トランスコスモスは、中国に販路を拡大したい日本企業向けに日本語での企画立案、システム開発から中国消費者向けの顧客サポートまでをワンストップで提供する「中国市場進出支援サービス」を開始すると発表した。
具体的には、4月1日付けで社内にトランスコスモスグローバルコンサルチームを発足させ、このチームが日本企業の窓口となり、同社が中国に設立した子会社や関連会社と連携を取りながらワンストップサービスを提供していく。
トランスコスモスでは、1995年にシステム開発を行う大宇宙信息創造(中国)有限公司を設立したのを皮切りに、継続的に子会社や現地企業との合弁会社を設立、または出資を行い、現在では14社のグループ企業を保有している。同社では、これらの企業と連携しながら日本と同等のサービスを中国で提供していく予定だ。
同社上席常務執行役員の河野洋一氏は、「コンサルティングであれば他社でもやっているが、実行部隊を持っているのが我が社の強み」と述べた。
同社が中国市場向けに提供するのは、宣伝、販売促進、プロモーションを行うマーケティング業務、コールセンターやサポートセンター、Webサイト構築などを行うフロントオフィス業務、データエントリーやシステム開発を行うバックオフィス業務などだ。
日本企業が中国市場に進出する場合の課題として、信頼できるパートナーは誰か、日本と同等のサービスレベルを確保できるか、現地での中国語の打ち合わせの不安などが挙げられるが、この中で同社が重点に取り組むのが言葉の部分だ。トランスコスモスでは日本語での提供にこだわり、現地法人の新人には2~3カ月かけて日本語教育を実施、内部文書も日本語で記載されているという。
同社取締役副社長の石見浩一氏は、「この2年半で中国市場における土台が整ってきた。2007年度の中国市場の売り上げは約72億円だが、これを2010年には236億円まで伸ばしていきたい」と意気込みを語った。