軽EVの世界に相次いで登場したBYD「ラッコ」とスズキ「e SKY」(プロトタイプ)。どちらも話題沸騰のクルマだが、はたして、この2台を比較することは可能なのか。両モデルに乗った経験を踏まえて考えてみる。今回は内装と使い勝手に注目する。

  • BYD「ラッコ」

    スズキ「e SKY」とBYD「ラッコ」を内装と使い勝手で比べてみる

インテリアの考え方に違いあり?

先日の外観編では、そもそも両モデルのボディ形状に違いがあることを確認した。今回のインテリア編でも、まずは2台の開発における考え方の違いについて述べておきたい。

BYDはラッコを日本に投入するにあたり、最も人気が高い軽スーパーハイトワゴンのホンダ「N-BOX」をはじめ、スズキ「スペーシア」、ダイハツ工業「タント」、日産自動車「ルークス」、三菱自動車工業「eKスペース」などの装備や機能性を徹底的に研究し、とにかく、その全てを取り入れるという、ちょっと一生懸命すぎるほどの勢いでインテリアを作り込んでいる。特に重視したのがN-BOXだ。

ついに200枚を突破…BYD「ラッコ」の写真を一気に見る

一方のスズキ「e SKY」は、「いつもの軽から、無理なくEVへ」をコンセプトとして開発。インテリアの仕上がりは奇をてらうことなくシンプルで、機能については必要なものをきっちりと、という潔い感じを受けるのだ。

外観も走りも! スズキ「e SKY」の写真を一気に見る

ダッシュ付近は互角の出来栄え

ラッコのダッシュボードは、7インチの液晶メーターとタッチ式の10.1インチセンターディスプレイの組み合わせ。その下には、握りやすい楕円形状のシフトセレクターを中心に、スタート/ストップボタン、回転式のモードとボリュームダイヤル、操作しやすいトグル式のエアコンコントローラーなどを集中配置している。先進感よりも使いやすさを考慮したレイアウトだ。

  • BYD「ラッコ」
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  • BYD「ラッコ」
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一方、e SKYのダッシュボードは、一枚板形状のインパネにデジタル液晶パネルと10.1インチディスプレイオーディオを配置。エンジン車同様のなじみやすい縦引きシフトレバーの横には、回転式のボリュームダイヤルと静電タッチ式のエアコン操作部が並んでいる。

  • スズキ「e SKY」
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シートには大きな違いが!

ラッコ(300Premiumグレード)の前席は、中央の座面がつながる合皮のセミベンチシート。運転席側は軽自動車としては稀な電動式となっている。

  • BYD「ラッコ」

    写真は「300Premium」の「ブラック&ベージュ」内装

ヒーター付きステアリングのチルト&テレスコピック機能を使えば、前後と高さの位置調整が可能。自分に合ったドライビングポジションが取りやすい。アームレストまで付いているが、位置がちょっと低く、倒しておくとシートベルトが装着しにくくなるのは玉にキズだ。

  • BYD「ラッコ」

白に近い淡いベージュの面積が大きなシート座面は明るくていいけれども、ファミリーユースで選ばれることの多い軽自動車なので、汚れやGパンの色落ちには要注意。心配なら「ブラック」内装も用意されている。

  • BYD「ラッコ」
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e SKYのフロントシートはシンプルな手動式。ハイバックのサイドサポートが適切で、レザー調ヒーター付きステアリングの形状もよく、ホールド感に優れている。

  • スズキ「e SKY」

リサイクル素材を用いたダッシュボードやグレー系のファブリックシート表皮を採用したインテリアは、気兼ねなく使えそうだ。

  • スズキ「e SKY」
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リアドアはラッコが両側電動スライド式で、e SKYはシンプルなヒンジドアだ。

ラッコの後席は、ホンダ「N-BOX」をほぼ完コピ(言葉は悪いが……)しており、50:50の前後分割スライド&ダイブダウン&チップアップによって、さまざまなシートレイアウトが可能になっている。

  • BYD「ラッコ」
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キーを持って近づくと、スライドドアの下の地面に円形のLEDマークが投射される。これを踏めば、スライドドアが自動で開く。他の軽スーパーハイトワゴンにはない便利な機能だ。そのほか、幼児置き去り検知(警告後に救助されない場合、エアコンを自動作動させて命を守る)、挟み込み防止機能付きドアウインドウなど、高度な安全装備も詰め込まれている。

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一方のe SKYはシンプルな50:50の背面可倒式。倒すと中央に段差ができてしまうが、オプションパーツでフラットにすることもできる。

  • スズキ「e SKY」
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収納力ではラッコが優勢

背の高さをいかしたスペースやシートレイアウト、収納の数などはラッコがe SKYを圧倒。300Premiumグレードのダッシュセンターには、容器の保温が可能な「ホットカップホルダー」まで完備している。また、靴などが入るシート下収納が3つ、スマホやタブレットが入る前席シート背面ポケット、濡れた傘置きなどなど、あちこちにあるボックスやトレイなどの収納スペースは合計30カ所に及ぶ。逆に多すぎて、取り出し忘れが不安になるほどだ。全ては使いきれないかも、というぜいたくな悩みもある。

  • BYD「ラッコ」
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e SKYはその点、必要最小限。リアに収納はないけれども、カバンに入れて座面や足元に置いておけばいい。これまで通りの割り切った使い方だ。それもまたよし、である。