BMWはフラッグシップモデル「7シリーズ」の新型モデルを日本で発表した。発表会にはBMW日本法人の社長に就任したばかりの上野金太郎氏が登壇。メルセデス・ベンツ日本(MBJ)の社長から「華麗なる転身」を図った同氏の発言にも注目が集まった。
輸入車業界の顔がBMWに
上野金太郎氏といえば、メルセデス・ベンツの輸入販売を長く牽引した人物だ。メルセデスの輸入車トップ奪還を成し遂げ、輸入車の業界団体である日本輸入車組合(JAIA)理事長を3度にわたって務めるなど“輸入車業界の顔”でもあった。
その上野氏はMBJ社長を退いた後、ライバルのBMW日本法人社長に就任した。まさに、ベンツからBMWの日本トップへと“華麗なる転身”を遂げたのだ。
BMWは上野新社長のお披露目として、フラッグシップモデルである新型7シリーズ発表の場を用意した。
新型7シリーズはニューヨークと北京のモーターショーでワールドプレミアを行ったクルマだ。日本の発表会には上野新社長と共に、BMW本社の営業部門でアジア太平洋、東ヨーロッパ、中東、アフリカ地域担当のシニア・ヴァイス・プレジデントを務めるリトゥ・チャンディ氏、先進デザイン、デザインワークス、デザイン・アイデンティティ部でヴァイス・プレジデントを務めるアンダース・ワーミング氏も出席し、プレゼンテーションを行った。
7シリーズはBMWのフラッグシップサルーンとしてデビュー。今回は内外装デザインと搭載テクノロジーを刷新し、BMWグループ史上最大規模のアップデートを実施したとする。「ノイエ・クラッセ」というラグジュアリーの再定義を試みた象徴的なモデルとして、電気自動車(BEV)「i7」、48Vマイルドハイブリッドと組み合わせた直列6気筒ガソリンとディーゼル、プラグインハイブリッド(PHEV)モデルを発売し、2027年にはV型8気筒エンジンのパフォーマンスモデルもラインアップするという。生産はドイツのディンゴルフィング工場、生産開始は2026年7月。日本導入モデルは未定となっている。
発表会に登場した上野新社長は、「着任して早々に、このようなグローバルモデルの発表という貴重な場でご案内できることを非常に光栄に思います」と語るとともに、「私は長い間、輸入車業界でさまざまな職種を経験してきましたが、今回の職務を全うするにあたり、今までの私自身が積み上げてきたものを全て乗り越えていく覚悟で取り組んでいきます。また、自分が経験したことをこれからの時代を担う次世代に伝えていくことも私の重要な使命と思っています」と抱負を述べた。
上野氏は1987年、ダイムラー・ベンツAG日本法人(当時)のMBJに新卒入社第1期生として入社。営業・広報・ドイツ本社勤務などを経て、2003年にダイムラー・クライスラー日本(当時)の商用車担当取締役、2013年にMBJ社長に就任し、12年間にわたってメルセデスの日本法人トップを務めた。
2024年9月には社長の座を譲って会長となったが、その後に退任し、大阪の輸入車ディーラーのティーアイホールディングスの社長を経て、2026年4月1日にBMW日本法人であるビー・エム・ダブリューの代表取締役社長に就任している。
何といっても、メルセデス時代の2015年に日本の輸入乗用車販売トップの座をフォルクスワーゲン(VW)から奪還し、その後も首位の座を守り続けた実績は大きい。JAIA理事長を3回も務めたことで、輸入車業界のリーダーとして、その個性的な名前とともに広く知られる存在だ。
ベンツからBMWへの華麗なる転身を遂げた上野社長のトップとしての手腕は期待十分だ。







