社会人必須のビジネススキルとして、就職や転職、キャリアアップに活かせるのが簿記資格です。
また、税理士や公認会計士などの会計系の難関資格を目指す方にとって、簿記の知識を身に付けることは、学習の礎を築くためにも重要な材料となるでしょう。
この記事では、簿記資格の取得を目指す方が参考にできる簿記検定の試験日についてと、検定試験の申込方法や検定試験の概要についてご紹介します。
就職活動中の学生からキャリアアップを狙う社会人、税理士などの難関資格を目指す方まで、役立つ情報が満載です。
なお、日本には数種の団体が主催する簿記検定試験がありますが、ここではもっとも受験者数が多く、ポピュラーな「日商簿記検定試験」についての内容をお届けします。
簿記の勉強に役立つ通信講座の内容とあわせて、ぜひ最後までご覧ください。
簿記検定試験日程 2023年度スケジュール
日商簿記検定試験の統一試験(筆記試験)は、毎年3回、6月・11月・2月に行われますが、このうち、2級・3級の試験は3回すべてにおいて、1級の試験は6月・11月にわたり計2回、実施されます。
また、2級・3級を対象としたネット試験では、受験者が任意の試験日を選択することによる受験予約が可能です。
簿記2級・3級の試験日程
日商簿記検定2級・3級の試験日・申込受付期間・合格発表日については、以下の通りです。
2級・3級実施月(回) | 申込受付期間 | 試験日 | 合格発表日 | |
6月実施(第164回) | 受験希望地によって異なる | 2023年6月11日(日) | 7月上旬から7月下旬 | |
11月実施(第165回) | 受験希望地によって異なる | 2023年11月19日(日) | 12月中旬から1月中旬 | |
2月実施(第166回) | 受験希望地によって異なる | 2024年2月25日(日) | 3月中旬から4月中旬 | |
ネット試験 (CBT試験) |
随時可能 | 各試験会場が設けている任意の日から選択 | 試験終了後、即時発表 |
※令和2年度からネット申込のみの受付となりました。
2級・3級の検定試験においては、統一試験(筆記試験)のほかネット試験(CBT試験)による受験も可能です。
ネット試験では、受験者が都道府県ごとに指定されたテストセンターに赴いて試験を受けます。
自宅で受験できるというわけではなく、あくまでも指定された会場で受験するということに留意しましょう。
試験会場となるテストセンターには2つのタイプがあり、「毎週あるいは毎月など定期的に試験を実施している会場」もしくは「受験生の希望に応じ随時試験を実施する会場」のいずれかを選択して受験します。
受験予約の際は、日程や試験会場などの内容をよく確認し、ご自身が希望される日時・会場を選んで申し込みましょう。
なお、ネット試験においては、年3回の統一試験の前後約10日間をネット試験の施行休止期間と定めており、この間はネットによる受験ができません。
以下、2023年度のネット試験施行休止期間を掲載します。
- 2023年4月1日(土)~2023年4月13日(木)
- 2023年6月5日(月)~2023年6月14日(水)
- 2023年11月13日(月)~2023年11月22日(水)
- 2024年2月19日(月)~2023年2月28日(水)
簿記1級の試験日程
日商簿記検定1級の試験日・申込受付期間・合格発表日については、以下の通りです。
1級実施月(回) | 申込受付期間 | 試験日 | 合格発表日 | |
6月実施(第164回) | 受験希望地によって異なる | 2023年6月11日(日) | 7月上旬から7月下旬 | |
11月実施(第165回) | 受験希望地によって異なる | 2023年11月19日(日) | 12月中旬から1月中旬 |
※令和2年度からネット申込のみの受付となりました。
1級の検定試験では、ネット試験(CBT試験)は行われておらず、すべての試験が会場における筆記試験(統一試験)で実施されます。
なお、1級~3級までの全試験において、試験日や受付期間などの日程が商工会議所ごとに異なるため、希望の受験地を管轄する商工会議所のリリース情報等をこまめにチェックしておきましょう。
簿記検定の試験概要
ここからは、日商簿記検定試験の試験概要についてご紹介します。
検定級ごとに、試験の出題内容や難易度、合格率などが大きく異なるため、ご自身が受験される検定級の内容を参考にしてください。
簿記3級の試験概要
日商簿記検定3級における、試験内容や受験方法などの基本項目を確認しましょう。
2級・3級に関しては、筆記試験に加え、ネット試験(CBT方式)が新設されています。
試験内容 |
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試験方法 |
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試験時間 |
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合格ライン |
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合格率 |
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試験会場 |
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受験資格 |
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受験料 |
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簿記3級試験は、商業簿記の仕訳問題、補助簿や勘定記入など穴埋め形式の理論問題、決算整理後試算表または精算表等の作成問題による、計3題から構成されています。
2021年6月に実施された第158回検定試験より、3級試験は60分、2級試験は90分と試験時間が短縮されているため、注意が必要です。
簿記検定試験当日は、原則として氏名・生年月日・顔写真入りの身分証明書(運転免許証やパスポート、社員証、学生証など)を持参する必要があります。
顔写真入りの身分証明書が用意できない場合でも、健康保険証+マイナンバー通知カードのように、証明書の組み合わせによって受験が可能です。
本人確認ができる身分証明書をお持ちでない方は、受験地の商工会議所にご相談ください。
1級~3級すべての試験において、計算機器である電卓の使用が可能です。
ただし、使用できるのは計算機能(四則演算)付きのものに限り、印刷機能やメロディー機能、プログラム機能、辞書機能があるものは原則持ち込めません。
また、スマートフォンやタブレット端末などの電卓機能を使用することも禁止されています。
新設されたネット試験に関しては、紙の問題用紙がなかったり、解答にパソコンを使用したりするなど、従来の筆記試験とは解答方法が異なり、相応の対策が必要です。
ネット試験を受験される方は、日本商工会議所の公式ホームページに掲載されている模擬問題の無料サンプルや、大手予備校がホームページ上で提供している予想問題などを活用して、あらかじめ問題演習に取り組んでおくといいでしょう。
簿記2級の試験概要
日商簿記2級に関する、試験内容や試験方法などの詳細を確認しましょう。
3級同様、ネット試験による受験も可能です。
試験内容 |
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試験方法 |
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試験時間 |
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合格ライン |
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合格率 |
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試験会場 |
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受験資格 |
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受験料 |
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簿記2級の試験では、商業簿記の仕訳、連結会計問題、損益計算書の作成問題、工業簿記の仕訳と原価計算、直接原価計算等による、計5題が出題されます。
2級試験も3級試験同様、120分から90分へと、試験時間が30分短くなっているため注意が必要です。
試験会場へは、試験開始の30分~5分前までに到着するようにしましょう。
遅刻すると受験が認められないため、会場へは時間に余裕をもって訪れてください。
ネット試験では、テストセンターにあるパソコンを使用して解答します。
パソコン画面に表示される問題はスクロールで読み進め、解答時における数字などの入力操作と、試験前における受験者氏名や住所など個人情報の入力操作にキーボードを使用します。
簡単な入力とマウス操作ができれば、問題ありません。
また、ネット試験においても紙への記述式問題が出題されます。
こちらも統一試験同様、問題用紙に線を引いたり、メモを取ったりすることは禁止されているため、メモ書きなどはすべて、別に配られるA4白紙の計算用紙に行いましょう。
試験終了後は、即時に試験結果が画面に表示されます。
試験結果(スコアレポート)は試験会場でプリントアウトされるため、そのままお持ち帰りください。
合格証書(カード)は、試験終了1ヶ月以内にネット試験会場よりご自宅へ郵送されます。
簿記1級の試験概要
日商簿記1級における、試験内容や試験方法などの基本事項を確認していきます。
2級・3級試験とは異なり、ネット試験による受験は設けられていません。
従来通り、統一試験(筆記試験)のみで試験が実施されます。
試験内容 |
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試験方法 |
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試験時間 |
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合格ライン |
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合格率 |
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試験会場 |
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受験資格 |
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受験料 |
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簿記1級の試験では、商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目から、2問~5問ずつ出題されます。
日商簿記検定1級に合格すると、以下の資格または特典が与えられます。
- 税理士試験の受験資格が与えられる。
- 職業能力開発促進法の指導員資格試験で、事務科の試験科目の一部が免除される。
- 大学の推薦入試のアピールポイントになる。
とくに、高卒で税理士を志望するなど、税理士試験の学歴による受験資格を満たしていない方にとって、日商簿記検定1級の合格は受験資格を得るためにマストの選択となります。
1級で学ぶ簿記の知識は、税理士試験で必須科目となる簿記論と相関性が高く、税理士の試験勉強における基礎固めができるチャンスとも解釈できるため、税理士を目指される方が学んでおくとその後に役立つ学習内容です。
簿記検定の申込方法
簿記検定試験に関する受験申込の受付方法や受付期間は、受験地を管轄する商工会議所ごとに異なります。
試験日の2ヶ月ほど前になったら、ご自身が希望する受験地にある商工会議所に、受験の申込方法や申込書の取得方法、受験料の支払方法などを前もって確認しておきましょう。
統一試験(筆記試験)の申し込み
簿記検定試験の申し込みは、原則受験申込書を窓口へ持参して行います。
ただし、多くの商工会議所は窓口受付のほか、受験申込書の郵送による受け付け、またはインターネット申込を受け付けているため、受験希望地の商工会議所の規定に従い、ご自身のやりやすい方法で手続きしましょう。
受験申込受付期間は、商工会議所により異なりますが、おおむね試験日の1ヶ月前に10日間~2週間前後で設けられています。
通常、窓口受付よりもインターネット受付のほうが、申込開始日が早く、受付期間が長めに設定されていることが多いようです。
2021年度試験においては、例年よりも申込受付期間を短縮している商工会議所があるため、こちらもやはり各自確認が必要です。
受付期日を過ぎると申込書が受理されないこと、また定員に達し次第、申込受付を終了する商工会議所もあることなどの理由より、受験を決めている方は期間内でお早めにお申し込みください。
統一試験(筆記試験)の申込方法
原則、受験希望地にある商工会議所の規定に従う
多くの商工会議所では、窓口・郵送・インターネットで申込受付を行っているため、各受験者が希望する申込方法を選択し、商工会議所の規定に則って手続きを行います。
ネット試験(CBT試験)の申し込み
2級・3級のネット試験に関する受験申込は、パソコンまたはスマホから手続き可能な「インターネット申込方式」と、「会場問い合わせ方式」の2通りがあります。
日本商工会議所の公式ホームページにある「商工会議所ネット試験施行機関リスト」から、希望するテストセンターがどちらの申込方式をとっているか確認しましょう。
「会場問い合わせ方式」の場合でもテストセンターによって、窓口受付や電話受付、インターネット受付など申込受付方法が異なるため、詳細については各地のテストセンターに確認する必要があります。
「インターネット申込方式」をとるテストセンターで受験する場合は、まずパソコンまたはスマートフォンからCBT-Solutionsへアクセスし、マイページを作成しましょう。
マイページが作成できたら、「CBT申込」より、希望する試験、試験日、試験会場、試験時間を選択します。
つづいて受験料の支払方法を決めますが、ここでは、クレジットカード決済、コンビニエンスストア決済、Pay-easy決済の3通りによる決済方法よりいずれかを選択し、支払方法を確定します。
支払方法が確定したら、以上で受験予約は完了です。
ご自身が登録されたEメールアドレス宛てに、予約完了のお知らせが届くため、申込内容と支払手続き、添付された試験会場地図を忘れずに確認しておきましょう。
なお、一旦確定した受験予約をキャンセルすると、キャンセル手数料が発生します。
慎重に受験予約しましょう。
ネット試験(CBT試験)の申込方法と手順
1. 受験希望地にある受験可能なテストセンターを確認する
希望するテストセンターがインターネット申込方式または、会場問い合わせ方式のいずれであるかを確認します。
インターネット申込方式であれば以降の手順で手続きをしますが、会場問い合わせ方式であれば直接各会場に問い合わせて、申込方法などの詳細を確認します。
2. CBT-Solutionsサイト内でマイページを作成する
マイページの作成にはユーザーIDとパスワードが必要です。
これまでにCBT-Solutionsでの受験経験がある方は、この作業は不要です。
3. 受験予約
受験規約に同意をしてからログインし、受験予約をします。
4. 受験予約完了
ご自身のEメールアドレス宛てに、申込内容の詳細が届くため、必ず確認しておきましょう。
予約内容の確認や変更またはキャンセルは、受験予約画面から行えます。
なお、変更やキャンセルは、試験ごとに設けられている変更・キャンセル期間内でのみ有効です。
5. 領収書発行
変更・キャンセル期限を過ぎると、受験者専用ページ(マイページ)に領収書ボタンが表示されます。
マイページにログイン後、「CBT申込」をクリックし「領収書ボタン」をクリックすると、ポップアップ内にご希望の宛名入力ができます。
宛名入力後、「領収書ダウンロード」ボタンをクリックすることで、ご自身での出力が可能となります。
簿記の試験会場
簿記検定試験の統一試験(筆記試験)は、受験を申請した商工会議所が指定する試験会場で実施されます。
受験者は受験エリアを希望することはできますが、試験会場を指定できるわけではないことに注意しましょう。
試験会場における注意点
簿記検定試験は、居住区や勤務地にかかわらず、どこでも受験できます。
受験希望地にある商工会議所に申込手続きをすることで、その土地にある会場での受験が可能となります。
試験は、商工会議所で行われるわけではなく、商工会議所が指定する試験会場で実施されます。
この具体的な試験会場については、受験者宛ての受験票のみで通知されるため、受験票発送前に問い合わせても対応してもらえません。
一般的には、高校や専門学校、大学などの教育機関や、市の会場、ホールなどを利用して実施されることが多いようです。
受験票がお手元に到着したら、必ず試験会場名と場所を確認し、アクセス方法についてもチェックしておきましょう。
まとめ
簿記試験の形態は近年様変わりしており、従来の筆記試験に加え、コンピューターによるネット試験の受験が可能になりました。
それにともない、これまで年3回を受験回数の上限としていたものが、ネット試験においては受験日の翌日より最短3日後以降であれば、何回でも受験できるようになっています。
また、試験形態が増えたことで、関連する試験日や受験申込方法なども細分化され、試験情報がより煩雑化し、一見するだけではわかりにくいものになっています。
この記事で、あなたが希望する簿記試験の試験日や申込方法などをピンポイントで確認し、今後の簿記検定試験の受験にぜひお役立てください。
さらに、簿記の勉強に役立つ通信講座の記事も掲載しているので、こちらもぜひ合わせてご覧ください。