eラーニングシステムの基本機能8種類をわかりやすく解説!

eラーニング

eラーニングシステムの機能は、受講者側が利用する機能と、講師・管理者側が利用する機能に大別できます。

本稿では、eラーニングシステムが提供する機能をまとめました。製品によってサポートしている機能には細かな違いがあるため、比較検討の際はどのような機能があるかを把握し、自社に必要な機能を提供している製品を選びましょう。

eラーニングの
おすすめ製品比較記事を見る

eラーニングシステムの基本機能

    eラーニングのイメージ

eラーニングシステムの基本機能は、受講者側と、講師・管理者側に分けると以下の通りになります。

<受講者側の利用機能>

  • 受講機能:受講者がeラーニングを受講するための機能
  • コミュニケーション機能:受講者と講師・管理者側が連絡しあえる機能
  • 受講・研修結果の確認:受講の進捗やテストの成績を一覧で確認できる機能

<講師・管理者側の利用機能>

  • 研修プログラム作成機能:各講座の開催予定を設定できる機能
  • 教材作成機能:教材を作成・修正あるいは既存教材を取り込む機能
  • 受講・研修結果の管理:講座ごとに受講者の学習状況・テスト結果を一覧形式で確認できる機能
  • 通知機能:受講者に必要な通知を送る機能
  • ユーザー管理:システム利用者のアカウントを管理する機能

それぞれの機能について順番に解説します。

eラーニングシステムの機能:受講機能

【チェックポイント】

  • ログイン機能
  • 学習計画・受講講座選択
  • 講座の受講
  • テスト実施
  • マルチデバイス対応

受講者がeラーニングシステムを使って受講をする機能です。ログイン画面および受講可能な講座を選択する画面、学習コンテンツを閲覧する画面などで構成されます。受講者は、インプット学習(教材などを利用して知識のインプットを行う)・とアウトプット学習(テストなどで理解度を確認する)が可能です。

ログインの際の認証は、シングルサインオンに対応していると受講者側にとって便利です。学習コンテンツは、受講期間中何度も繰り返し受講できるようになっており、受講者の理解度向上に役立ちます。また、ライブ授業が行える製品もあり、グループディスカッションを行いたい授業がある場合には便利です。

受講を完了した後には、受講者の理解度を確認するテストを設置することも可能です。学習者の理解度を確認するためには必要となる機能で、問題の中に画像や動画、URLなどを含められる製品もあります。制限時間や合格基準を設定し、合格点に達した学習者のみ学習終了とする、といった設定も可能です。

その他、受講講座の選択を受講者自身が行う学習計画機能なども、受講機能の中に含まれます。

受講機能は、どのeラーニングシステムにも必ず備わっていますが、どのようなユーザーインターフェイスかは製品によって大きく異なります。製品の比較検討の際は、学習コンテンツの閲覧画面の操作性や、マルチデバイスでの表示が比較ポイントとなります。

受講者である従業員に外国人もいる場合は、システムの画面表示を多国語に切り替えられる、多言語対応をしている製品を選ぶ必要があります。対応言語の種類も合わせて確認しましょう。

また、グループ企業で同じeラーニングシステムを利用する場合、学習サイトを親子で分けて管理できる製品もあります。親サイトで公開している講座を子サイトで参照することで効率的に教材を利用したり、小サイトのみに必要な講座を追加できたりでき、効率的なコンテンツ管理が可能です。

eラーニングシステムの機能:コミュニケーション機能

【チェックポイント】

  • 双方向で連絡できるチャット
  • グループディスカッション

受講者と講師・管理者側がコミュニケーションを取り合える機能です。受講者への連絡事項や受講者からの質問受付、学習前に見ておくべき資料の展開など、双方向に連絡ができる点が特徴です。

受講者にとっては、分かりにくかった部分を質問して理解度を深めるのに利用できます。講師・管理者側にとっては、学習が進んでいない受講者や、テストの成績が思わしくない受講者に対してピンポイントでフォローできる点が魅力です。

また、ライブ配信形式で行う講座の場合は、リアルタイムで多くの受講者が視聴するため、グループディスカッションにも使えるでしょう。

eラーニングシステムの機能:受講・研修結果の確認

【チェックポイント】

  • 学習進捗度
  • テストの点数
  • 合否判定
  • 未履修・不合格などのアラート
  • 過去の履修履歴

受講・研修結果の確認、過去の履修履歴などが可能な機能です。主な表示内容には、講座単位での学習進捗度、期限間近で学習完了していない場合のアラート、テストの点数と合否結果などがあります。

学習が漏れている講座がある場合のアラートは、ログイン直後の画面でも表示したり、メールなどで通知したりできる製品もあります。

eラーニングシステムの機能:研修プログラム作成機能

【チェックポイント】

  • 受講の順番指定
  • プログラム全体の修了・未修了判定
  • 標準的な研修プログラムのテンプレート提供
  • 完成した研修プログラムの提供

研修プログラムとは、学習テーマに沿った複数の講座をまとめ、履修が終わったときに学習テーマについての知識が身に付くように考えられた、講座の集合体です。新人教育研修・管理者研修・職種別研修など、研修プログラムの種類は多種多様です。

研修プログラム作成機能では、プログラム内に含める講座の指定、受講の順番、研修プログラムの修了・未修了判定などが行えます。さらに、作成した研修プログラムを履修するべき受講者の属性を設定しておくと、研修プログラムの割り振り時に便利です。

新人研修コースや管理者研修コースなど、多くの企業で共通して使える研修プログラムをセットで提供しているeラーニングシステムもあります。自社で研修プログラム作成が厳しい場合は、コース作成をアウトソーシングできるサービス利用も検討するといいでしょう。

eラーニングの
おすすめ製品比較記事を見る

eラーニングシステムの機能:教材作成機能

【チェックポイント】

  • 作成できる教材コンテンツの種類
  • 教材コンテンツの作成方法
  • ライブ配信形式の講座が可能かどうか
  • テスト作成機能と作成できるテストの形式

eラーニングシステムで利用する教材およびテストを作成する機能です。教材作成機能は、講師・管理者側の機能としては、特に重点的に確認するポイントとなります。コンテンツの中身を作るだけでなく、進捗度や修了判定も設定します。

教材の作成方法は複数あり、自社が想定する運用ができるかどうか確認しましょう。WordやPowerPointで作成した資料をアップロードして作成する方法もあれば、ベースとなる教材がシステム側で提供され、自社向けにアレンジする、という方法を提供する製品もあります。

社内研修制度を一から構築し、eラーニングシステムを導入する場合は、標準で提供される教材が豊富な製品が便利です。提供される教材をベースに、自社に合わせたアレンジができるかどうかも確認します。

自社で作成した教材が資産として多く残っている場合は、既存の教材を活用できる仕組みを持つ製品がおすすめです。

eラーニングにはSCORM(スコーム)呼ばれる標準規格があります。SCORMに対応した教材は、eラーニングシステム移行の際もスムーズです。SCORMに対応していない教材コンテンツでも、単純に教材ファイルをアップロードできる製品もあります。

作成できる教材の種類はさまざまですが、特に動画や映像、音声を利用した教材コンテンツに対応した製品も増えてきています。動画の方が効果的に学習できる場合も多いため、動画にも対応しているかどうか確認しましょう。

また、テスト作成機能では、どのような形式のテストが可能かをチェックします。選択式、記述式、小論文など、回答の種類はどこまで可能かを確認しましょう。設問内容では、動画を含めることは可能かなども要チェックです。

eラーニングシステムの機能:受講・研修結果の管理

【チェックポイント】

  • 確認のしやすさ(ダッシュボード形式など)
  • 表示できる情報の切り口(受講者単位・部門単位・講座単位など)
  • 受講者グループの登録
  • 受講者の登録
  • フォローが必要な受講者の検出

受講・研修結果を確認できる機能です。講師は担当講座ごと、システム管理者や受講者の上司は受講者単位で俯瞰して確認できるダッシュボード形式だと、ひと目で学習の進捗状況や成績が確認できます。

また、管理画面では、受講者グループの作成や、受講者登録も可能です。受講者の多い講座は、受講者を一括で登録できる仕組みや、受講者側で学習希望を提出し、講師側で定員調整を行う機能もあると便利です。

学習効果を高めるためには、フィードバックだけでなく、双方向にコミュニケーションを取ることも必要になります。管理画面で学習状況が芳しくない受講者がいる場合、コミュニケーション機能を使って受講者とコンタクトを取り、メンタリングを行うこともできます。

eラーニングシステムの機能:通知機能

【チェックポイント】

  • 通知方法
  • 通知範囲

講師やシステム管理者から受講者に通知する機能も、eラーニングシステムには必要です。通知機能があれば、受講決定通知や受講開始のリマインド、未受講のアラートなどに活用し、eラーニングの進捗管理をスムーズに進めるのに役立ちます。

通知方法は、eラーニングシステムのログイン直後の画面表示、メール、スマートフォンのプッシュ通知などがあります。通知範囲は、受講者全体・講座の受講者・特定の受講者と選べる仕組みがあると便利です。

eラーニングシステムの機能:ユーザー管理

【チェックポイント】

  • 登録方法(手入力、CSVファイル読み込み、他システム連携)
  • 設定できる情報
  • グループ管理
  • アクセス制御
  • 役割の設定
  • グループ企業管理

eラーニングシステムを利用する人全員のアカウントを管理する機能です。受講者・講師・システム管理者(社員教育を管轄する部門)などの役割を設定し、アクセス制御を行います。社内の組織に対応したグループや、グループ企業に対応した会社組織を管理できる製品もあります。

ユーザー数が多い場合は、一括で認証情報を登録できる機能や、社内のID管理システムと連携できる製品が便利です。

その他、ユーザーIDの有効・無効の切り替えや、組織の上司は部下の進捗状況を確認できるなど、ユーザーに関する情報の管理方法は、製品によって異なります。特に従業員規模が大きかったり組織構造が複雑だったりする場合は、ユーザー機能も忘れず確認しましょう。

eラーニングシステム選定時は自社に必要な機能を見極めよう

eラーニングシステムには、受講者がスムーズに学習を進めるための機能と、講師・管理者側が受講内容を管理しやすい機能が揃っています。

基本的な機能はどの製品も提供していますが、教材の作成方法や操作のしやすさ、管理できる情報など、製品によって違いがあります。製品を選ぶ際は、事前に自社の研修制度を整理して、どのような機能が必要かを整理しましょう。

eラーニングシステムを導入する際は、複数のサービスを比較して自社に最適な製品を選んでください。

eラーニングの
おすすめ製品比較記事を見る

タイトルとURLをコピーしました