるようにしている。さらに、25日には、地元のインターナショナルスクールの学生と一緒に、「イースターパレード」も開催。自由が丘の周辺の住民を巻き込んで、盛り上げようとしている。

写真撮影用のグッズ

齋藤氏によると「“ちょこっと体験”が昨年意外とうけた」という。昨年開催したとき子供向けに始めた「エッグハント」に、大人だけのグループが参加している姿がみられるなど、スイーツを食べたり、おしゃべりをしたりするついでに“ちょこっと”体験できることに人が反応するのではと感じたという。また今年から始めたフォトグッズも、イースターの記念になどと写真を撮る需要が高いと踏んで用意。SNSへの投稿でイベントが拡散することを期待している。

「イースター」全体での市場規模は300億円か

「イースター」全体での市場規模は昨年推計240億円(日本記念日協会調べ)で、おととしから50億円伸びている。今年はさらに拡大することが見込まれている。日本記念日協会の加瀬清志代表理事によると、イースター市場が伸びそうな理由は大きく3つあり、1:メディア露出の増加、2:参入企業の増加、3:今年の「イースター」が3月中に来ることだという。2については、食品だけでなく仮装などといった体験までさまざまな消費につながったハロウィーンの影響があるという。そのため、「自分たちも参入できるのでは」との期待をかける企業が増えているという。3については先に述べたように「イースター」は日付が変動するイベントだ。4月になることもあり、新学期ということに話題が取られてしまうそうだ。今年の市場規模について加瀬代表理事は「300億円くらいまで伸びるのでは」との見通しを示している。

日本の「イースター」の過ごし方は2つの定番化のきざし

企業の「イースター」市場へのアプローチの仕方をみると2つの傾向がわかる。1つが、先にも述べたように食べるイースターの浸透。2つ目が、グッズを伴ったイベントとしての体験。2つ目に関しては、イースターの認知度を押し上げたであろうディズニーの「イースター」や、星野リゾートの「イースター」宿泊プランといった大型の体験イベントから、小さいものまである。とはいえ「クリスマス」や「バレンタイン」そして「ハロウィーン」のように、こう過ごすといったスタンダードはまだまだ確立していない「イースター」。新しい試みもまだまだできる余地があるとみえた。