日野自動車は3月11日、自社の大型観光バス「日野セレガ」について、燃費向上ならびに安全装備の充実を施した改良版を2014年4月1日より発売すると発表した。
今回の改良では、エンジン制御の改良により燃費を向上。これにより、「平成27年度燃費基準値+10%」を達成していた「A09Cエンジン(排気量9L)」搭載車に加え、「E13Cエンジン(排気量13L)」搭載車も「平成27年度燃費基準値+10%達成車」となり、これで「日野セレガ」のロングボデー(12m車)はすべて現行のエコカー減税において新車購入時の自動車取得税および重量税が免税(100%減税)となった。
また燃費向上とあわせて、標準装備の「PCS(プリクラッシュセーフティ)」の機能を充実したほか、新たに「車線逸脱警報」と「ドライバーモニター」を標準装備とした。PCSの機能拡充としては、レーダーで前方の車を検知し、距離や速度から衝突が避けられないと判断するとシステムがブレーキをかけて衝突時の速度を低減する従来のシステムに、渋滞末尾などの低速走行状態の車両に対しての追突回避を支援する機能(相対速度50km/h以下)が新たに搭載された。これは、2014年11月から適用される「衝突被害軽減ブレーキの新基準」に日本で初めて適合したシステムだという。
また、新たに標準装備となった「車線逸脱警報」は、車線からの逸脱を画像センサがとらえ、警報によってドライバーの注意を喚起するシステム。2015年8月から適用される「車線逸脱警報装置の新基準」に日本で初めて適合したシステムだという。
さらに、こちらも新たに標準装備されたドライバーの閉眼や顔の向きを検知して警報する「ドライバーモニター」は、ドライバーが一定時間、眼を閉じていたり正面を見ていない状態が続いたと判断した場合、ドライバーに警報し前方への注意を促すほか、先行車がいる状態ではPCSの警報タイミングを早めるなどのアクションが実施されるという。また、精度の向上したカメラにより、太陽光やサングラス着用の影響下でも正確にドライバーの顔を検出することが可能だという。
なお同社では、「日野セレガ」シリーズ全体で、初年度で550台の販売を目指すとしている。
