AT&Tジャパンは24日、2008年の事業方針を発表した。IT資源の最適化を支援するコンサルティング専門チームの発足、日本とアジア・太平洋地域のネットワーク・アウトソーシング・ビジネスの統合、SaaS型サービスの拡充が柱だ。

コンサルティング専門チームは、ソリューション&サービス部門内に発足したカスタマー・ソリューション事業部を指す。同事業部はグローバル企業の事業戦略遂行を速やかに支援するため、米欧のグローバル企業で既に多数の導入実績がある「Total Account Management(TAM)プログラム」を日本で本格導入し、日本のグローバル企業との対話を通じたIT資源の最適化を実現するためのコンサルティングを進める。

TAMプログラムとは、ユーザーの事業目的を確認し、AT&TジャパンのグローバルなITリソースを利用する領域とユーザーが保有する領域を明確にし、IT資源の最適化を実現するコンサルテーションプロセスだ。

また、同事業部は複雑なグローバル規模のネットワーク設計および各種マネージドサービスやコラボレーションツールを組み込んだ統合ソリューションなど、さまざまなソリューションを提供していく。

ネットワーク・アウトソーシング・ビジネスの統合は、昨年の湊方彦アジア太平洋地域担当バイスプレジデントの就任を契機に、日本とアジア・太平洋地域の連携をさらに強化し、日本のグローバル企業のアジア・太平洋地域進出を支援するもの。その一環として東京・三鷹の同社オペレーションセンターを拡張し、中国を含むアジア・太平洋地域における全ネットワークの運用・監視業務を行う予定だ。

SaaS型サービスの拡充では、2007年に発表したセキュリティ分野に特化した「AT&T Web Security」や「Network-based Firewall」などに加え、2008年後半に統合コミュニケーションツールなどの新サービスを発表する予定。

今回発表した方針は、グローバルのユーザーのITニーズに対応する10億ドル規模の2008年投資計画の一環であり、特にアジアに事業を展開する日本企業を支援するものとしている。

また同計画には、3月に発表した中国と日本・米国をつなぐTPE光海底ケーブル事業への参入や、2007年発表の東南アジア諸国と米国を接続する「Asia-America Gateway(AAG)事業」も含む。