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【答え】ポルシェ「356」
答えはポルシェ「356」です。
ポルシェ356は、ポルシェというスポーツカーが誕生する最初の1台です。1948年に製造し、翌1949年から1965年までの約16年間にわたって販売していました。
ポルシェといえば、フェルディナント・ポルシェ博士を思い浮かべるかもしれません。フォルクスワーゲン(VW)「タイプ1」(通称:ビートル)を手掛けた、オーストリア・ハンガリー帝国生まれ(1875年)の技術者です。彼の実績で世界的に知られるのはビートルですが、最初のクルマは電気自動車(EV)でした。続いてハイブリッド車(HV)を開発しています。時代に適した最善のクルマを生み出すことに力を注いだ技術者です。
そして、オーストリアのローナーやドイツのダイムラー、アウトウニオン(今日のアウディ)などで技術者として働きました。1931年に自らの設計事務所を開設し、独立します。
1933年にナチスドイツが誕生すると、国威発揚のためアウトウニオンでレース車両を開発し、ダイムラー・ベンツと雌雄を決します。そのかたわら国民車の開発を続け、のちのタイプ1誕生につながるのです。しかし、ナチスドイツと関わりがあったことにより、第二次世界大戦後に収監され、ポルシェ356をはじめとするスポーツカーの誕生に関わることはありませんでした。
では、ポルシェというスポーツカーは誰がつくったのでしょう。フェルディナント・ポルシェ博士の息子である、フェルディナント・アントン・エルンスト・ポルシェ(通称:フェリー・ポルシェ)です。これをカール・ラーベらが手伝います。ラーベはフェルディナント・ポルシェ博士の下で働いてきた技術者でした。造形はタイプ1を手掛けたエルヴィン・コメンダといわれています。
以上のような経緯から、ポルシェ356を構成する基本要素はタイプ1に通じます。水平対向の空冷エンジンを客室後ろに搭載し、後輪を駆動します。空冷エンジンですから、タイプ1と同じように356もラジエターグリルのない顔つきです。
ポルシェ356の後継となるのが、1964年から今日に続く911です。開発を率いたのは、フェリー・ポルシェの息子のフェルディナント・アレクサンダー・ポルシェです。したがって、1951年に亡くなったフェルディナント・ポルシェ博士は結局、スポーツカーには関わっていません。356の後継として、911は水平対向の空冷エンジンを客室の後ろに搭載し、後輪駆動とすることが技術面で継承されました。
のちの大きな変更点としては、1997年にエンジン冷却方式が空冷から水冷となっています。それでも、ラジエターを左右に分割することにより、当初からのラジエターグリルなしの顔つきに近い造形を保っています。エンジン水冷化の理由は、燃費や排出ガス対策など環境性能の達成と、高性能の両立のためです。それ以外は基本的に、当初の機構を今日まで継続しているポルシェ911は、かなり独特なスポーツカーです。1989年には4輪駆動車が追加となりますが、これには、競技のため開発した1986年の「959」の経験をいかしています。
時代の変化を受け入れながら、基本的には最初の356の基本をいかして、世界に轟くスポーツカーの名声を今日まで維持し続けるポルシェの優れた技術力と誇りは、歴史の大切さを重く見る欧州の生き様を私たちに教え、礎となる356の価値がゆるぐことはありません。
それでは、次回をお楽しみに!

















