「タイカン」はポルシェの電気自動車(EV)だ。今回は、その中でも最上位グレードに位置する「タイカン ターボGT」に試乗した。ガソリンエンジンによる走りを極めてきたポルシェが手掛けた最上級EVは、どんなクルマなのか。どれほどの走りを見せてくれるのか!
紫のタイカン ターボGTは、この世のものとは思えない存在感を放っていた…ほかの写真はこちら
馬力は驚異の1,034PS!
ポルシェのEV「タイカン」はスポーツセダンとクロスツーリスモの2タイプ。全部で14ものグレードがある(2026年2月時点)。その中でも、試乗したターボGTは最上位グレードだ。価格で比べると、普通のセダンのタイカンが1,453万円、ターボGTが3,144万円で倍以上する。
まずはタイカン ターボGTのスペックを確認しておこう。最高出力は1,034PS、最大トルクは1,240Nm(ともにローンチコントロール時オーバーブースト出力)で、最高速度は290km/hに達する。0-100km/h加速は2.3秒を実現。ひとつ下のグレードである「タイカン ターボS」と比べても、最高出力で82PS、最大トルクで130Nmも高く、最高速度は30km/hも速い。
総容量105kWhのリチウムイオン電池は、電池化学によって最適化した33個のモジュールバッテリーで構成。エネルギー密度が高く、航続距離の延伸にも寄与したそうだ。航続距離はWLTPモードで555kmとのこと。
フロントにはエアロブレードを装着し、エアロダイナミクスを追求。コーナリング時のコントロール性能が向上している。
リアでは、大振りだが調和の取れたガーニーフラップが印象的。空力特性を最適化する追加のリップスポイラーを設置することで、見た目はスタイリッシュな仕上がりだ。
4ドアサルーン「パナメーラ」よりも車高を低くしたような伸びやかなスタイリングで、ポルシェらしい顔つきや、前から後方に向かって流れるような造形はEVになっても健在。ボディカラーは見る角度によっては赤にも見える「パープルスカイ メタリック」で、夜の繁華街に映えるネオンのようで個性的だが、最新EVにはピッタリのカラーになっている。
平和な日本の公道で「アタックモード」は楽しめるのか
ドアを開けた瞬間に目に入るのが、座面の左右が張り出したカーボンバケットシートだ。低くて硬いので乗り降りこそしにくいが、座ったときのホールド感は抜群。座り心地としてもかなり硬いのだが、走り出してみると、路面からの突き上げは驚くほど少なく、快適な乗り心地へと変わるから不思議だ。
肝心の走りはというと、アクセルを軽く踏み込んだだけで、想像の遥か上を行く加速力が待ち受けている。アクセルペダルに乗せた足を少し動かしただけで、カラダがバケットシートに強く押し付けられる。
これまでいくつものEVに乗ってきたが、その中でもタイカン ターボGTの加速力は群を抜いている。極限の加速力を試したいという欲望はあったものの、瞬発力がすごすぎてベタ踏みはできなかった。それでも、一瞬で100km/hまで到達するわけだから、速度超過には充分に注意する必要がある。
ハンドル右下にあるボタンを押すと、10秒間のカウントダウンが始まる。出力120kWアップの「アタックモード」が発動したのだ。
試乗中に何度も起動してみたが、アタックモードを使わなくても充分に速いため、日本の高速道路で試乗しただけでは、その違いをしっかりと体感するわけにはいかなかった。ただ、アタックモードを発動するたびに響き渡るエンジン音を模したサウンドには、何度でも聞いてみたくなる中毒性があった。
贅沢すぎるかもしれないが、セカンドカーとしてオススメしたい
タイカン ターボGTは単に速いだけのEVではない。かなり使い勝手がいい点も強調しておきたい。後席は身長約180cmの筆者でも窮屈さはあまりないし(長時間のドライブでは疲れそうだが)、ラゲッジスペースはフロントに81L、リアに326Lもある。大人4人で1泊程度のドライブなら、まったく問題ない。
3,144万円(試乗車はオプション込みで4,115万円)なので日常使いするには高価だが、ポルシェという歴史的なブランドの最新技術を盛り込んだハイパフォーマンスEVがこの価格で買えるとなれば、検討の余地はあるかもしれない。
走りはかなりスパルタンなので、普段使いのクルマというよりは、楽しんで走るためのセカンドカーとして選ぶことをオススメしたい。

























































