三菱自動車工業が2026年10月1日に新型「パジェロ」の予約注文の受け付けを開始する。このクルマ、ライバルがトヨタ自動車「ランドクルーザー250」であることは、誰の目にも明らか。令和に因縁の対決を再び見られるのは胸が熱くなる思いだ。新型パジェロとランクル250を比べてみよう。

  • 三菱自動車の新型「パジェロ」とトヨタ「ランドクルーザー250」

    因縁の対決、再び! 新型「パジェロ」と「ランクル250」を比べてみた

初代以来? 2台の因縁とは

ラダーフレームに縦置きパワートレインという本格派クロスカントリーSUVのメカニズムを持つ新型パジェロ。キャビンは3列シートの7人乗りとなっている。

  • 三菱自動車の新型「パジェロ」

    新型「パジェロ」

新型「パジェロ」の写真を一気に見る

これと同じスペックを持つのは、トヨタ自動車の「ランドクルーザー250/300」、レクサス「GX」「LX」、そして、輸入車にはなるがキャデラック「エスカレード」くらいだ。

その中から筆者がガチンコのライバルとして指名したいのは、ランドクルーザー250。250のルーツである「ランドクルーザー・プラド」は初代パジェロのヒットを受け、対抗馬として開発された。当時は「RV」と呼ばれたSUVやミニバンの専門誌にいた筆者は、両モデルの直接対決を目撃している。

  • 三菱自動車の初代「パジェロ」

    初代「パジェロ」

  • 初代「ランドクルーザー・プラド」

    初代「ランドクルーザー・プラド」

歴代プラドは同じ時代のパジェロと近しいボディサイズだった。しかし250となってからは、プラットフォームが格上の300と同じになったので、大柄になった。

  • ランドクルーザー250

    「ランドクルーザー250」。写真はディーゼルターボエンジン搭載の「ZX」グレード。2024年10月に撮影

「ランドクルーザー250」の写真を一気に見る

新型パジェロの4,920×1,925×1,910mmのボディサイズは、先代より大きくなっているものの、ランドクルーザー250はさらに5mm長く、55mm幅広く、15mm背が高い。新型パジェロはライバルより少しだけコンパクトということになる。

パワーユニットや駆動系の違いは?

エンジンはどちらも直列4気筒だが、新型パジェロは2.4リッターのディーゼルターボ、ランドクルーザー250は2.7リッターのガソリン自然吸気と対照的だ。

  • 三菱自動車の新型「パジェロ」

    新型「パジェロ」のボンネットを開けるとこんな感じ

ランドクルーザー250には少し前まで、2.8リッターのディーゼルターボもあったが、2026年4月にマイナーチェンジされたのはガソリン車のみで、ディーゼルについては12月以降の発売予定とアナウンスされた。つまり、現時点ではガソリン車しか買えない。

ランドクルーザー250のガソリンエンジンは最高出力120kW、最大トルク246Nm。ATは6速だ。一方、新型パジェロのディーゼルターボは最高出力150kW、最大トルク480Nmで、ATは8速となる。

車両重量はランドクルーザー250が2,240kg、新型パジェロが2,460kgだが、最大トルクはほぼ2倍、ATのギアの段数も2つ違いなので、動力性能はパジェロが確実に上だろう。

  • 三菱自動車の新型「パジェロ」

    新型「パジェロ」

ちなみに、マイナーチェンジ前に販売していたランドクルーザー250のディーゼルターボは最高出力150kW。新型パジェロと同じだ。最大トルクは500Nmとやや上回っていた。トランスミッションは8速ATで、車両重量は2,390kg(VXグレード)と少し軽いので、加速では逆に有利になりそうだ。

4WDシステムは両モデルで異なる。新型パジェロは2H(後輪駆動)、4H(フルタイム4WD)、4HLc(センターデフロック)、4LLc(ローレンジ+センターデフロック)の4つのモードを選択できる。

さらに、フロントブレーキを弱くかけることで左右輪間のトルクを制御する「AYC」(アクティブヨーコントロール)、滑りやすい路面で駆動力を最適に配分して安定性を高める「ASTC」(アクティブスタビリティ&トラクションコントロール)、これらとABSを統合制御する「S-AWC」を搭載している。

ドライブモードは走行シーンごとに最適化したノーマル/エコ/グラベル/スノー/マッド/サンド/ロックの7つを用意している。

  • 三菱自動車の新型「パジェロ」

    新型「パジェロ」

一方のランドクルーザー250はH4F(フルタイム4WD)、H4L(センターデフロック)、L4L(ローレンジ+センターデフロック)で、燃費に有効な2WDモードはなく、アクティブトラクションコントロールとABSは付くが、4輪統合制御ではない。ドライブモードはディーゼルターボには用意されていたが、ガソリン車にはない。

ランドクルーザー250のガソリン車は、高速道路や山道では「もう少し力強ければ」と思うし、燃費もいまひとつだ。加えて、制御技術やドライブモードは新型パジェロが上。価格はランドクルーザー250のガソリン車(VX、577.94万円)のほうが安くなりそうだが、内容を見比べると、パジェロを選ぶ人が出てきそうな気がする。

しかも、新型パジェロは、モダンなスタイリングと上質なインテリアを組み合わせており、デザインは好みが分かれるかもしれないが、クオリティはライバルより一枚上手だ。前述したように、ランドクルーザー250にディーゼルが復活するのは12月以降とのことだが、この2カ月間でパジェロに流れる人が増えても不思議ではない。

実は両車の目指すところは違う

とはいえ、新型パジェロとランドクルーザー250は、目指すところが違うのもたしかだ。

ランドクルーザーが「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」というコンセプトを掲げているのに対し、新型パジェロは、悪路走破性・信頼性、快適性と扱いやすさ、フラッグシップにふさわしい上質さの両立を狙っている。

走破性や信頼性にこだわるならランドクルーザー250、快適性や上質感も欲しいなら新型パジェロというのが、満足できるチョイスなのではないだろうか。

【フォトギャラリー】新型パジェロ

【フォトギャラリー】ランドクルーザー250

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