BMWの日本法人であるビー・エム・ダブリューは先ごろ、新型「7シリーズ」を日本で初めて公開した。同モデル史上最大のアップデートになるという改良の内容は? 新型で狙うのは日本のビジネスエリートたち? 実車を見て話を聞いてきた。
ノイエ・クラッセ世代の第3弾
新型7シリーズはBMWが「ノイエ・クラッセ」に基づいて作ったクルマだ。
ノイエ・クラッセは「新しい技術」という意味のドイツ語だが、BMWとは以前からなじみの深い言葉である。
1960年代に経営危機に陥ったBMWは、社運をかけて開発した中型セダンシリーズに対し、「新しいクラス」という意味でノイエ・クラッセという言葉を使った。その後の躍進を考えると、当時のノイエ・クラッセはBMWにとってターニングポイントとなるクルマであったはずだ。
そして現在、クルマの電動化というターニングポイントを迎えるなかで、BMWは新たなBEVラインアップの構築を機に「ノイエ・クラッセ」というワードを再び引っ張り出し、クルマ作りの抜本的な転換を図っている。
つまり、今回の新型7シリーズに限っては、小幅なマイナーチェンジでお茶を濁すことはまずありえない。ビー・エム・ダブリュー代表取締役社長の上野金太郎さんも、今回の改良を「(新型7シリーズは)BMWグループの歴史のなかで最大規模のアップデート」と表現していた。
ドイツのBMW本社から来日した開発部門 先進デザイン デザイン・ワークス デザイン・アイデンティティ部 ヴァイス・プレジデントのアンダース・ワーミングさんに新型7シリーズについて尋ねると、「プログレッシブ・ラグジュアリーという言葉を使っているように、新型7シリーズはクラシックなラグジュアリーをターゲットにはしていません。感じてもらいたいのは、新しくて先進的なラグジュアリーです。とにかく、従来のクラシックなラグジュアリーカーとしては見てほしくありません」との回答が得られた。
新しい7シリーズに魅力を感じるのは、どんな層なのか。「モダンで、より先鋭的で、全く新しいラグジュアリーカー。それが新型7シリーズです。なので、もしかしたら日本で成功している若い世代にも、魅力を感じてもらえるかもしれないですね」というのがワーミングさんの見立てだ。
日本で成功している若者世代に刺さるクルマとは一体?
どこが進化した? BMWのグローバルデザインヘッドが解説
ワーミングさんがデザインする上で重視したのは、ラグジュアリーの新しい表現を考えることだったという。
「BMWでは2つの要素を組み合わせることが重要であると考えました。要素のひとつはドライバーにとって完璧なクルマであること。もうひとつはエレガンスです。そのためには、非常にダイナミックな形状であると同時に、エレガントでなければいけません。つまり、デュアルパーフェクション(2つの完璧さ)があるクルマでなければならないのです」(以下、カッコ内はワーミングさん)
エクステリアは新たなデザイン言語に独自の解釈を加えてデザインしている。ポイントのひとつに挙げたのがキドニー・グリルだ。
「フロントエンドの設計には垂直性をもたせました。見ていただくとわかる通り、高さのあるキドニー・グリルにすることで、縦の印象を強調した、非常に堂々としたデザインになっています。これが3シリーズと異なるところです。3シリーズのキドニー・グリルは設計的に、(高さが)より低くなっていますよね?」
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外装色はカラーとカラーコンビネーションを組み合わせることで500パターン以上を実現。メタリックとマット塗装を組み合わせた「BMW インディビジュアル・デュアル・フィニッシュ」も選択可能だ(写真はルーフ部がタンザナイトブルーメタリック、ボンネットより下部はフローズンタンザナイトブルー)
ラグジュアリーな雰囲気にあふれるインテリアでワーミングさんが特に気に入っている部分は、「BMW パノラミック iDrive」と「BMW パッセンジャー・スクリーン」だ。
「新型i7ではパノラミックビジョンを導入していますが、このクルマにとって非常に大きな変化です。インストゥルメントパネルからは既存のテクノロジーを全て取り払い、新しいテクノロジーを導入しました。また、助手席専用のディスプレイ『BMW パッセンジャー・スクリーン』も非常に重要な要素で、助手席の前には常にディスプレイがある状態になっています。これらはノイエ・クラッセの一例ですが、全てが最新のテクノロジーです。それがこのクルマには詰まっています」
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ノイエ・クラッセで初導入となる次世代インターフェイス「BMW パノラミック iDrive」。運転に必要な情報は、フロントガラス下部のパノラマビューに集約して表示する。ドライバーの集中力をそぐ可能性のある機能的な要素は最小限に抑えた
「ビジネスリーダーにとって、車内で過ごす時間は貴重な、自分だけの時間です。そんなひと時を過ごす車内空間は、カシミヤウールやメリノレザーといった最高級の素材によってさらに引き立てられています。これ以上のものはありません。ラグジュアリークラスでは、照明も非常に重要です。『アンビエントライト』はドアからドアまでを包み込み、車内に座ると居心地の良い雰囲気です。特に、リアに配した独自のハローライトは、まるでラウンジのような繊細な雰囲気を演出します。その結果、非常にプライベートな空間が生まれます。まさに移動式の隠れ家と呼ぶべきでしょう」
日本導入はいつごろ?
本国ドイツでは2026年7月の生産開始、市場投入を予定する新型7シリーズ。日本導入の時期、スペック、価格は? BMW ブランド・マネジメント・ディビジョン プロダクト・マーケティング プロダクト・マネージャーのケビン・プリュボさんに聞いてみたところ、「スペックや価格については、現時点では決まっていませんので、詳細が決まり次第、改めてお知らせします。発売時期は現段階で今年の秋頃を予定しています」とのことだった。
欧州仕様ではEV、プラグインハイブリッド(PHEV)、内燃機関(ガソリン、ディーゼル)を用意しているそうだが、日本仕様がどうなるかは教えてもらえなかった。
日本初公開となった新型「i7」はEVで、駆動用バッテリーの容量は112.5kWh。フル充電での航続距離は700kmを超える。急速充電にも対応しており、バッテリー残量10%から80%までの充電は約28分で完了するとのことだ。
















































