現在、先進的なマーケ―ティング担当者の間で「移動者マーケティング」という言葉が注目されているという。
移動者マーケティングとは、移動者をターゲットにした新しいマーケティング手法だ。
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書籍『移動者マーケティング』(日経BPコンサルティング発行)によると、首都圏生活者の1週間の買い物のうち、6割以上が「移動中に来店を決めた」あるいは「店舗の前で来店を決めた」という"非計画来店"になる。さらに、「その日でなくても良い来店」が4割以上を占め、そのうちの4分の3は何らかの消費を行っており、また、駅ナカの来店の7割、駅ビルの来店の5割は非計画来店者だとされている。
こうした状況にあることから、移動中のユーザーに訴求するとアクションにつながりやすいのでは、という仮説の下、スマートフォンなどを通じて店舗情報や商品情報を移動者へ配信し、来店/注文へと効果的に結び付けようというのが「移動者マーケティング」だ。
移動者マーケティングをコンセプトに掲げるサービスの例として「JOGIN」がある。JOGINでは女性をターゲットにした店舗、商品、イベント情報を配信するサービス。移動中に閲覧されることを意識して各種のオススメ情報を提供している。
同サイトの事例としては、表参道エリアを中心としたトップサロンや、劇場型百貨店というコンセプトを打ち出した阪急阪神百貨店などがある。
阪急阪神百貨店の事例では、経路探索アプリ「乗換案内」と連携してイベント情報などを告知。関西近郊のみならず、新幹線移動者にもアプローチし、阪急阪神百貨店うめだ本店への来店誘導に貢献した。美容室の事例でも、同じく経路検索するユーザーに対して、JOGIN内のサロン特集ページへの誘導を実施。認知度拡大に寄与しているという。
JOGINでは、「各ユーザーのスマホ端末に配信した情報を、そのまま移動者の意思決定に直結ささせ、行動を喚起させるのが狙い。移動者マーケティングにより、消費を生み出すことができる」とコメントしている。