フルモデルチェンジしたマツダの3代目「CX-5」に横浜市内で試乗した。各メディアで賛否両論(賛が多め?)な新型CX-5の乗り味について、感じたままにレポートしてみたい。

  • マツダの新型「CX-5」

    マツダの新型「CX-5」に試乗!(本稿の写真は撮影:原アキラ)

新型「CX-5」の写真を一気に見る

見た目はそのまま? 第一印象は

新型CX-5でマツダは、眺めて触れて乗ることで喜びと感動が感じられる「エモーショナル」なクルマを目指し、多様なシーンで乗る人すべてに快適な移動を提供する「デイリー・コンフォート」を突き詰め、日々の新しい体験を広げる機会を提供する「新世代価値」という魅力の創出に挑んだ。

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    マツダの基幹モデルとなった「CX-5」。左から初代、2代目、3代目(今回の新型)

新型のボディサイズは全長4,690mm、全幅1,860mm、全高1,695mm、ホイールベース2,815mm。フロントはボンネット先端を旧型に比べ50mm高くするとともに、ロアグリルを左右に広げてワイド感を強調し、左右のL字型2眼ヘッドライトと合わせて堂々とした“顔つき”とした。

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ボディ全体では、一目でCX-5とわかるよう、先代のプロポーション比率を相似形的に拡大。好評だったスポーティーなスタイルと広い室内空間を両立している。

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近くに立てばサイズが拡大していることは一目瞭然だが、ちょっと離れて遠くから見ると、新旧の見分けがつかないほどよく似たデザインだ。保守的といえばそれまでだが、2代目CX-5のデザインはそれほど完成されていたという証拠だろう。

ボディサイドは、えぐるようなデザインだった先代とは異なり、キャラクターラインを廃した抑制気味な造形となっている。

試乗車のインテリアは美しい「スポーツタン」カラーのレザーシート。水平基調のシンプルな運転席のデザインとマッチして、マツダらしい上質感が伝わってくる。

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静電ステアリングスイッチ付きのステアリングホーンパッドには、新しい「MAZDA」のワードマークが。コックピットセンターには15.6インチの大型ディスプレイを装備(Lグレード。ほかのグレードでは12.9インチ)している。真四角で大きな画面ではあるが、運転席からの視界を邪魔しない位置に置いてあるのはマツダらしい心配りだ。

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ホイールベースと全長が115mmも伸びた恩恵は、後席に座るときと荷室を使うときに感じられる。

後席に座ると、膝前には機内持ち込みサイズのキャリアケースを置けるほどの空間があった。膝前スペースは先代比64mmの拡大となる。さらに、頭上空間が大きく開いているので、上位モデルに引けを取らないほどのゆったり感が味わえる。

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ラゲッジルーム(容量466L)は奥行きが先代比45mm伸びていて、ゴルフバッグ4つを縦に押し込むことが可能。開口部は同18mm下がっているので、クーラーボックスなど重い荷物の積み下ろしも容易だ。

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ファミリーに優しい乗り味

最初に乗ったのは、「ロジウムホワイトメタリック」の「L」グレード。436万1,500円の本体に、ボディ同色のパーツを取り付けた(オプション合計59万8,902円)4WDモデルだ。

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試乗の発着地は、横浜市内にあるマツダの施設。幹線道路に出るために必ず通らなければいけないルート上に踏切や橋があり、しかも路面が荒れているので、出発してすぐに足回りの味付けがわかる便利な(?)場所だ。

伝統的にスポーティーなサスペンションを搭載することが多いマツダ車の中にあって、CX-5は乗り心地の良さが伝統だったのだが、今回の新型は、上記ルートの通過時に「オオッ」と声が出るほどソフトなセッティングになっていた。レベルでいうと、2~3段ほどもスムーズになっている感じ。国内の道路環境や交通環境に合わせてダンパー性能を徹底的に解析し、初期応答を極限まで高めた上でバネレートを低めにしたことで、路面からの突き上げを抑えることに成功したようだ。

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もうちょっとパワーがあれば…

パワートレインは最高出力131kW(178PS)/6,000~6,200rpm、最大トルク237Nm/3,800~4,000rpmを発生する高回転型の2.5L水冷直列4気筒DOHC16バルブエンジンに、4.8kW(6.5PS)/1,000rpm、60.5Nm/100rpmのモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムを搭載。WLTCモード燃費は14.2km/Lだ。

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首都高横羽線のアップダウンのあるコーナーを走ると、軽い操舵力ながらも正確なフィードバックを伝えてくるパワステの制御もよく、スポーツモードに入れると乾いた軽快なエンジン音を発しながら、結構なスピードでも安心して駆け抜けられる。

一方で、例えば上り坂で高速道路に合流する時、本線を流れるスピードまで一気に加速したいような場面では、「もうちょっとトルクフルだったらいいのにな」と思ったのも確か。街中でも、アクセルの踏み込み量と加速量が比例していない感覚が絶えずあったことも、正直に告白しておこう。

もっとも、高速道路を使って遠出する際などに、ACCを使って追従運転していればトルク不足は感じないだろう。2027年以降に登場予定のストロングハイブリッドモデルでは、このあたりは全て解決しているかもしれない。

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ちなみに、2WDの「G」グレード(352万円)に乗ってみると、車両重量が100kgほど軽いのでこちらの方がキビキビ走れる感覚があった。

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    2WDの「G」グレード。ボディカラーは「ネイビーブルーマイカ」

後席も試してみると、その空間(特に頭上)の広さや乗り心地の良さが、先代をかなり凌駕していることはすぐにわかった。Googleアシスタントやマップの操作を後席から音声で正確に行えるのも、車内が静かな証拠なのだろう。

機能面では、シースルービュー付きの360°ビューモニターが便利だった。大きくなった車体を駐車場にバックで入れるような時には、床下の景色まで映し出してくれる同機能が役に立つ。車両止めの位置に合わせて、クルマをぴたりと停めることができた。

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結論として、新型CX-5は「ザ・ファミリーカー」という印象だった。

マツダにとって絶対に失敗できないクルマの変遷

最後に、CX-5の歴史を振り返っておこう。

初代モデルの初公開は2011年の「フランクフルトショー」で、デビューは2012年だった。マツダの革新的技術となった「SKYACTIV技術」と新たなデザインテーマ「魂動(こどう)デザイン」を全面採用し、「機能的でありながら街中で誇らしく使える」という価値を提供。大ヒットを記録したクルマである。特に、2.2リッターのクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D2.2」は、トルクフルながらガソリンエンジンなみに静かかつ高回転まで回ることで評判になった。

2代目は2016年の「ロサンゼルスモーターショー」で発表となり、同年12月にデビューした。初代が持つ良さを引き継ぎつつ、静粛性や乗り心地、内外装のプレミアム感を高め、「エレガントで上質、洗練されたクロスオーバー」として進化した2代目は、同乗者全員が楽しめる「質感」を手に入れた。エッジの効いたフロントマスクやマツダの象徴となるカラー「ソウルレッドメタリック」は好評で、現在まで高い人気を維持している。

歴代CX-5は日本国内だけでなく、北米、欧州、中国など135以上の国と地域で販売されており、世界累計販売台数は500万台に到達。マツダの基幹モデルに成長した。

日本国内でも40万台以上が売れているCX-5は、マツダの販売台数の15%を占める。小型車中心の市場環境の中で、確かな存在感を発揮しているモデルだ。

というわけで、CX-5はマツダにとって、絶対に失敗できないモデルなのである。

【フォトギャラリー】新型CX-5