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土地家屋調査士の難易度は?年収についてもご紹介!

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土地家屋調査士資格を取得したいけれど、

「難易度は高い?」
「年収はどのくらい?」

など、気になっている方も多いかもしれません。

本記事では、土地家屋調査士を目指している方に、試験難易度や年収について、他資格との比較もあわせてご紹介します。

本記事を読めば、難易度に合わせた試験対策や、自身の将来像を明確にイメージできるでしょう。

土地家屋調査士の通信講座について紹介した記事と合わせて、ぜひ最後までご覧ください。

土地家屋調査士の難易度は?

土地家屋調査士は、同じ不動産系資格である宅地建物取引士の学習延長上にあり、非常に難易度が高い資格です。

法律の知識に加え、数学や記述問題を速やかに解く能力も求められるため、しっかりと学習時間を確保する必要があります。

それでは、土地家屋調査士の難易度を計る指標として、まずは合格率から確認しておきましょう。

近年の合格推移は以下の通りです。

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和3年度 3,859人 404人 10.47%
令和2年度 3,785人 392人 10.36%
令和元年度 4,198人 406人 9.68%
平成30年度 4,380人 418人 9.54%
平成29年度 4,600人 400人 8.69%
平成28年度 4,506人 402人 8.92%
平成27年度 4,568人 403人 8.82%
平成26年度 4,617人 407人 8.82%
平成25年度 4,700人 412人 8.77%

試験の合格率は例年8~9%と非常に低く推移しており、土地家屋調査士の難易度は非常に高いことが分かります。

土地家屋調査士の試験は、例年10月に行われる筆記試験と、翌年1月に行われる口述試験で構成されており、上位400名程度しか合格できません。

さらに、合格までの平均受験回数は3回と言われており、簡単に取得できる資格ではないと言えるでしょう。

なお、筆記試験のうち「午前試験」については、測量士・測量士補・一級建築士・二級建築士、いずれかの試験合格者は免除されます。

そのため、ほとんどの受験生は毎年5月に行われる測量士補試験を受験し、免除資格を得ています。

土地家屋調査士の難易度が高い理由

ここでは、試験の難易度が高い理由について詳しく紹介していきます。

記述式の試験対策が難しい

土地家屋調査士試験の大きな特徴は、「記述式」試験があるという点です。

記述式では、電卓や三角定規を使って図面を作製し、登記申請書を書き上げる高いレベルが求められます。

国家試験の中には、択一式(マークシート)の試験も多く存在しますが、土地家屋調査士は、択一と記述の配点は半分で構成されています。

つまり体力のかかる記述問題が半分を占めているため、非常に難易度が高くなると言えるでしょう。

記述式は、三角関数や複素数の知識が必要であり、複数の図形を作成しなければなりません。

まずは、申請書の雛形をしっかり覚え、解法をきちんとマスターしましょう。

ズレや未記入があると減点となるため、早く正確に描く練習を重ねる必要があります。

近年の傾向では、複雑な計算や単純な暗記物よりも、問題文からどのように登記すべきかを自身で判断させる、より実務に近い内容の出題となっています。

このように、法令知識さえ知っていれば合格できるわけではない点が、土地家屋調査士試験の難しいところです。

択一式と記述式の足切り点を超えるのが厳しい

土地家屋調査士の筆記試験には「基準点」と「合格点」が存在します。

「基準点」とはいわゆる足切り点で、択一式と記述式どちらにも設定されており、両方とも到達しなければ合格できません。

択一式と書式でそれぞれ基準点が設けられており、片方で基準点をクリアできない場合、もう片方は採点すらしてもらえず不合格になるでしょう。

そして、択一式と記述式のどちらも基準点を上回り、合計点が「合格点」に到達してはじめて、筆記試験の合格対象となります。

このように足切り制度は、土地家屋調査士試験の難易度を上げる一因となっていると言えるでしょう。

そのため、極端に苦手科目を作らず、択一と書式のどちらもバランス良く得点できる力が必要です。

試験問題に対して制限時間が短い

土地家屋調査士試験は、2時間30分の中で、択一式20問と記述式2問を解かなければなりません。

具体的には、土地と建物の申請書記入、座標値や辺長・面積を求め、地積測量図や建物図面などを作成する必要があります。

そのため、出題ボリュームに対する試験時間は、非常に短いと言えるでしょう。

択一式・記述式それぞれの時間配分は決められていないため、自身のペースで試験時間内に全て解けるよう調整しなければなりません。

択一式に時間をかけすぎてしまい、記述式を解く時間がなくなってしまう方も多いため、土地家屋調査士試験はスピード勝負の試験と言えるでしょう。

他資格の難易度を比較

ここからは、他資格と比較した場合における土地家屋調査士の難易度を、土地家屋調査士と特に関連が深い3つの資格と比較して解説します。

測量士と比較した場合の難易度

まずは、測量士と土地家屋調査士の難易度を比較してみましょう。

近年の測量士合格推移は以下の通りです。

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和4年度 3,194人 460人 14.4%
令和3年度 2,773人 497人 17.9%
令和2年度 2,276人 176人 7.7%
令和元年度 3,232人 479人 14.8%
平成30年度 3,345人 278人 8.3%
平成29年度 2,989人 351人 11.7%
平成28年度 2,924人 304人 10.4%

測量士試験合格率は、令和2年度の7.7%と低い年もありますが、17%を超える年もあり、平均すると10%を超える合格率となっています。

したがって、土地家屋調査士の方が測量士より難易度は高いと言えるでしょう。

ただ、測量士に関しては、令和2年度と令和3年度では、10%以上の開きがあるため、実施年度によって難易度は大きく変わると言えます。

公共工事の測量を行う測量士と、不動産登記の測量を行う土地家屋調査士は、業務内容が似ており、2つの資格を取得していれば測量業務を網羅できるため、ダブルライセンスを取得する方も多い傾向にあります。

また、測量士資格保有者は、土地家屋調査士の午前試験免除を受けられる点から見ても、両者は関連の深い資格であると言えるでしょう。

宅建と比較した場合の難易度

以下の、宅建合格推移を見てみると、合格率は15~17%程度であり、土地家屋調査士の方が宅建に比べて難易度は高いと言えるでしょう。

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和4年度 226,048人 38,525人 17.0%
令和3年度【12月実施分】 24,965人 3,892人 15.6%
令和3年度【10月実施分】 209,749人 37,579人 17.9%
令和2年度【12月実施分】 35,261人 4,610人 13.1%
令和2年度【10月実施分】 168,989人 29,728人 17.6%
令和元年度 220,797人 37,481人 17.0%
平成30年度 213,993人 33,360人 15.6%
平成29年度 209,354人 32,644人 15.6%
平成28年度 198,463人 30,589人 15.4%
平成27年度 194,926人 30,028人 15.4%

宅建についても、土地家屋調査士と非常に相性の良い資格とされています。

不動産会社にて土地や建物を売買、賃貸物件のあっせんなどを行う宅建士と、土地家屋調査士の両資格を持っていれば、土地を分筆してそのまま売却の仲介が可能です。

不動産取引に関する手続きを自らスムーズに行えるため、業務の幅が広がり、収益アップにも繋がるでしょう。

宅建と土地家屋調査士、両者の合格率や難易度から見ると、宅建士を先に取得した後、土地家屋調査士を取得する方が多いと言えます。

宅建は、合格者割合が決まっている相対評価による試験であり、実施年度の受験者レベルによって合否のボーダーは都度変わります。

しかし、ポイントを押さえ計画的に学習を進めれば資格取得を目指せるでしょう。

出題割合の高い民法・宅建業法などを中心に効率よく学習していくと良いでしょう。

行政書士と比較した場合の難易度

最後に、行政書士と土地家屋調査士の難易度を比較してみましょう。

近年の合格率推移は以下の通りです。

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和3年度 47,870人 5,353人 11.2%
令和2年度 41,681人 4,470人 10.7%
令和元年度 39,821人 4,571人 11.5%
平成30年度 39,105人 4,968人 12.7%
平成29年度 40,449人 6,360人 15.7%
平成28年度 41,053人 4,084人 10.0%
平成27年度 44,366人 5,820人 13.1%

行政書士の合格率は、10~15%程度で推移しており、土地家屋調査士の方が難易度は高いと言えます。

資格試験合格のために必要な勉強時間で比較すると、行政書士が約800時間ほどに対して、土地家屋調査士は約1,200時間程度と言われています。

土地家屋調査士の方が、400時間も多く勉強しなければならないため、勉強時間で比較しても土地家屋調査士の方が難易度は高いと言えるでしょう。

業務面に関しては、行政書士も土地家屋調査士と業務上の接点が多く、不動産・建築業の許可関係や、相続・遺言など多くの点で業務提携が可能です。

このように、受注できる仕事が大幅に広がるため、実際に行政書士と土地家屋調査士のダブルライセンスを取得している方も多い傾向にあります。

土地家屋調査士の年収はどのくらい?

難易度も高い土地家屋調査士は「需要があって稼げるのでは?」と考えている方も多いかもしれません。

一般的に、土地家屋調査士の年収は600万円程度と言われており、サラリーマンの平均年収441万円よりも高いため、儲かる職業の一つと言えるでしょう。

土地家屋調査士の年収が高い理由として、独占業務による参入障壁の高さが考えられるでしょう。

不動産の表題登記や筆界特定など、資格保有者にのみ許される業務であり、誰でもできてしまうと依頼者の権利を損なう恐れがあることから、土地家屋調査士による独占業務となっています。

たとえ、司法書士や測量士資格を保有していても、土地家屋調査士の業務を行うと違法となり、第三者から委託した場合、法律による罰則対象となってしまいます。

こうした点から参入ハードルが高くなるため、土地家屋調査士の年収は高くなっていると考えられるでしょう。

土地家屋調査士平均年収(年齢・勤続年数)

まずは、土地家屋調査士の年齢別年収と給与を見てみましょう。

以下の表にて、各年齢を5歳刻みで算出しています。

年齢 平均年収 給与
20~24歳 428万円 27万円
25~29歳 533万円 33万円
30~34歳 585万円 37万円
35~39歳 668万円 42万円
40~44歳 750万円 47万円
45~49歳 840万円 53万円
50~54歳 900万円 56万円
55~59歳 893万円 56万円
60~65歳 608万円 38万円

最大年収ピークは50代前半の900万円となっており、20代平均年収と比較した場合、倍以上の差が見られます。

また、働き盛りである30代・40代の年収は668~750万円となっています。

土地家屋調査士は経験重視のため、年齢を重ねれば収入がアップするわけではありません。

しかし、実務経験を重ねることは、年齢を積み重ねることに繋がるため、そうした意味では年齢と収入は相関関係にあると言えるでしょう。

調査士事務所の方針によって違いはありますが、勤続年数による平均年収の目安は以下の通りとなっています。

勤続年数 1年目(未経験)の年収

新卒、実務経験ゼロの場合、入職直後は年収300万円が妥当なラインと言えるでしょう。

最初は、測量補助や登記のノウハウなど、先輩やリーダーから学ぶことから始めるため、給与はそれほど高くありません。

1年目は「仕事がない」のではなく、しっかりと教育を受け、学び、実践力を付けていく大切な時期と言えるでしょう。

とはいえ、土地家屋調査士は独占業務のため、年収は測量士に比べて、高く設定されています。

勤続年数 3年目の年収

土地家屋調査士として勤続年数3年を超えると、平均年収は500万円ほどとなります。

3年目を迎えると、調査士の重要な仕事である「確定測量」ができるようになる時期で、給与が大きく上がる傾向にあります。

確定測量ができるのは補助ではなく、チーム全体を引率できるリーダー的存在として見なされるでしょう。

教育体制が整っている事務所であれば、3年程度で確定測量ができるようになるでしょう。

勤続年数 7年目以上の年収

勤続年数が7年以上になると、年収は700~1000万円以上になります。

年収がぐっと上がる分、責任もついて回るでしょう。

業務内容も、プレイヤーではなく経営やマネジメント業務が多くなります。

土地家屋調査士のボーナス・賞与について

土地家屋調査士の賞与は基本的に「年2回・各2ヶ月分」が平均的と言われています。

賞与については、80~90万円程度が平均、100万円以上の支給を受けているケースもあり、基本給が高い企業であれば、賞与も高額配給となるでしょう。

独立開業した場合の賞与

独立開業した場合、毎月の給与が一定額とは限らない上、賞与支給も約束されていないため、収入はかなり変動しやすいと言えます。

しかし、努力次第で仕事量を増やせるため、必要経費を差し引いた金額が全て自身の収入となり、1,000万円以上の年収を得ている方も多いでしょう。

一方で、努力が実らず、補助者として勤務していた頃より、年収が少なくなってしまうケースもあり、経営経験や資金繰りのうまさが問われます。

このように独立開業の場合、年収格差が特に激しいため、独立を考えている方は、先を見据えながら日々の業務にあたると良いでしょう。

個人事務所の賞与

個人事務所では、業務の貢献度が高い社員に賞与として実績を還元してくれるケースが多いでしょう。

個人事務所は、全業務をこなすようになるまでのスピードが法人に比べて早く、同じ年代の調査士より経験が高く、昇給も早いため、貰える給与や賞与も変わってくるでしょう。

しかし、個人事務所は案件が少ない傾向にあるため、売上が好調であれば賞与額は大きくなりますが、常に良い状態とは限りません。

法人事務所の賞与

法人事務所は、個人事務所に比べて規模が大きく社員も多いため、個人事務所のような大きな額で賞与支給を受けるのは難しいかもしれません。

その分、個人事務所に比べ基本給与が高く設定されており、昇格を通じて役員になったり管理職ポストに就いたりと、年収アップのチャンスは多いと言えるでしょう。

土地家屋調査士の年収を増やすには?

土地家屋調査士の年収を増やすためには以下の方法が考えられます。

  • 不動産取引の盛んな場所に事務所を構える
  • 高額報酬の案件を受ける
  • ADR認定土地家屋調査士、司法書士など他資格を併せ持ち、付加価値をつける

都市再生機構やUR都市機構など大型集合住宅を扱う場合、年収が大幅にアップする可能性は高いと言えるでしょう。

また、公共道路の水路や、分筆登記申請が必要となる工場用地など、大掛かりな事業は年収アップに繋がりやすいでしょう。

年収1,000万・2,000万といった高額年収を稼ぐ土地家屋調査士は、大手ゼネコンの公共工事や大型商業施設の建設会社と契約しているケースが多いと言えます。

 そして、年収アップに欠かせないのは他資格による付加価値です。

資格は、経験やスキル同様、自身の市場価値を高める武器であり、昇給や給与アップに繋がるでしょう。

土地家屋調査士は、企業に所属して活躍することはもちろん、独立して開業する方も多く、ダブルライセンスにより業務領域を広げ、高収入を得ている方もいます。

このように自身の工夫次第で年収アップも夢ではないため、ぜひ目指してみましょう。

まとめ

土地家屋調査士の難易度と年収について詳しく紹介しました。

土地家屋調査士は、土地の登記や調査にあたり必要な人材であり、今後も変わらず求められる存在です。

土地家屋調査士の難易度は9~10%程度と非常に高く、誰でも簡単になれる職業ではありませんが、容易にできない仕事であるからこそ、強いやりがいを感じられるのではないでしょうか。

平均年収は600万円程度と、一般サラリーマンの平均年収より高く、さらに経験やスキルアップにより1,000万円以上も目指せるでしょう。

このように、独立開業や、努力次第で年収は大幅に変化する点が土地家屋調査士の特徴であると言えます。

大幅に年収アップできる土地家屋調査士を目指し、まずは資格取得に励んでみてはいかがでしょうか。

徳永浩光

キャリアコンサルタントの国家資格を所有しています。実際に資格取得で役に立った情報をお届けしていきますので、これから資格取得を考えているあなたの手助けができれば幸いです。
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