ステンレス、チタン、金、プラチナ……。腕時計のベルトの素材はさまざまですが、暑い時期にありがたみを再認識するのがラバーベルトです。高級時計には似合わない? いえいえ、そんなことはありません。今回はラバーベルトのオススメ腕時計2本をご紹介します。
ラバーベルトなら天候不問
プラチナ、18金、チタンやステンレスなど、腕時計にはさまざまな素材が使われていますが、手首に直接触れるベルト部分は装着感を左右する重要なパーツです。特に日本の夏は高温多湿ということもあり、革ベルトでは汗がベルトに染み込み、劣化を早めてしまいます。ステンレスや18金などの金属なら水に強いとはいえ、重くて装着感が悪くなることも。
そこでオススメしたいのがラバーベルトです。軽量で汗や水にも強く、見た目の印象もさわやかで、夏にぴったりな素材と言えます。
ラバーベルトは金属製のベルトに比べて安価であり、比較的、低価格帯の腕時計に組み合わされることが多い素材でした。通販サイトなどでは数千円から購入できるうえ、専用の工具を使わなくても簡単に取り付けられるラバーベルトも増えていて、シーンや気分によって容易に付け替えができるのも魅力です。
安価とはいえ、最近ではラバーベルトを採用する高級時計が増えています。デザインバランスも含めて、特に、防水性が高い腕時計はラバーベルトを合わせることが多いようです。高級時計にあえて安価なラバーベルトを合わせるというアンバランスこそが、高級ラバーベルトウォッチの最大の魅力といえるかもしれません。
ラバーベルトウォッチの最高峰?
1775年にスイス人時計師のアブラアン・ルイ・ブレゲがフランス・パリで創業し、今年で250周年の節目を迎える高級時計メーカー「ブレゲ」にも、ラバーベルトを合わせた高級時計があります。プラチナケースにラバーベルトを採用した至高のモデル「マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント 5887」です。
本モデルの最大の特徴は、①ランニング・イクエーション・オブ・タイム、②パーペチュアル・カレンダー、③トゥールビヨンの3つの超複雑機構を搭載していることです。
簡単に説明すると、①は我々が普段使っている平均太陽時と古代から使われていた不規則な真太陽時(1日で最大14分の遅れ~16分の進みが生じる)の時間差を同時に表示して読み取れるという、遊び心あふれるユニークな機能です。②は曜日、月、閏年を表示する機能で、③は機械式ムーブメントの動作に及ぼす重力の影響を平均化する機能。いずれも製作には極めて高度な技術が必要な超複雑機構といわれています。
マリーンという名前が示す通り10気圧の防水性を確保し、文字盤では海を連想させる水面のゆらぎを表現。そこに、ブラックのラバーベルトが組み合わされています。ベルト表面には縦と横に、裏面にはカーブしたラインが入っていて立体的なデザインです。
非常にしなやかで、1日中腕に巻き付けていても軽快な装着感が得られます。季節を問わず使えるのはいうまでもありませんが、文字盤のデザインとラバーベルトの組み合わせは、夏にこそ似合うラバーベルトウォッチの最高峰といえるのではないでしょうか。価格は4,203万1,000円です!
ラバーベルトウォッチの「コスパ」最高峰!?
カルレイモンは、2017年に日本で設立された本格機械式時計メーカーです。知名度こそ高くはありませんが、クラウドファンディングで総額1,000万円以上を集め、本格機械式時計を手頃な価格帯で具現化しています。
そんなカルレイモンから、フィールドウォッチとドレスウォッチを調和させた「クラシックフィールド」が登場しました。ケースサイズ38mm、厚み9.5mm、日付がない3針のフォーマルなモデルながら、100m防水を実現した意欲作です。そこに革ベルトではなく、文字盤と同調したラバーベルトが組み合わされています。
ラバーベルトはケースから腕に沿って滑らかにカーブし、装着感が高められています。ムーブメントは高振動の「MIYOTA Cal.9039」を採用し、精度も折り紙付き。価格は6万9,300円です。
ラバーベルトを採用した腕時計は、安価なモデルからかなり高いモデルまで幅広くラインアップされています。しかも、ラバーベルトは単体でも比較的安価に入手できるので、好みにあった腕時計に付け替えることができます。シーンや気分に応じて選択すれば、1本で幅広く楽しめると思います。











