2025年度(2025年4月~2026年3月)の輸入車販売でスズキが初のトップを獲得した。日本国内新車市場における輸入車販売といえば従来、メルセデス・ベンツ、フォスクルワーゲン、BMWがトップ3を形成してきたが、スズキがドイツ勢を「ごぼう抜き」できた理由とは?

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    日本の輸入車販売でスズキがトップ?

スズキの輸入車販売は前年比で5倍超に

日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した2025年度の輸入車新規登録台数(新車販売)は、全体が36万120台で前年比8.9%の増加となった。このうち、ブランド別販売ではスズキが5万7,360台(前期比425.5%増)で初の首位を獲得した。

2位はメルセデス・ベンツで4万9,654台(5.9%減)、3位はBMWで3万4,044台(6.9%減)、4位はホンダで3万1,572台(39.9%減)、5位はVWで2万7,723台(8.1%増)と続いた。

スズキが大躍進を遂げ、輸入車販売における初のトップを獲得。ドイツ勢の“牙城”を崩した。特に、ここ数年は日本の輸入車販売トップをメルセデス・ベンツがキープしていただけに、スズキがベンツを一気に抜いてトップに立ったのは偉業でもある。

インド生産車が大貢献

スズキ躍進の要因は、「インド製逆輸入車」の販売が好調なことだ。

インドで圧倒的な販売シェアを握るスズキは、同国のマルチ・スズキで生産体制を増強し、輸出基地としてのグローバル展開を強化している。その一環として、インド生産車の日本導入を積極化しており、2024年10月からコンパクトSUV「フロンクス」、2025年4月から5ドアの「ジムニーノマド」を日本で販売している。

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    スズキ「フロンクス」

フロンクスとジムニーノマドは、いずれも日本市場で好評を博している。特に、小型5ドア車のジムニーノマドには受注が殺到し、一時は受注停止となっていたほどだ。ちなみに、2026年1月末から受注を再開している。

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    スズキ「ジムニーノマド」

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インド製のフロンクスとジムニーノマドが、スズキの輸入車トップ獲得に大きく貢献している。スズキとしては、2016年に日本に導入したコンパクトハッチバック「バレーノ」に続くインド生産車のヒットとなる。

2026年1月からは、スズキ初の電気自動車(EV)「eビターラ」も日本で発売した。こちらもインド子会社マルチ・スズキで生産する小型車だ。「グローバルで遜色のない品質づくり」に注力するインド製の逆輸入車が、日本では軽自動車を基盤にしてきたスズキの小型車強化戦略に結びついている。

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    スズキ「eビターラ」

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マルチ・スズキでは、ハンサルプール工場(グジャラート州)で年産25万台のEV専用生産ラインを建設中。2026年秋にも稼働を開始し、eビターラを増産する予定だ。インド拠点のグローバル生産基地化を着々と推進している。

「逆輸入車」といえば、トランプ政権の高関税政策に対応し、米国生産車の日本導入を決めたトヨタ自動車、ホンダ、日産自動車などの動きが大きく取り上げられがちだが、これらのクルマが日本市場で売れるかどうかは不透明な情勢だ。これに対して、かつては韓国製、中国製、タイ製などのアジア生産車がなかなか受け入れられなかった日本市場において、インド生産車で輸入車トップに立ったスズキの戦略には、今後も注目していきたい。