軽自動車の新車販売ランキング(2025年10月、全国軽自動車協会連合会)でダイハツ工業「ムーヴ」が首位に立った。常勝だったホンダ「N-BOX」を押さえてのNo.1獲得だ。ダイハツの首位奪還はほぼ6年ぶりとなる。
ダイハツ復活が明確に?
ダイハツ「ムーヴ」は2025年6月にフルモデルチェンジしたばかり。10月の販売台数は1万6,015台(前年同月比308・3%)だった。2位のスズキ「スペーシア」は1万4,420台(同101.%)、3位のダイハツ「タント」は1万4,244台(同134.3%)。軽販売どころか登録車も含めた新車市場で王者だったホンダ「N-BOX」は1万2,784台(同76%)で4位にとどまる異常事態だ。
ホンダのN-BOXが王座から陥落したのは、2024年5月以来17カ月ぶり。トップ3圏外まで落ちたのは、実に2014年11月以来の11年ぶりとなる。一方で、ダイハツのムーヴは6月の新型車デビュー以来、好調をキープ。6月販売でいきなり2位に食い込み、その後も3位をキープしながら10月で首位奪還となった。
ダイハツは認証不正問題で出荷停止やブランド毀損など厳しい状況が続いてきた。この新型ムーブも発売が延期されて、ようやく6月に市場投入となった経緯があるが、ここへきてムーヴがけん引してタントも3位に食い込んだように、「ダイハツ復活」が明確になってきたと言えよう。
新型ムーヴの販売が好調な要因は、軽で最も売れ筋の「スーパーハイトワゴン」ではなく車高1.7mを切る「ハイトワゴン」ボディであること、フロントマスクの「精悍さ」が受けていること、同モデルで初めてスライドドアを採用したこと、などだという。グレード「X」以上なら、タッチ&ゴーロックやイージークローザー機能を備えたパワースライドドアに、衝突回避支援を行う「スマートアシスト」が全車で標準装備となる。
新型ムーヴは「カスタム」を廃止してグレード体系を一本化し、カスタムに近い仕様の「ダンディスポーツスタイル」をディーラーオプションとするなど、ユーザーが選びやすいラインアップを採用している。加えて、価格体系もベースモデル「L」が135万8,500円、充実装備の「G」グレードでも171万6,000円(いずれも2WDモデル)と、ライバル車に比べて割安だ。
先日の「ジャパンモビリティショー2025」(JMS2025)では各社が軽自動車のコンセプトカーを展示し、BEV(バッテリーEV)を筆頭に話題となったが、ダイハツも同社の原点である「ミゼット」のコンセプトカー「ミゼットX」を出展し、ダイハツがBEVで作る未来のパーソナルモビリティへの期待を抱かせた。
さらに、次世代の軽オープンスポーツ「K-OPEN」(コペン)のコンセプトモデルは、「コペン」現行モデルの2026年8月での生産終了が予定される中で、ダイハツの「軽のワクワクをこれからも」というメッセージを提示したものである。
筆者はJMS会期中の「軽トラ市」で鈴木俊宏スズキ社長と共に「輪島朝市復活トークショー」に並んだ後、井上雅宏ダイハツ工業社長に「いよいよダイハツ復活ですね」と声をかけた。同氏からは「ダイハツは、これからです」との力強い言葉が返ってきた。
2024年3月にトヨタ自動車中南米本部長からダイハツ工業社長に就任し、ダイハツの立て直しを進めてきた井上社長は、「ダイハツの小型車ものづくりは、強いんです」とし、トヨタにはない同社の強みを強調していた。









