旧車の王様といえば日産自動車の「スカイライン2000GT-R」、通称「ハコスカGT-R」であることは、ほぼ異論のないところだろう。「オートモービルカウンシル2026」の会場でオリジナル度満点の車両を見ながら、伝説の名車について振り返ってみた。
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高純度なハコスカGT-Rの正体は?
スカイライン2000GT-Rの初代モデルといえば、おとなしい4ドアセダンのボディにレースエンジンをデチューンした強力な直列6気筒「S20型エンジン」を搭載した1969年の「PGC10型」だ。その出自から「羊の皮を被った狼」と呼ばれたことは、クルマ好きなら誰でも知っている。
1970年にはシリーズのマイナーチェンジに伴って、ホイールベースを70mm短縮したハードトップの2ドアクーペが誕生。GT-Rのボディもそちらに移行した。「KPGC10型」と呼ばれた同モデルをオートモビルカウンシル2026で展示していたのは、ヴィンテージ宮田自動車だ。
KPGC10型はホイールアーチにFRP製のホイールアーチを追加したり、フロントグリルのデザインを変更したりしたほか、クーペボディとしたことで空気抵抗が減少。ショートホイールベース化はボディ剛性の低下を防ぐためであり、さらには運動性能アップという目的も果たすことができた。
ガラスをスタンダードタイプにしたり、リアデフォッガーをなくしたり、ホイールキャップなしとしたりするなど、軽量化を徹底。インテリアは極限までシンプルにし、リクライニングなしの合皮バケットシートを採用、ラジオやアンテナをオプションにするなど、スパルタンな仕様となっていた。
フロントに搭載するS20型2.0L直列6気筒DOHC24バルブエンジンは、レーシングカーの「プリンスR380」用をデチューンしたもので、最高出力160PS(グロス)を発生する。5速MTを介して1,100kgのボディを200km/hオーバーまで引っ張った。
その戦闘力からレースでも活躍。1969年の公式戦(JAFグランプリ)以来の連戦連勝で、1972年までに通算52勝という日本モータースポーツ史に輝く戦績を残している。49勝目までは連勝を重ねたが、残念ながら、50連勝を達成すべく出場した1971年12月の「富士ツーリストトロフィレース」において、当時最大のライバルだったマツダ「サバンナRX-3」に敗れて記録がストップしたのは、今でも語り草だ。
ヴィンテージ宮田自動車のブースに展示されていたのは、そんなハコスカGT-R(KPGC10型)のオリジナル度を最高の状態まで再現した1971年製の個体。シルバーボディの内外装やエンジンルームはため息が出るほどの仕上がりだ。S20型エンジンのヘッドには「1・5・3・6・2・4」の点火順を示す数字がはっきりと刻まれていた。国外販売不可で価格は3,800万円。その価値十分なクルマだ。
そのお隣には、GT-Rの50連勝を阻んだ黄色いボディのサバンナRX-3が。いったい、どんな因縁なのか……。その詳細は別項で紹介する。



















