キャベツの千切りは想像以上の重労働である。料理経験が豊富な人であっても、「キャベツの千切りはしたくない」という人が絶えないほどだ。
なので、キャベツの千切りは「既にカットされたものを買っている」という家庭も多いだろう。実際、スーパーなどでもカット野菜コーナーが年々充実していることから、需要が増していることがわかる。
ただ、カット野菜はコストがかかるし、鮮度の違いから食感も落ちる。そのため、コスパや味を重視したいのであれば、やはり自分で千切りにしたほうがいい。
「それでも手間はかけたくない…」――そんな時に候補に挙がるのが、キャベツの千切り専用ピーラーである。第3回となる今回は『キャベピィMAX-EX』を例に挙げ、包丁やスライサーなどとの違い、そして本当に買うだけの価値があるのかを検証していく。
この記事の担当者(マイナビライター)


水貝 英斗
プロデューサー兼編集ライター
包丁・スライサー・ピーラー――キャベツの千切り時の各アイテムの特徴
キャベツを千切りにする時、候補に挙がるのが包丁・スライサー・ピーラーの3つだ。千切りだけを考えた時にそれぞれでどんな違いがあるか、一つずつ整理してみる。
1. 包丁:自由度は高いが、技術と体力が要求される
包丁での千切りは、プロの料理人が行う「基本の技術」のひとつだ。
キャベツを大きくカットしてから、断面をそろえて重ね、端から細く切っていく――うまくこなせれば、太さのそろった美しい千切りができる。厚みのコントロールも自由自在で、料理の用途に合わせて調整可能だ。
しかし、家庭目線で見ると、いくつかのハードルがある。
- 均一な太さに切るには、かなりの練習と集中力が必要
- キャベツ1/4玉→1/2玉→1玉と量が増えるほど、手首と肩への負担が増大
- 包丁の切れ味が悪いと、繊維をつぶしてしまい、食感が悪くなる
特に、「料理は毎日するが、包丁さばきにそこまで自信はない」という層にとっては、キャベツの千切り=少し気合いを入れないと向き合えない作業になりがちだ。
2. スライサー:速いけれど、怖さと後片づけの問題
次に、板状のスライサー。
キャベツの断面をスライサーに押し当て、一定方向にスライドさせるだけで均一な厚さの千切りが大量にできる。飲食店など業務の現場でも広く使われる、効率の良い道具である。
メリットは明確だ。
- 厚さがアジャスターである程度決められる
- 包丁よりスピードと均一性に優れる
- 「切る」というより「滑らせる」動きなので、リズムに乗りやすい
その一方で、家庭の目線では弱点もある。
- フラットなスライス面に指先が近づいていく怖さ
- ある程度の大きさがあり、収納場所を取る
- 刃周りを洗うのがやや面倒で、毎日使うのは億劫
「週末にまとめて千切りしておく」にはいいが、「平日の夜にちょっとだけ」などの場面では、出す・洗う・しまうの手間が気になってしまう道具でもある。
3. ピーラー:削る発想で、ハードル低め
ピーラーでキャベツを千切りにする――この発想は少し新しいかもしれない。
手順を説明すると、ざく切りにしたキャベツの断面にピーラーを当て、そぐように削っていくと千切りになる。イメージとしては、包丁のように「切る」のではなく、薄く削り取るという感じだ。
一般的なピーラーでもある程度は可能だが、
- 刃幅が狭く、一度に削れる範囲が少ない
- 刃の角度や位置が、キャベツの繊維に最適化されていない
という理由から、「できなくはないが、専用ピーラーに比べると物足りない」という結果になりやすい。
では、「キャベツ専用」を名乗るキャベピィMAX-EXならどうだろうか。
キャベピィMAX-EXは、どこが特別か
キャベピィMAX-EXという名前から、「よくある便利グッズの一種かな」と思う人もいるだろう。
しかし、その構造に目を凝らしてみると、「キャベツ1玉をどう削るか」というテーマにかなり真面目に向き合っている。
ポイントになるのは、大きく5つだ。
- キャベツの断面に合わせたワイドな刃幅
- ピーラー界で初となる2枚刃構造
- 繊維をつぶさず、すくい取る刃角度と位置
- ギザギザな刃による副次的な効果
- レーベン共通の指かけ構造による動かし方の自由度
1. キャベツの断面に合わせたワイドな刃幅
キャベピィMAX-EXでまず目を引くのが、そのワイドな刃だ。一般的なピーラーと比べると、その差は歴然である。
キャベツ1/4玉をざく切りにすると、断面は外側から内側へ向かって、ゆるやかなカーブを描いている。
千切りにする際は当然このカーブ全体に対して、一度にできるだけ広い範囲を削りたいと考える。そのために、刃幅が広く取られている。
そうして設けられた広い刃には、
- 一度にさばける量が増える(=時間短縮)
- キャベツの繊維が長いまま残りやすい(=ふわっとした食感につながる)
という2つの効果がある。
2.ピーラー界で初となる2枚刃構造
キャベピィMAX-EXのもう一つの大きな特徴が、刃を重ねた2枚刃構造であることだ。複数刃は髭剃りでは一般的だが、それまでピーラーに応用した例はなく、ピーラーにおいては初。意匠登録第1617023号(刃を複数枚重ねた皮むき器)として意匠登録されている。
2枚刃の強みはその速さだ。刃の枚数を増やしたことで、一度に削れる量を増やしている。それも、ただでさえ多く削れるワイドな刃を二枚重ねとすることで、キャベピィMAX-EXは驚異的な速度を実現した。通常の1枚刃ピーラーと比べると、同じ時間で2倍量のキャベツの千切りができあがる。
結果、手早く大量につくるができ、調理時間の時短。また、効率化によって、疲れる前に作業を終えることができる。
3. 繊維をつぶさず、すくい取る刃角度と位置
キャベツの食感を決めるのは、「繊維の扱い方」だ。
繊維に対して垂直にガツガツ刃を当てると、繊維がつぶれて、しんなりしやすい。一方で、繊維に沿ってすくい取るように切ると、空気を含んだふわっとした千切りになる。
キャベピィMAX-EXはキャベツの断面に対し、刃の角度をやや寝かせ気味にし、刃が当たる位置も繊維の向きに沿うように設計している。これは、トマトピーラーで見た「刃を寝かせてなでるように削る」発想とも共通している部分だ。
実際にキャベツを削ってみると、刃が繊維のスキマにスッと入り込み、そこから先はほとんど抵抗なくシュシュッと長い千切りが出てくるという感覚がある。
包丁で力を入れて切っていたときに比べ、繊維がつぶれにくく、見た目も細長く整いやすい。
結果として、お店ででてくる千切りキャベツに近い見た目と食感が手に入りやすくなる。
4.ギザギザな刃による副次的な効果
キャベピィMAX-EXの刃先には、鋭い刃が2mm間隔で並んでいる。このギザギザとした刃のおかげで、軽い力でキャベツを削ることができる。
そしてこのギザ刃には、もう一つ副次的な効果がある。細やかな刃たちによって、削った食材の断面が波状になるのだ。この緩やかな凹凸はドレッシングや調味料を捉えてくれる。おかげで味が染みこみやすいという嬉しいメリットがある。
5. レーベン共通の指かけ構造による動かし方の自由度
キャベピィMAX-EXには、レーベンのピーラー群に共通する指かけ構造がある。
- 意匠登録第1470383号:指かけ構造
一般的なピーラーは、ハンドルを手全体でぎゅっと握って使う。こうすると、手首の関節が固定されてしまい、長時間の連続動作で疲れやすい。
一方で、指かけ部に人差し指を添えて、軽く握る方式だと、手首の可動域が広く保たれるため、前後左右にスナップを効かせやすい。結果として、必要以上に力を入れずに、軽いストロークで長時間削れるのだ。
「指かけ構造は高齢者や手の力が弱い人向け」というイメージを持つ人もいるかもしれないが、実際にキャベツの千切りのように、削る量が多い作業をラクにこなしたい、すべての人に適している。
キャベピィMAX-EXは、特にピーラーの扱いに慣れてくるほど、そのポテンシャルを最大限に発揮できると感じた。
実測してみる:キャベツ1/2玉を千切りにした時の時間と疲れ
編集部で、実際にキャベツ1/2玉を
- 包丁
- 一般的なピーラー
- キャベピィMAX-EX
の3パターンで千切りにしてみた。(※家庭レベルの実験として、参考程度にご覧いただきたい)
所要時間の目安
- 包丁:約5分〜7分
- 太さのバラつきを気にしつつ、慎重に刻んでいくとこのくらい
- 太さのバラつきを気にしつつ、慎重に刻んでいくとこのくらい
- 一般ピーラー:約4分〜6分
- 刃幅が狭く、一度に削れる量が少ないため、意外と時間はかかる
- 刃幅が狭く、一度に削れる量が少ないため、意外と時間はかかる
- キャベピィMAX-EX:約2分30秒〜3分30秒
- 慣れてくると、ほぼノンストップで削り続けられる
あくまで目安だが、キャベピィMAX-EXは「包丁の半分〜3分の2くらいの時間で終わる」という印象だった。
仕上がりの印象
- 包丁
- 慣れていない担当者のキャベツは太さにバラつきが出た
- 細い部分はいいが、ところどころざく切りに近い断片も混じる
- 一般ピーラー
- 太さはそろうが、細めで短い千切りになりがち
- 食感は悪くないが、お店のふわふわ感とは少し違う
- キャベピィMAX-EX
- 細さも長さも比較的そろった千切りに
- 全体として空気を含んだような、ふんわりした盛りつけになる
キャベピィMAX-EXはプロの包丁さばきには及ばないかもしれないが、「家庭のキッチンで毎回このレベルが一定で出てくるなら十分」という印象だった。
疲労感とやりたさ
ここが、案外重要なポイントだと感じた。
- 包丁
- 手首と肩にかなり負担がかかる
- 集中力を使うので、「今日はやめておこうかな」と思う日が出てくる
- 一般ピーラー
- 握り続けるため、指先と手首がじんわり疲れる
- やっているうちに、「このくらいでいいか」と妥協しがち
- キャベピィMAX-EX
- 指かけ構造のおかげで握り込みが少なく、ゆるい動きで作業できるので疲れにくい
- 「もう1/2玉いくか」と思える程度には、気持ち的なハードルが低い
キャベツの千切りを資産型の作業と考えた時、この「明日も明後日もやる気になるかどうか」は実はかなり重要な指標だ。
専用ピーラーはどんな家庭なら元が取れるか
では、キャベピィMAX-EXのようなキャベツ専用ピーラーは、どんな家庭であれば「買う価値がある道具」になるのだろうか。いくつかのチェックポイントを挙げてみる。
- キャベツの千切りを、週に2回以上は食べている
- トンカツや揚げ物の頻度が高く、付け合わせのキャベツが定番
- サラダを大皿でどんっ、と出すことが多い
- キャベツを切るのが面倒で、結局カット野菜を買っている
- 家族に包丁があまり得意でない人が多い
これらに当てはまる項目が多いほど、キャベピィMAX-EXは元が取れる。
- スーパーのカットキャベツを買わなくて済むようになる
- 1玉・1/2玉と大きいサイズでも「どうせ切るから」と気負わず買える
- キャベツの消費量が増えるので、自然と野菜の摂取量が増える
といったようなメリットを享受できるだろう。
逆に、
- そもそもキャベツをあまり食べない
- カットキャベツで十分満足している
という家庭の場合はトマトピーラーと同様、宝の持ち腐れになってしまうため、無理に導入する必要はない。
「ピーラー界のスティーブ・ジョブズ」との接点
シリーズ第1回・第2回でも触れてきたが、レーベンのピーラー群の開発者は、しばしば「ピーラー界のスティーブ・ジョブズ」と冗談交じりに呼ばれる。キャベピィMAX-EXにも、そのジョブズ的な発想の片鱗が見えた。
- キャベツの千切りという、地味だけれど日常的なストレスに正面から向き合う
- 「包丁でやるもの」「スライサーで一気にやるもの」という前提を一度壊し、削るという全く別の解き方を提示する
- 高齢者や力の弱い人でも使いやすいよう、指かけ穴・肩部で操作性を再設計する
これらは、ジョブズが行った「パソコンは難しい」という前提を疑い、Macで触ってわかるUIを作ったり、「携帯電話はボタンだらけが当たり前」という前提を疑い、iPhoneでタッチ操作に振り切ったりした態度と、方向性としてはよく似ている。
ユーザーが言語化していないストレスを見つけて、それを道具の形と操作で静かに解決してしまう――こうした姿勢が、「ピーラー界のスティーブ・ジョブズ」というニックネームの背景にあるのだろう。
まとめ:キャベツの千切りを特別な作業から当たり前の作業へ
その手間から、キャベツの千切りはこれまで長らく「ちょっとしたイベント」扱いになりがちだった。
キャベピィMAX-EXのような専用ピーラーは、そのハードルをぐっと下げ、「キャベツの千切りをするか…」だった気持ちを「キャベツの千切りするぞ!」という前向きなものに変えてくれる。そのやる気をそっと支えてくれる様は、もはや単なる道具の域を超え、秘書やサポーターのような存在ともいえるだろう。
次回の第4回では、すじ切り・そうめん状カット・みじん切りを1本でこなす多機能ピーラー『スージー&みじん』に焦点を当てる。
- なぜ1本で3役もこなせるのか
- 両面・両側の刃を活用する特許の中身
- まな板の上から削れる出っ歯構造の意味
を掘り下げながら、包丁で行ってきた作業のどこまでをピーラーに任せられるのかを検証していきたい。
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