9年ぶりにフルモデルチェンジしたマツダのミドルサイズSUV「CX-5」に横浜市内で試乗した直後、各分野の技術者にブリーフィングを受け、気になった点について話を聞いてきた。マツダは新型CX-5で何を目指したのか。

  • マツダの新型「CX-5」

    マツダ「CX-5」に試乗し、技術者に話を聞いた

新型「CX-5」の写真を一気に見る

乗り心地の改良は効果テキメン

まずは、操縦安定性、乗り心地、制動について。2代目CX-5は振動の収まりのよさや運転の楽しさが評価されていた一方、荒れた路面や継ぎ目での硬さ、突き上げを感じるとの声もあり、また、低速域でのステアリングの重さが指摘されていたという。そこで今回の新型では、後席を含めてマイルドで安定したフラットな乗り心地を目指すとともに、街中や狭い道など、どんな場面でも扱いやすく、楽しく運転できることを目指したという。

そのため、新型の足回りについてはダンパー直径の拡大、バルブ構造の最適化、ガス圧の最適化を行なって剛性と応答性を強化。タイヤを路面に押し付ける力を補うとともに、スプリングを柔らかくして、乗り心地を大幅に改善したという。

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ステアリングについては、タイヤを行きたい方向に向ける、手応えで車両状態を伝える、強い横Gがかかる場面で体を支えるという3つの機能に注目しつつ、軽やかで適度にフィードバックがある必要最小限の操舵力を設定。切り込み側と戻し側の制御を最適化した。

ブレーキでは先代にあった停車時のカックンブレーキを改善するため、電動ブースターを導入し、制御のチューニングを実施。ブレーキングの初期からリニアに減速力を立ち上げる設定とした。

フロントシートは快適性と一体感の両立に向けてウレタンとバネを改良。リアシートは快適な着座性を狙ってクッションの内部構造を変更した。

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これらの改良は効果テキメン。試乗して、ファミリーカーとしての十分な性能を実現できていることを確認できた。その一方で、実車に試乗した別の参加者からは、走行時にフワフワと頭が動くので、ちょっとマツダらしくない感覚があったとの報告もあった。

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先進装備の充実具合は?

安全面、運転支援システム(ADAS)周り、HMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)関連については、マツダの安全思想である「Mazda Proactive Safety」を継続強化。先回り(Proactiv)でリスクを近づけない発想を徹底したとの解説だ。

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ドライビングポジションは完成度の高かった旧型を踏襲した。視界・視認性ではAピラーの細径化と角度の見直しで死角を低減。ボンネット形状を見直し、前方の位置把握性を改善するとともに、リアの三角窓を大型化して後方視界を確保した。

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コックピットHMIでは、タッチ式大型センターディスプレイ(国内最大級の15.6インチ)の導入が大きな変更点。静電検出で指の位置を把握し、スワイプ/フリックでも操作可能な統合ステアリングスイッチも新しい。ADASやメディアの操作は、スマートフォンに慣れたユーザーに使いやすいと感じてもらえるよう工夫した。

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Google搭載のインフォテイメントシステムはゲームやYouTube、Spotifyなどのアプリがダウンロード可能。Googleマップのナビゲーションは常に地図情報が最新だ。Googleアシスタントの音声認識は精度が高い。生成AIの「ジェミニ」(Gemini)もそのうち導入予定だという。

最新の先進安全技術「i-ACTIVSENSE」では、ステアリングの「SET」ボタンとウインカー操作だけで車線変更(70km/h以上)ができたり、40km/h以下の渋滞時にハンズオフが行える「クルージング&トラフィックサポート」を搭載。360°ビュー・モニターは床下まで画面に表示してくれるので、駐車時に役立つ。

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上記の機能を試乗中に試してみたが、いずれも実際に使えるレベルに仕上がっている。今後のさらなるブラッシュアップにも期待だ。一方で、ステアリングの静電スイッチは、ブラックのベース部分に小さな白文字で機能が書かれているので、見た目はカッコいいものの、ちょっとわかりづらい面も。機能ごとに文字を色分けしたり、文字を大きくしたりするなど、まだまだ工夫の余地がありそうだ。

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静粛性は抜群、走りは…

走りとNVH(Noise、Vibration、Harshness)の進化では、2.5Lガソリンエンジンとマイルドハイブリッドを組み合わせた「e-SKYACTIVE」を搭載。日常領域での初期応答とコントロール性を重視し、トランスミッションとの協調制御を強化することで軽快感と安心感を両立させた。モード別のサウンドチューニング(スピーカーによるエンハンスのみでアクティブノイズキャンセリングは不採用)を行うことで、高回転時に軽やかなエンジン音を聴かせる設定としている。

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燃費はエンジン効率改善と減速エネルギー回生、新タイヤや駆動系、空気抵抗の最適化によって、2.5Lエンジン同士では2WD(15.2km/L)も4WD(14.2km/L)も先代より10%改善。先代CX-5の2.0Lモデルよりも優れた数値を達成している。

NVH(振動、騒音、不快感)では、特定周波数の突出を抑えて、極力フラットな周波数特性を実現したとする。そのための音源抑制として、Aピラー段差部やドアミラーの形状を工夫し、風の巻き込み渦の発生を抑えるとともに、吸音材を音の伝播経路に合わせて配置。材質まで見直したことで、前席だけでなく後席でも会話や音楽が楽しめる環境を達成したそうだ。

試乗では静粛性が十分に感じられたものの、走りの面では、高速の合流時などでややトルク不足な印象を持ってしまった。先代CX-5のディーゼルモデルの印象がよかっただけに、あと一歩と感じたのかもしれない。

担当者によると、2027年以降に登場するストロングハイブリッドモデルが先代のディーゼルモデルに取って代われるはず、とのことなので、そこは期待を持って見守りたい。

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