最初に結論:
  • 日産が日本に導入した米国生産SUV「ムラーノ」は受注好調(日産談)。ランクル一強の大型SUV界に新たな選択肢
記事の重要ポイント:
  • 1:日産ムラーノの日本導入モデルは単一グレードで「全部入り」
  • 2:VCターボエンジンを使って「走れる」日産車は日本でムラーノのみ!
  • 3:ムラーノは台数限定でも期間限定でもない

日産自動車が日本で受注を開始した米国生産SUV「ムラーノ」には、実際のところどんな反応が寄せられているのだろうか。実車を見ながら日産に話を聞いてきた。

  • 日産「ムラーノ」

    日産の米国生産SUV「ムラーノ」

日産「ムラーノ」の写真を一気に見る

ムラーノ日本導入の理由は?

ムラーノは日産が米国テネシー州のスマーナ工場で生産しているミッドサイズクロスオーバーSUV。過去のモデルは日本でも販売していたので、懐かしいと感じる人もいるかもしれない。日産は2026年2月に国土交通省が創設した米国製乗用車の認定制度を活用し、現行型ムラーノの日本導入を実現した。

  • 日産「ムラーノ」

    6月9日の午後に横浜の日産グローバル本社ギャラリーで撮影。こちらでの展示はいったん終わっているが、6月24日に再開予定とのこと

日産が北米で売っているクルマはいろいろあるが、なぜムラーノを導入したのか。日産広報は「かつては日本で生産もしていて、日本のお客さまになじみのあるクルマ」であることを挙げた。今後も米国で売っているクルマを日本に持ってくる計画がある中で、ムラーノには試金石としての役割も期待しているようだった。

  • 日産「ムラーノ」

    「ムラーノ」のボディサイズは全長4,900mm、全幅1,980mm、全高1,725mm、ホイールベースは2,825mm、乗車定員は5名(シートは2列)。展示車両は基本的に北米仕様だが、日本の法規に合わせたアップデートが施してある。例えば標識の認識を日本に合わせてあったり、ソフトウェアがアップデートしてあったりといった具合だ。当然ながら日本で買えて、ディーラーに持ち込めばメンテもしてもらえる

  • 日産「ムラーノ」

    ボディカラーは全3色。写真の「ターコイズブルー」を選べるのは、日本の日産車ラインアップで「ムラーノ」だけ。買うなら積極的にチョイスしたいところだが、画像を確認すると黒もけっこうカッコいいので、悩ましいところだ

  • 日産「ムラーノ」

    「スーパーブラック」

  • 日産「ムラーノ」

    「プリズムホワイト」

ムラーノならではの魅力と価値は?

ムラーノはVC(可変圧縮比)ターボエンジンを積む4WD車だ。あくまでエンジンのみで走るクルマであり、ハイブリッド車のような電動車ではない。

日本で売っている日産車でVCターボエンジンを積んでいるクルマといえば「エクストレイル」がある。ただ、エクストレイルは「e-POWER」のハイブリッド車だ。e-POWER搭載車はエンジンで発電し、その電気でモーターを回して走る。つまり、エンジンが直接的にクルマの駆動に関わっているわけではない。

この点を踏まえるとムラーノは、日本において、VCターボエンジンで「走れる」唯一の日産車ということになる。ここにロマンを感じる人は……「(笑)そうですね、けっこういらっしゃると思います」(日産広報)とのことだ。

左ハンドル車であること、車内の広さ、VCターボの走り。こうした特徴に魅力を感じる人には、ムラーノが格好の選択肢になる。

  • 日産「ムラーノ」

    1,997ccのVCターボエンジン(型式:KR20DDET)を搭載。最高出力180kW/5,600rpm、最大トルク352Nm/4,400rpm。燃料はレギュラーガソリンでOK

グレードは「SV」のみで価格は796.4万円。大きなクルマではあるし、装備が充実しているようなので、ある程度の価格になるのは当然……とは思うものの、やっぱり輸入車だけあって、日産の国内販売ラインアップに混ざると高く見えるのは事実。そのあたりは日産広報も否定はしなかったが、ムラーノがさまざまな装備を最初から搭載している「全部入り」的なモデルであり、希少なエンジンを積んでいて、何よりムラーノのブランドもあるので、「そのあたりに価値を感じていただけるお客様」には注目してほしい、とのことだった。

  • 日産「ムラーノ」

    撮影中も、多くの来店者が眺めたり乗り込んだりしていた「ムラーノ」。取材に対応してくれた日産広報によれば、「これを買いに来ました」と話す客もいたそうだ。「デカいなー!」とつぶやきつつムラーノを熱心に観察していた来店客に話しかけてみると、「右ハンドル仕様があれば、絶対に買っていたんですけどね」とのコメントが聞けた

実際のところ売れている?

日本におけるムラーノの受注は2026年6月3日に始まっているが、今のところ手ごたえは「好調」と日産広報。受注台数こそ教えてもらえなかったが、「左ハンドルの独特なクルマにしては、興味を持ってもらっている」との話だった。

ムラーノの販売は2026年度内で200台くらいを想定。ちなみに、販売は期間限定でも台数限定でもない。

  • 日産「ムラーノ」

日本で買える日本メーカーのクルマで、これだけ大きなSUVとなると思い浮かぶのはトヨタ自動車の「ランドクルーザー」くらい。ムラーノとランクルでは見た目も性格も全く違うとは思うものの、大型SUVの選択肢が増えたこと自体は歓迎すべき動きだ。この先、日産「パトロール」やホンダ「パスポート」が日本で発売となるのは確実だし、報道によればスバルも大きなクルマの日本導入を検討しているらしいので、日本でこのジャンルがますます熱くなるのは間違いなさそうだ。