テスラ「モデルY」が日本における2026年上半期(1~6月)の「外国車ブランドの車種別新規登録台数」で初の首位を獲得した。テスラの主力商品であるSUVのモデルYが日本で大人気となっている理由は? 快進撃は今後も続くのか。
テスラ「モデルY」の写真を一気に見る
モデルYの販売状況は?
モデルYはミッドサイズSUVのEV(電気自動車)で、2026年上半期に日本で最も売れた(登録台数の多かった)輸入車だ。単に「EVセグメント」で首位を獲得したのではなく、全ての外国車ブランドでモデルYがトップに立ったのは、異変ともいえるし快挙でもある。
テスラジャパンによると、モデルYは「優れた航続距離」「革新的なテクノロジー」「圧倒的な室内の広さ」「快適性」などが評価されており、グローバル市場においても3年連続100万台以上を販売するテスラの人気車種だ。
モデルYが日本で発売となったのは2022年のこと。その後は価格の引き下げや補助金制度の変更などで需要が変動してきたが、2026年に入ってからは日本政府による補助金の増額が追い風となり、販売を伸ばした。
加えてテスラは、国内で急速充電料金を一定期間無料にするキャンペーンを展開し、購入検討層の背中を押して販売増に結びつけてきた。
結果的として、2026年上期の新車登録で外国車ブランド車種別No.1(推計約9,400台)、外国車EV車種別No.1(外国車EV新規登録のうち約48%を占有)、外国車SUV車種別No.1(輸入車セグメントの約14%を占有)の快挙を達成した。
モデルYは東京・愛知・神奈川・大阪・千葉・埼玉・福岡・静岡・兵庫・茨城をはじめとする19都府県で外国車ブランド車種別No.1となり、上位5位以内に入った都府県は38に達する。都市部に限らず、全国の幅広い地域で上位を占めた。
テスラジャパンでは、テスラへの乗り換えが増えた要因として、これまでにない新しい自動車体験以外に「ランニングコストの大幅な削減」を挙げる。同等クラスのハイブリッド車と比較した場合、モデルYの1キロ走行にかかるエネルギーコストはガソリン代の約2分の1に抑えられるというのが同社の説明だ。
テスラは2025年1月のモデルチェンジ以降もモデルYの改良を続けており、「ロングレンジAWD」モデルは1充電あたりの航続距離が635km→682km(WLTCモード)へと大幅に向上。静粛性を高める「第2世代ノイズ低減ハードウェア」や快適な乗り味を実現する「第2世代サスペンション」も搭載し、EVならではの滑らかな走りがさらに進化した。
テスラは日本での販売台数を明らかにしていないが、日本自動車輸入組合などの資料によると、2026年上期のモデルYの新車登録台数は約9,400台となった。「モデル3」の投入から12年でモデルYが外国車ブランド全体のトップに立ったことについてテスラジャパンは、日本における地道なマーケット戦略が実った結果だと評価している。
外国車トップの座は維持できる?
2003年に米国でEVベンチャーの「テスラモーターズ」が設立され、翌2004年に南アフリカ生まれの起業家であるイーロン・マスクが取締役会長に就任して以後、マスク氏主導の「テスラ」は世界のEV界をリードしてきた。
2010年にはテスラジャパンを設立し、「ロードスター」を日本に導入。2010年5月にはトヨタ自動車とEV分野における共同開発に向けた提携を発表し、両社が資本提携を結んだ。しかし、協業は進展せず、2016年末に資本提携を解消している。
モデルYの快進撃は今後も続くのか。輸入車市場の動向を見ると、テスラがこのままトップを維持していくには、かなり厳しい局面を切り抜けていく必要がありそうだ。
日本の輸入車市場では、高度成長期に米国車が人気となり、1990年代以降は欧州車、特にドイツ車がトップを競ってきた。メルセデス・ベンツ、BMW、アウディを含むフォルクスワーゲンのいわゆる「ジャーマンスリー」だ。
それがここへきて、欧州勢を中心に「EV転換」への逆風が吹き、本国では「大リストラ」の動きが顕在化。そこに、中国勢の日本市場参入の動きが積極化してきた。
その代表格がBYDで、直近では日本の軽自動車規格に合わせたEV「ラッコ」を発売した。これを迎え撃つ日本の軽自動車メーカーも、スズキが「e SKY」を発表するなど動きが活発化しており、今後は軽EV市場での競争が激化しそうだ。
モデルYの外国車ブランド首位という立ち位置も、量販という観点から見れば「一日天下」となりそうな気配もある。




























