日産自動車が米国で生産しているSUV「ムラーノ」の逆輸入を決定した。ムラーノが日本市場に復活するのは12年ぶり。左ハンドルのまま輸入販売するとのことだが、日産の国内販売増につながるのだろうか。
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ムラーノ復活で日産SUVの選択肢が充実
日産は3月17日、米国で生産するSUV「ムラーノ」を日本で輸入販売すると発表した。発売は2027年初めごろを予定している。ラグジュアリーSUVのムラーノは米国・テネシー州のスマーナ工場で生産中。日産は米国仕様のムラーノを左ハンドルのまま輸入して日本で販売する。
トランプ政権の関税政策や米国が主張する日本の「非関税障壁」に対応し、日本政府が米国車の安全基準認証手続きを簡素化したことに呼応する形で、日本メーカーによる米国生産車の“逆輸入”決定が増えている。日産に先行し、トヨタ自動車、ホンダが米国生産車の日本市場投入を決定済み。トヨタは2026年4月中に逆輸入車の販売を開始する。
逆輸入車はどれだけ日本市場で受け入れられるのか。特に、ともに巨額赤字を計上して早期の業績立て直しを迫られるホンダと日産が、逆輸入車の投入で日本での販売台数増につなげられるかが注目される。
ムラーノはラージサイズのラグジュアリーSUVだ。初代モデルと2002年からの2代目モデルは、日本でも販売されていた。2015年登場の3代目モデルからは北米・中国専用モデルとなり、日本での販売は打ち切りに。今回の決定により、ムラーノは12年ぶりに日本市場で復活することとなる。
日本に入ってくる現行型ムラーノは通算4世代目。全長4,900mm、全幅1,981mm、全高1,725mmの大型SUVだ。2.0Lターボエンジンに9速ATを組み合わせ、最新の「プロパイロット アシスト2.1」を搭載している。
日産のSUVには「エクストレイル」があるが、ムラーノはエクストレイルより大型で、一定の需要があるというのが日産の判断だ。ムラーノを導入し、日産は日本でSUV販売車種のバリエーションを拡充する。
トヨタとホンダの動向は?
トヨタは2025年末に米国生産のセダン「カムリ」、大型SUV「ハイランダー」、大型ピックアップトラック「タンドラ」の日本導入を決定済み。発売は2026年中の予定だ。ホンダは3月5日、米国で生産する大型SUV「パスポート」と北米向け高級ブランド「アキュラ」のハッチバック「インテグラ」の日本導入を決定し、2026年後半に発売するとしている。
トヨタが他社に先んじて逆輸入を決定したのは、日米貿易不均衡への不満に日本車のリーダーとしていち早く配慮、対応するためだ。これに呼応するかのように、経済産業省は2026年2月、トヨタの逆輸入車販売に先行して「ハイランダー」の公用車導入を公表した。
四輪車事業の立て直しを迫られているホンダは、「パスポート」とアキュラ「インテグラ」の逆輸入で車種を拡大し、日本国内市場における“軽自動車依存”からの脱却を図りたい意向だ。
ホンダが逆輸入する「パスポート トレイルスポーツ エリート」は、北米向けパスポートの最上級グレード。「インテグラ タイプS」はアキュラの高性能ハッチバックで、アキュラブランドの日本導入は今回が初めてとなる。
トヨタは4月中に「タンドラ」と「ハイランダー」の2車種を米国仕様で発売する。まずはメーカー直営の東京販社「トヨタモビリティ東京」で試行販売を開始し、夏には全国販売に広げることにしている。トヨタはかつて、日米自動車貿易問題に対応するため、1990年代半ばに米GM製のシボレー「キャバリエ」の逆輸入販売を行ったことがあるが、トヨタ販社はこの米国生産車の不評で苦労した経験もあり、慎重な対応を進めていく。
ホンダと日産は、ここ数年で日本国内販売を落としていることで共通しており、販社からは「売れるタマ」を望む声が高まっている。輸入車の導入が国内販売にとって一筋の光明となるか。「左ハンドル車」に対する市場の反応と「価格設定」の動向が注目されることになりそうだ。
















































