2025年も残り1カ月を切った。今年を代表する新車はどれなのか。すなわち、カー・オブ・ザ・イヤーの行方が気になる時期となった。
軽自動車が2つのタイトルを獲得!
日本のカー・オブ・ザ・イヤーいえば、「日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)」「日本自動車殿堂カーオブザイヤー」「RJCカーオブザイヤー」の3つが定着している。かつて、自動車雑誌が最盛期だった頃には、それぞれが今年の1台を選ぶ「カーオブザイヤー氾濫期」もあったが、現在は上記の3つに落ち着いてきた。
いずれも、前年の11月から当年次の10月までに国内で発売された新型車を対象に選考するもので、2025年はすでに、日本自動車殿堂がホンダ「N-ONE e:」、RJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)が「日産ルークス/三菱ekスペース・デリカミニ」をカーオブザイヤーに選出している。COTYは12月4日に最終選考の結果を発表する予定だ。
自動車学術者を中心とした特定非営利法人の日本自動車殿堂は、2001年からイヤー賞を選出している。今回、軽EV「N-ONEe:」を選んだ理由としては、「日常生活に安心な軽EVとして十分は航続距離、レトロとモダンを融合した優れたデザインイメージ、軽自動車ながら安全運転支援機能を充実」させた点を挙げている。
NPO法人のRJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)は、軽自動車の日産「ルークス」と三菱自動車「ekスペース/デリカミニ」を選んだ。日産と三菱自が共同開発する軽自動車だ。受賞理由は「軽スーパーハイトワゴンの視界や利便性の良さを高めながら、低燃費や上質な走行性能を実現。内外装などにそれぞれ独自の仕様を盛り込むことによって、日産と三菱自の合弁会社であるNMKVが企画し、日産が開発したひとつのプラットフォームから個性的な3車種を誕生させたことを評価した」としている。
2つのイヤー賞を、日本国内市場で約4割を占める軽自動車が獲得しているところが今年の大きな特徴だ。12月4日のCOTYは、どのクルマが受賞するのだろうか。
COTYの10ベストカーには「ムーヴ」が入賞!
カーオブザイヤーの“本家”ともいえるCOTYは、先のジャパンモビリティショー2025(JMS2025)で「10ベストカー」を選んでおり、この中から選考委員の投票で最高得点を得たクルマが今年のイヤー賞の栄冠に輝く。
10ベストに入ったのはスズキ「eビターラ」、スバル「フォレスター」、ダイハツ工業「ムーヴ」、トヨタ自動車「クラウン(エステート)」、日産自動車「リーフ」、ホンダ「プレリュード」、BMW「2シリーズクーペ」、ヒョンデ「インスター」、プジョー「3008」、フォルクスワーゲン「ID.Buzz」。国産車が6車種(うち軽1車種)、輸入車が4車種だ。
日本自動車殿堂とRJCでは国産車と輸入車に部門を分けている。日本自動車殿堂の輸入車イヤー賞は「ID.Buzz」、RJCはBYD「シーライオン7」が受賞した。
COTYでは10ベストから最高得点を得た新型車がイヤー賞となるが、国産車が受賞した場合は、輸入車の最高得点を獲得したクルマが「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」となる。
カーオブザイヤーについてはかつて、自動車メーカー・インポーターが、賞を得るため選考委員に接待攻勢を掛けていると批判されたこともあった。また、個々の選考委員の価値観のズレや多様な基準、ユーザーの購入動機とのギャップなどが指摘されることもある。
一方で、受賞したからといってクルマが必ず「売れる」とは限らず、自動車メーカーによってはイヤーカーを冷めた目で見ているところもある。筆者も10年近くRJCの選考委員を務めた経験があり、RJCの会長に推されたこともあったが、このイヤーカーについては、その年の新型車の代表車として、ひとつの“目安”として見たほうがいいと思う。






