まだ世の中に広く送り出されていないヒット商品の原石を、自分の手で発掘できたら…そう思ったことはないだろうか。そんな思いに応える催しとして、デザイン製品の展示会「第5回 DESIGN TOKYO - 東京デザイン製品展 -」の特別企画「PROTO LAB(プロトラボ)」が開催された。

この企画名、「プロト」はプロトタイプ(試作品)、「ラボ」は研究所のことを指している

「PROTO LAB」は発表・未発表に関わらず、製品化を目的としたプロトタイプ段階の作品を持っているクリエイターを募る企画。本年度のテーマは照明部門、イス部門、テーブル部門、時計部門、スマホグッズ部門の5部門で、審査を経て選ばれたクリエイターたちが自慢の作品を披露する。

照明がコントロールされた暗めの会場に作品が並ぶ

この企画は展示会の会場内に設けられた特設ブースで展開されており、そこではまさにクリエイターが主役。クリエイターたちはこだわり抜いて作った「作品」を「商品」として世界のマーケットへ旅立たせるために、メーカー・小売店は「次の売れるデザイン」を探すためにこのブースを訪れるのである。今回は、数々の"未来のヒット商品"の中でも、筆者が気になったアイテムをいくつか紹介していきたい。

美しい線で構成されたランプ

会場に入って最初に目を引いたのが、「赤い線」で構成されたランプ「Hitotaba Lamp」(浅野 真一郎 Shinn Asano Design)だ。

「Hitotaba Lamp」。イタリア国際デザインコンペティション「A' Design Award」ライティング部門で銀賞を受賞している

これは、日本をモチーフに、2次元の線を3次元のカタチにしたファニチャーシリーズ「sen」のひとつ。浅野氏は、この作品のコンセプトについて、「日本を赤い線で表現しようという試みから創ったランプです。稲刈りの時期に、苅った稲を一束にまとめて吊るしている光景からインスパイアーされてデザインしました。このまま置いても使えますし、そのときの気分で好きなところへ持ち運んだりつるしたりして、光と形状を楽しむことができます。」と語ってくれた。

かっちりとした直線と金属で構成されており、モダンかつポップでありながらどこか柔らかさや「日本らしさ」を感じさせる。床に落ちたシャープなシルエットがなんともニクい。コレさえあればあなたの部屋が一気にオシャレになること間違いなしだ。