スバルの都会派SUV「レヴォーグ レイバック」に待望の「S:HEV」(ストロングハイブリッド)モデルが追加となった。「燃費はよければ買いたい」と思っているスバリストにはグッドニュースだ。ところで、レイバックS:HEVの走りはどうなのか? 長野県白馬の山上でプロトタイプに試乗し、完成度を確かめてきた。
レヴォーグ レイバック S:HEVモデルの写真を一気に見る
まずはおさらい! レイバックとは?
2023年10月に初登場した「レヴォーグ レイバック」は、アウトドア志向の強いスバルSUV群の中にあって、珍しく“都会派”として開発された国内専用モデルだ。
ステーションワゴン「レヴォーグ」の車高を単に上げただけのお手軽な新型車ではないことは、開発陣の言葉から伝わってきた。レイバック発売時の試乗会で、同モデルの開発責任者を務めた小林正明PGMはこう断言した。
「SUV市場が拡大する中で、街中でスマートに乗っていらっしゃるSUVユーザーが“マス”としてたくさんいることがわかってきました。そこで、レヴォーグをベースに新しいチャレンジをしたのがレイバックです。今回は静粛性など、クルマとしての上質さを演出することに注力しましたが、スバルらしい、SUVとしての走りの楽しさにもこだわりました。上質さと楽しさは相反する要素になりがちですが、両立できたと思います」
パワートレインは最高出力130kW(185PS)、最大トルク300Nmを発生する1.8Lの水平対抗直噴4気筒ターボエンジン「CB18型」の一択。レヴォーグにはある2.4Lを持ってこなかったのは、「パワーがありすぎてバランスが崩れるから」(小林PGM)。スバルで唯一ともいえる難点の燃費性能については、「今後の電動化に期待してもらえれば」と語っていた小林さんの言葉を思い出す。
S:HEV化でターボダクトが消滅! すっきり? 寂しい?
従来型ターボモデルを試乗、購入したユーザーからは、「スポーティーな走行性能」や「上質さ、質感」という点で好評価を得ていたという。その一方で、「ハイブリッドが欲しい」「ターボダクトをなくしてほしい(女性のユーザーや同乗者からの声が多かったそうだ)」「街中で扱いやすいパッケージングにしてほしい(全高1,550mm以下)」という要望があったという。
こうした声を受けて登場したのが、今回のS:HEVモデルだ。
システムはシャシーを共用する「クロストレック」と同じ「FB25型」2.5L水平対向エンジン(最高出力160PS、最大トルク209Nm)と発電用モーター、駆動用モーター(119.6PS/270Nm)を組み合わせたシリーズ・パラレル方式のハイブリッド。トヨタ自動車の「THS」がベースだ。
このシステムにプロペラシャフトを介した機械式シンメトリカル4WDを組み合わせて、スバルらしい走りを実現した。
燃費は19.0km/L(ターボは14.1km/L)。63Lの燃料タンクから計算すると、航続距離は1,000kmオーバーを記録する。
ターボ用のインタークーラーがないので、ボンネット中央にあったダクトは不要に。見た目はすっきりと上品になった。ただ、「ダクトがあるからスバルらしい」という声もあるにはあったが……。
ボディは車高を20mm低くして最低地上高を180mmとし、全高もそれに応じて1,550mmとした。これなら機械式駐車場にもスムーズに入れられる。シティユーザーにピタリとハマるサイズだ。
タイトコーナーからの立ち上がりが秀逸
試乗したコースは、長野五輪が開催された白馬うさぎ平付近にある狭く九十九折りのクローズドコース。右へ左へと目まぐるしくコーナーが続き、ステアリングを目一杯きらないと曲がれないほどタイトな箇所も多かったのだが、S:HEVは低速からモーターが後押ししてくれるので、立ち上がりでボディが軽やかにススッと前に出る感じがとても気持ちいい。
車高を下げるため、スプリングが短くカットしてあるので、「乗り心地がちょっと硬くなるのでは」と想像していたのだが、これは見事に裏切られた。短くなってもスプリングレートは変更なしで、それに合わせてダンパーの作動を徹底して調整したそうで、所々にあるかなり荒れた路面を通過しても上手にそれをいなし、乗り心地の良さをキープしてくれたのには感心した。
低くなったとはいえ最低地上高は180mmをキープしているので、駐車場外の荒地に侵入した際にボディ底面を気にする必要がなかったのもSUVモデルらしいところだ。
比較のためターボモデルにも乗ったのだが、こちらはもっと雄大なワインディングや、よりハイスピードな領域での走りに適していると感じられた。
モーター+機械式シンメトリカルAWDと新たに追加された2モード「X-MODE」によって、シティユーザーだけでなく、雪道や悪路を走るドライバーにとっても魅力的なレヴォーグ レイバックのS:HEVモデル。その販売状況やS:HEVモデル追加の理由、さらには「フォレスター」や他のスバルモデルの今後の展開については別稿でお届けする。





































