韓国の自動車メーカー「キア」(起亜、Kia Corporation)がバンタイプの電気自動車(EV)「PV5」を引っ提げて日本市場に参入した。PV5の乗用車タイプは679万円~、商用車タイプは619万円~だ。日本で知名度が高いとはいえないキアだが、勝算は?
初年度1,000台の販売目標は野心的?
キアは80年以上の歴史を持つ韓国の企業で、最初は自転車を作っていたという。今はヒョンデ(現代自動車)の傘下に入っていて、年間300万台以上のクルマを販売している。どのくらいの規模感かというと、例えば、日産自動車の2025年度通期のグローバル販売台数が315万台だ。
日本ではクルマが買えないからかキアの知名度は低いが、例えば米国では商品も名前もかなり売れている様子。MLBの中継を見ていると、球場でキアの広告をよく見かける。
キアは今回、双日と組んで日本市場への参入を果たした。双日の100%子会社「Kia PBV ジャパン」を通じ、「PV5」というEVバンを販売する。5月15日には日本のディーラー第1号店「Kia PBV 東京西」(東京都西東京市)が営業開始。今後はディーラー網を7店舗に広げる。
2026年度の目標は日本で1,000台のクルマを販売すること。新規参入かつEVと考えると野心的な数字に思えるが、「Kia PBV 東京西」で取材したKia PBV ジャパンのスタッフによれば、現時点で入っている問い合わせの数などを考え合わせると達成不可能な目標ではない、とのことだった。
実用的なEVミニバンは希少な選択肢?
PV5には乗用車の「PV5パッセンジャー」と商用車の「PV5カーゴ」がある。どちらかといえばカーゴの方が多く売れそう、というのがKia PBV ジャパン 田島靖也社長の見立てだ。
PV5の乗用車タイプはEVのミニバンだと考えればいい。まずは2列シート5人乗りを売り出すが、今年度中には3列シート7人乗りも導入するそうだ。バッテリー容量は71.2kWhで、一充電走行距離(フル充電で走れる距離)は521kmと公称している。Kia PBVのHPを見ると、バッテリー容量が小さいバージョンも販売する予定のようだ。
ミニバン大国の日本だがEVの選択肢は意外に少なく、現状ではフォルクスワーゲン「ID.Buzz」くらいしかライバルがいない状況。しかもID.Buzzは、PV5パッセンジャーよりも大きいし高い。実用的でファミリーカーとして使えるEVミニバンという条件で探すと、PV5パッセンジャーはけっこう有力な選択肢になる。
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「PV5パッセンジャー」のボディサイズは全長4,695mm、全幅1,895mm、全高1,925mm、ホイールベースは2,995mm。全長はトヨタ自動車「ハイエース」(長さが標準のタイプ)くらいだ。価格は679万円~で、CEV補助金は申請中とのこと
実際、キアのクルマが日本で売れるかどうかについては、「知名度」と「イメージ」(キアがどうこうというわけではなく、一般的な話として)の問題があってなかなか見通せないが、EVミニバンが日本で希少かつ貴重な存在であることは間違いない。
知名度向上については有名なタレントさんを起用して広告を展開するアイデアもあったそうだが(ちなみに、中国のBYDは広告に俳優の長澤まさみさんを起用している)、まずは「色を付けずに」(Kia PBV ジャパンスタッフの言葉)売り出して、多くの人に試乗してもらい、キャンピンカーのベース車両として使ってもらうなどして知名度を上げていきたい、とのことだった。













































