中国のBYDが軽自動車の電気自動車(軽EV)「ラッコ」(RACCO)を発売した。グレードは「200」「300Plus」「300Premium」の3種類。最も大きな違いはバッテリー容量だが、実は車両重量や充電性能にも差がある。性能面での違いを確認していこう。

  • BYD「ラッコ」

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まずは価格と主要スペックを比較

購入後に「思ったよりも航続距離が短かった」「上位グレードにしておけば良かった」と後悔しないためにも、性能面から3グレードを比較してみたい。まずは各グレードの主要スペックを表にまとめた。

  • BYD「ラッコ」のグレード間性能比較表

最大の違いは「210km」と「320km」の航続距離

ラッコ選びで最初に考えるべきポイントは、一充電走行距離だ。

200は22.40kWhのバッテリーを搭載し、WLTCモードで210kmを走行できる。一方の「300」は35.84kWhの大容量バッテリーを搭載し、航続距離は320kmとなる。

その差は実に110km。

数字だけではピンとこないかもしれないが、320kmクラスなら週末のドライブや隣県への移動も十分に視野に入る。対して210kmクラスは、買い物や送迎、通勤など日常用途が中心となるだろう。

BYD自身も、

200は「駅までの送迎・買い物・通院」

300シリーズは「週末のレジャー」も視野

という使い分けを提案している。

  • BYD「ラッコ」

充電性能の違いが満足感の違いにつながる?

見逃しがちなのが充電性能の違いだ。

200の普通充電が最大3kWなのに対し、300Plusと300Premiumは最大6kWに対応する。急速充電も200は35.8kW、300シリーズは49.7kWとなる。

つまり300シリーズは、

  • バッテリーが大きい

  • 航続距離が長い

  • 充電も速い

という3つのメリットを持つ。

EVに慣れていない人ほど「航続距離」に注目しがちだが、日常的な使い勝手という意味では充電性能にも大きな価値がある。

車両重量は60kg以上重くなる

大容量バッテリーを搭載する300シリーズは車重も増加する。

  • 200:1,160kg

  • 300Plus:1,220kg

  • 300Premium:1,230kg

200と300Premiumでは70kgの差がある。

最高出力47kW、最大トルク160Nmのモーターは全車共通だ。

興味深いことに、0-50km/h加速では200の方がわずかに速く、4.2秒を記録する(0-100km/h加速ではないことに注意!)。300Plusと300Premiumは4.4秒だ。

日常域の発進加速では、軽い車体を持つ200のメリットが出ていると考えられる。

コスパで見ると300Plusが有力候補

今回の比較で見えてくるのは、200と300Plusの間に大きなキャラクターの違いがあることだ。

価格差は25万3,000円。その差で得られるものは、

  • バッテリー容量約1.6倍

  • 航続距離110km増

  • 普通充電性能2倍

  • 急速充電性能向上

とかなり大きい。

一方、300Plusと300Premiumは同じバッテリー、同じ航続距離、同じ充電性能で、価格差は9万9,000円。違いは主に装備内容になる。

結論:性能重視なら300Plusが本命

性能面だけで判断するなら、

  • 近距離専用なら「200」

  • 航続距離重視なら「300Plus」

  • 性能は同じで装備重視なら「300Premium」

という整理になる。

特に300Plusは、320kmの航続距離と上位の充電性能を手に入れながら、最上級グレードより約10万円安い。カタログスペックだけを見ると、現時点で最もバランスが取れているグレードに見える。

ただし、話はそう単純ではない。

次回は、300Premiumだけに与えられた装備や、300Plus以上で使える快適機能などを詳しく比較しながら、「装備のために追加の予算を払う価値があるのか」を検証していきたい。