コンセントから充電できて、日常の移動をほぼバッテリー&モーターだけでまかなえるプラグインハイブリッド車(PHEV)は、次世代モビリティの現実的な最適解として注目を集めている。このカテゴリーにおいて、高い人気と実力を誇るのがトヨタ自動車「RAV4 PHEV」と三菱自動車工業「アウトランダーPHEV」だ。今回は両者を「性能と燃費」の観点で比較してみよう。

  • 「RAV4 PHEV」と「アウトランダーPHEV」

    「RAV4 PHEV」と「アウトランダーPHEV」を徹底比較!

トヨタ「RAV4 PHEV GR SPORT」と三菱「アウトランダーPHEV」の写真を一気に見る

RAV4 PHEV:異次元の加速性能と圧倒的な省燃費性

トヨタが送り出すRAV4 PHEVは、圧倒的なエネルギー効率と高い動力性能を併せ持つ優等生だ。心臓部には2.5Lの直列4気筒エンジンと高出力モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムを搭載する。

  • トヨタ「RAV4 PHEV GR SPORT」

    トヨタ「RAV4 PHEV GR SPORT」

エンジンとモーターが同時に全力を出したときに車全体が発揮できる「システム最高出力」は242kW(329PS)に達し、一般的なSUVの水準を凌駕する。俊敏な加速感だ。

  • トヨタ「RAV4 PHEV GR SPORT」

    トヨタ「RAV4 PHEV GR SPORT」

燃費性能も極めて優秀で、国際基準に基づいた実用的な指標であるWLTCモードにおいて「Z」で22.2km/L、「GR SPORT」で21.5km/Lを達成している。58.0Ahの大容量リチウムイオンバッテリーによるEV走行距離は、それぞれ151km、145kmと高い性能を有する。

アウトランダーPHEV:ツインモーター4WDの操縦安定性

三菱自動車のアウトランダーPHEVは、電動技術と四輪駆動制御を融合させた独自の進化を遂げている。排気量2.4Lのエンジンは主に発電機として機能し、基本的には前後2基の独立した強力なモーターで走るツインモーター方式を採用する。

リヤモーターの最高出力は100kWに設定されており、後輪側を強く駆動することで、電動車らしい伸びやかな加速感を実現している。

  • 三菱「アウトランダー PHEV」

    三菱「アウトランダー PHEV」

最大の強みは、三菱独自の車両運動統合制御システム「S-AWC」である。これは前後の駆動力配分だけでなく、左右の車輪に個別にブレーキをかけて曲がりやすさを調整する技術(AYC)などを統合制御するシステムだ。

これにより、2,000kgを超える重厚な車体でありながら、コーナリング時にはまるで一回り小さな車を運転しているかのように軽快に、そして滑りやすい悪路でも高い安定性を保って曲がることができる。

  • 三菱「アウトランダー PHEV」

    三菱「アウトランダー PHEV」

22.7kWhのバッテリーを搭載し、EV走行距離は売れ筋の「P」や「G」グレードで102km(Mグレードは106km)、ハイブリッド燃費はWLTCモードで16.2~17.6km/Lと、実用上十分なスペックを有する。

性能と燃費が示す走行フィールの違いと選択基準

2台の数値と設計思想を比較すると、ユーザーのライフスタイルに合わせた明確な選択基準が見えてくる。

RAV4 PHEVは圧倒的な「数値の強さ」と軽快さが魅力である。車重が2トンを切る軽量設計であるため、フロントの151kWモーターをいかした瞬発力は極めて高い。

  • トヨタ「RAV4 PHEV GR SPORT」

    トヨタ「RAV4 PHEV GR SPORT」

日常の通勤や買い物がメインで、ガソリン消費を極限まで抑えたいユーザーにとって、150km前後のEV航続距離と20km/Lを超える優れた燃費は最高の武器となる。さらにGR SPORTを選択すれば、剛性の高さをいかしたダイレクトで引き締まった走りを味わうことができる。

一方のアウトランダーPHEVは、「重厚感と操縦する楽しさ」に価値を置くモデルである。前後モーターの出力バランスがリヤ寄りになっており、電子制御技術(S-AWC)がドライバーの意図を汲み取って車体を路面に吸い付かせるように制御するため、雪道や荒れた路面での安心感は抜群である。

  • 三菱「アウトランダー PHEV」

    三菱「アウトランダー PHEV」

長距離クルージングでの疲れにくさや、静かで快適な移動空間を求めるファミリー層には、アウトランダーが提供する上質な乗り味が何よりの魅力となるだろう。