豪快にフライパンを振る。味を見ながら調整する。お気に入りのお皿に盛りつける。
料理の見せ場ともいえるこれらの作業は、「やっていて楽しい」と感じる人が多いだろう。
しかし、そこに至るには大きなハードルがある。――そう、食材の下ごしらえだ。
- いつまで経っても終わらない気がする「大根の短冊切り」
- 単純な割に集中しなければならない「きゅうりの筋取り」
- 手間がかかる上にまな板の上が汚くなり、おまけに涙も止まらない「玉ねぎのみじん切り」
これらは料理において必要な作業ではあるが、いかんせん地味すぎる。そのため面倒と感じてしまい、「料理の本番は好きだけど、下ごしらえがダルくてやる気になれない」という人が多い。
そんな人の味方になってくれるのが、すじ切り・そうめん状カット・みじん切りを1本でこなせる多機能ピーラー『スージー&みじん』だ。
名前のインパクトに目が行きがちだが、実はその裏側には、複数の刃をどう組み合わせるかというかなりロジカルな設計思想がある。
「なぜ1本で3役以上をこなせるのか」
「両面・両側の刃を活かす特許構造とは何なのか」
「包丁の代わりとしてどこまでやってくれるのか」
――下ごしらえの「めんどう」に、スージー&みじんがどこまで切り込めているのかを見ていこう。
この記事の担当者(マイナビライター)


水貝 英斗
プロデューサー兼編集ライター
『スージー&みじん』は何ができる道具なのか
まず、役割をざっくりと整理しよう。
スージー&みじんが担っているのは、主に大根やきゅうりといった細長い野菜の下ごしらえだ。
- すじ切り
- 大根の表面に、平行なすじをスーッと入れる
- そうめん状カット
- すじをガイドにしながら、細長い野菜そうめん(ベジヌードル)を作る
- みじん切り
- すじをクロス(格子状)に入れ、そこから細かく崩すとみじん切りになる
包丁では、
- すじ切り:包丁の先で一筋ずつ
- そうめん状:細切りをひたすら繰り返す
- みじん:細切りしたものをさらに刻む
と段階ごとに作業を分けていたところ、スージー&みじんは「刃の種類と向きの組み合わせ」で一気にショートカットしようとしている。
両面・両側フル活用の刃配列(特許第6209701号)
スージー&みじんが他のピーラーと違うのは、「1枚の刃でなんでもやる」のではなく、「複数の刃を役割分担させている」点だ。
このピーラーが獲得している特許第6209701号(ピーラー装置)は、ざっくりいうと以下のような構造を保護している。
- ピーラー本体の両側・両面に、それぞれ異なる用途の刃を配置
- 片方はすじを入れられる刃(凸刃)
- もう片方は通常のスライスが行えるギザギザとした刃(ギザ刃)
この『凸刃 × ギザ刃』の組み合わせが、1本ですじ切り → そうめん状カット → みじん切りまで完結させる鍵になっている。
凸刃は「準備」、ギザ刃は「仕上げ」の役割だ。このワークフローをよりイメージしやすくするために、大根を例にとってみよう。
- 凸刃で「すじ」を入れる
- 大根の表面に、ピーラーを縦方向に滑らせて平行なすじを入れる
- 90度回転して「クロスすじ」にする
- みじん切りにしたい場合は、大根を90度回して格子状にすじを入れる
- ギザ刃を使ってそうめん状 or みじんに仕上げる
- すじだけなら「そうめん」状の細長い大根
- クロスすじなら「みじん切り」状の細かな粒に崩れる
つまり、スージー&みじんは、
- 凸刃:包丁でいう、筋目を入れる工程
- ギザ刃:その筋目に沿って一気にカットする工程
を、1本のピーラーの中で役割分担させているわけだ。
そう聞くと、「なんだか難しそう…」と思われるかもしれないが、ユーザーが覚える操作は至ってシンプル。
- 凸刃の側を使う
- ギザ刃の側を使う
- 食材を90度回すかどうか
これだけだ。この3つさえ把握していれば、包丁でやると数十回に分かれる細かいカットを、数回のストロークにまとめてしまえる。
「出っ歯構造」でまな板の上から始動(特許第5997753号)
スージー&みじんには、もうひとつ重要な特許がある。特許第5997753号の通称「出っ歯構造」だ。
一般的なピーラーは、刃の両端を支える腕の部分が刃先よりわずかに前に出ていることが多い。そのせいで、まな板の上に置いた大根を端から削ろうとした際、ピーラーの腕が先にまな板に当たってしまい、刃が届かないという事態が起きる。
結果として、食材を片手で持ち上げて空中で削る。もしくは端がムダになることを承知した上で、食材の途中の位置から削り始めるといった妥協を強いられてきた。
この問題を解決しようとしたのが、出っ歯構造だ。
刃先を支える部分の設計を工夫することで、刃の先端だけが腕よりほんのわずかに前に出るようになっている。
これにより、まな板に乗せた大根の端の点にいきなり刃先が届く。腕はその後ろ側で支えているだけなので、まな板との干渉が起きない。
おかげで、もう食材を持ち上げる必要がなく、まな板の上から安定した姿勢で端から端まで削り始められるのだ。
そう聞いて、「そんなのちょっと食材をずらせばいいだけでは?」と思う人もいるかもしれない。
しかし、毎日のように大根・きゅうり・ニンジンなどを扱う家庭では、このちょっとしたイラっとポイントが、長期的にはバカにならない。
大根・きゅうりで試す『そうめん状カット&みじん切り』
実際、食材で試すとどうなるか。編集部にて、大根ときゅうりを使って試してみた印象をもとに整理してみる。
大根そうめん
- 大根を10cmほどの長さにカット
- 凸刃側で、表面に平行なすじを数本入れる
- ギザ刃側でその面を削ると、そうめん状の長い大根の糸がシュルシュルと出てくる
包丁で細切りを作るのと比べると、太さの均一さはピーラーの方が上。長さもある程度揃っていた。決まった結果が得られるのは、道具ならではのメリットだと言えるだろう。
そしてなにより、ストローク数が少ない=作業工程が少ないのが嬉しかった。
刺身のツマ・冷やしうどんの具・さっぱり系のサラダなどに、「今日はちょっと大根そうめんを足そうかな」と思った時、包丁で細切り→ほぐしの2段階をやらずに済むのは心理的にもかなり楽だ。
大根みじん
- 大根にすじを入れたら90度回転させ、もう一度すじを入れる(クロスすじ(格子状)にする)
- その状態でギザ刃側で削ると、面が細かな粒に崩れ落ちるような形でみじん切りになる
包丁での一般的なみじん切りと比べると、粒はやや不揃いながら「おろし」と「みじん」の中間のような食感に仕上がった。人によって評価は異なるだろうが、個人的にはハンバーグのタネや炒め物の具材に使うなら、文句のない細かさだった。
そこまできっちりそろった角切りでなくていい場面では、みじん寄りの細かい断片として十分機能するだろう。
きゅうりのすじ入れ・みじん
きゅうりの表面に凸刃を走らせると、軽くすじが入る。これを浅漬けやサラダに使うと、すじにドレッシングや調味液が入り込むため、味がしみやすくなるのだ。
みじん切りにしたい場合には、大根と同様にクロスすじを入れ、ギザ刃で削ればいい。タルタルソースやタコときゅうりの酢の物など、「とにかく細かく刻みたい」という場面では、包丁での仕事をかなり肩代わりしてくれる。
「包丁派」の人ほど刺さるポイント
多機能ピーラーというと、
- 包丁が苦手な人向け
- 料理初心者向けの便利グッズ
というイメージを持たれがちである。だが、スージー&みじんの設計をよく見ると、むしろ包丁をよく使う人ほど刺さる部分があることに気付く。
「全部包丁でなんとかしなくていい」にしてくれる
包丁派の人は、すじ切り・細切り・みじん切りといった作業を「自分の技量でこなすべき仕事」と考えがちだ。
それらの作業はたまになら楽しいかもしれないが、毎日やるとなると話は別。かなりの負担になる。
だから、仕事終わりで疲れていたり、育児や家事で時間がなかったりする時は、「筋目入れと粗いみじんだけはピーラーに任せよう」と割り切ってもいいのではないだろうか。そうすれば、料理に対する精神的な負担が一段階下がる。
「包丁を使うべきところ」との住み分けがはっきりしている
スージー&みじんは、あくまで「すじ切り〜みじん寄りカット」の範囲で威力を発揮する道具だ。
- きれいなサイコロ状の角切り
- 完全に均一なブリュノワーズ(フレンチのみじん)
- 飾り切りや繊細な包丁仕事
そのため、こうした本格的な作業は担えず、料理における楽しさを奪ってしまうことにはならない。
「高い技術が必要な作業」と「機械的な繰り返し作業」を分けた時に、後者の一部をピンポイントで軽くしてくれる存在なのだ。
これは「料理の楽しさはそのままに、疲れるところだけは少し省略したい」という人にとって、かなり現実的な折り合いのつけ方だと言える。
多機能ピーラーゆえの“落とし穴”は?
とはいえ、もちろん良い面ばかりではない。多機能ツール特有の注意点もある。
最初は「どっちの刃が何だっけ?」となりがち
スージー&みじんは両面・両側をフル活用しているため、はじめは「すじ切り側」と「平刃側」の位置関係を覚える必要がある。慣れるまでは、使う前に一度刃を確認する手間が生じるだろう。
刃が多いため、洗う時に注意が必要
スージー&みじんは複数の刃を装備している。それだけ指を当てやすい場所も増えてしまうため、特に洗う時は気を払う必要がある。
たとえば、スポンジで挟んで洗う、食洗器を使う場合は刃の向きに注意するなどだ。
「なんでもこれでやろう」としすぎると逆効果の場面も
スージー&みじんは、大きな野菜の皮むきや分厚いカットも行える。だが、やはりそれらは普通のピーラーや包丁のほうが早く済む。
向かない作業まで無理にこなそうとすると、かえって時間がかかるため、使用するシーンを見極めるのが重要である。「万能ではないけれど、刺さる領域では非常に強い」道具と捉えておくといいだろう。
資産型ツールとしての『スージー&みじん』
最後に、スージー&みじんを資産型ツールとして見るかどうかのポイントを整理しよう。
導入のメリットが大きいのは、こんな家庭だ。
- 大根・きゅうり・ニンジンなど、細長い野菜の出番が多い
- サラダ・浅漬け・マリネ・酢の物をよく作る
- ハンバーグや餃子など、「みじん寄り」の野菜を頻繁に利用する料理が多い
- 包丁仕事は嫌いではないが、平日の夜にみじん切りはきついと感じている
スージー&みじんは千円台で購入できる。この金額で、
- 週に数回の「すじ切り〜みじん」の手間が軽くなる
- 大根そうめんや、きゅうりのみじんが「ついで」で作れるようになる
- 「今日は疲れたから刻むのはやめよう」が少し減る
のであれば、長期的には十分にモトが取れると言えるだろう。
逆に、そもそも大根やきゅうりをあまり使わなかったり、すでにフードプロセッサーを持っていたりする家庭では、優先度は下がる。
まとめ:包丁とピーラーの中間を埋めてくれる1本
スージー&みじんをあらためて言い換えるなら、「包丁でやるには面倒だけど、フードプロセッサーを出すほどでもない作業」を、ちょうどいいバランスで肩代わりする道具だと言える。
- 両面・両側に刃を配置した多機能構造(特許第6209701号)
- まな板の上から端まで削れる「出っ歯構造」(特許第5997753号)
といった技術的な工夫は、すべて「キッチンのリアルなめんどう」を減らす方向に向けられている。
「ピーラー=皮むきだけ」という思い込みを捨てると、下ごしらえの景色が少し変わって見えるだろう。
次回の第5回では、料理の楽しさと安全性の両方にフォーカスを当てた、
- ワッフルピーラー
- 天才ベジホルダー
の2つのアイテムを取り上げる。
「見た目なんて二の次」となりがちな家庭料理に、遊びとケガをしにくい仕組みをどう持ち込めるのかを、資産型ツールという視点から掘り下げていきたいと思う。
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