2026年夏、相次いで登場した軽EV(軽自動車の電気自動車)のBYD「ラッコ」とスズキ「e SKY」(こちらはプロトタイプ)。軽ス―パーハイトワゴンと軽ハイトワゴンなので成り立ちは異なるけれども、日本専用の軽自動車規格の電気自動車という点では同じジャンルなので、とにかく色々と比べてみたいと思う方も多かろう。
どちらにも乗った経験を踏まえ、まずは外観のサイズ・デザイン編から始め、インテリアの質感・使い勝手編、性能・走り編へと両モデルの比較を進めていきたい。
サイズはどう違う?
まずはサイズや重さなどを比較してみる。
軽スーパーハイトワゴン対軽ハイトワゴンという図式の通り、全長と全幅は同じながら、ラッコの方が175mm背が高く、ホイールベースは60mm長く、トレッドは10mm広く、最低地上高は10mm低く、車重は130kg~200kg重い。タイヤの幅は同じだが、ラッコの方がホイール径が1インチ大きい。
まあ、これはラッコを主語として表現したからで、e SKYを主語にすれば、ほぼ全ての項目が逆(背が低く、ホイールベースが短く、トレッドが狭く、最低地上高が高く、重量が軽く、タイヤが小さい)の表現になる。まさにスズキの合言葉である「小・少・軽・短・美」を地で行くのがe SKYということができるのだ。
BYDのデザインは人文暖居?
「ラッコ」のデザインは、短いボンネットに背の高い四角いキャビンの組み合わせ。普段、街中でよく見かける軽スーパーハイトワゴンそのもののカタチだ。
BYD「ラッコ」の写真を一気に見る
日本専用だからといって、いたずらにギラギラしたフェイスとしなかったのはBYDの“英断”で、無国籍かつすっきりした見た目は遠目から見ると、BYDのクルマなのかどうかがわからないほど。フロントに「H」「S」「D」などのエンブレムを装着していても、さして違和感がなさそうな顔つきだ。
ラッコを取材していて唯一「中国的だな」と思ったのは、デザインコンセプトの「人文暖居」(じんぶんだんきょ)という言葉づかい。あまりなじみのない、中国語圏らしい発想の造語だ。個人的には、そんなに頑張って思想的な言葉を使わなくても、「スマート」の一言で済みそうなシンプルでいいデザインだと思うのだが。
e SKYのデザインは少しレトロで親しみやすい
一方の「e SKY」は、「EVである前に、軽自動車である」を掲げ、「いつもの軽から、無理なくEVへ。毎日を変えずに、走りを変える」を開発コンセプトとする。洗練・安心・軽快感を感じさせる「スマート」、タイムレスで流行に左右されない「アイコニック」、親しみやすく穏やかな相棒のような「コージー」がデザインのテーマだ。
スズキ「e SKY」の写真を一気に見る
前後にデジタル数字のようなグラフィックを持つアイコニックで先進感のあるライトや、前側のピークから後ろ下がりに軽快に抜けていくショルダーライン(初代スズライトを彷彿とさせる)などの特徴を持ちながら、全体としては1979年の初期型「アルト」を想起させる、親しみやすいデザインがとてもいいのだ。




















