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PHEV日中比較! BYD「シーライオン6」とトヨタ「クラウン エステート」

FEB. 05, 2026 08:00
Text : 室井大和
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プラグインハイブリッド車(PHEV)は今後、自動車業界で一定の存在感を獲得しそうなクルマだが、今のところはそこまで選択肢が多くない。買うならじっくり比較したいところだ。今回は中国・BYDからの刺客「シーライオン6」と日本代表・トヨタ自動車の「クラウン エステート」を比べてみることにした。

  • BYD「シーライオン6」

    BYDのPHEVは日本市場として初導入となる

サイズや取り回しはどう違う?

BYDはこれまで「ドルフィン」「ATTO3」「シール」「シーライオン7」を日本市場に投入してきたが、いずれも電気自動車(BEV)だった。新たに発売した「シーライオン6」は、日本初のBYD製PHEVとなる。同社はこれまで、世界90カ国以上でPHEVを販売してきた実績がある。ついに日本でも、BYDのPHEVがデビューしたわけだ。

シーライオン6と似たサイズ感のPHEVとなると、例えばトヨタ「ハリアー」や三菱自動車工業「アウトランダーPHEV」などがある。トヨタでいえば、「クラウン スポーツ」や「クラウン エステート」にもPHEVがあって、意外なことにシーライオン6ともサイズ感は近い。今回は、いずれも試乗したことがあるシーライオン6とクラウン エステートのPHEVを比べてみる。

まず、シーライオン6とクラウン エステート(PHEV)のサイズと車重、最小回転半径を比較してみよう。

  • BYD「シーライオン6」

    「シーライオン6」(前輪駆動)は全長4,775mm、全幅1,890mm、全高1,670mm、ホイールベース2,765mm、車重1,940kg、最小回転半径5.55m

シーライオン6のほかの写真はこちら

  • トヨタ「クラウン エステート」

    「クラウン エステート」(4WDのESTATE RSというグレード)は全長4,930mm、全幅1,880mm、全高1,625mm、ホイールベース2,850mm、車重2,080kg、最小回転半径5.5m

クラウン エステートのほかの写真はこちら

こうして比較すると、クラウン エステートの方が全長、ホイールベースは長いが、全高、全幅はほぼ互角だ。デザインの大きな違いはシーライオン6が丸みを帯びているのに対し、クラウン エステートはやや直線的で伸びやか。最小回転半径はほぼ同じで、取り回しのしやすさも同等といえる。

乗車したときの違いでいえば、シーライオン6の方がアイポジションが高く、前方の視界は広いと感じた。クラウン エステートはセダンやステーションワゴンに近い視界といえばいいだろうか。

  • BYD「シーライオン6」
  • トヨタ「クラウン エステート」

数値だけではわからない?

パワートレインについても比較してみよう。

シーライオン6が搭載するモーターは最高出力197PS、最大トルク300Nmを発揮する。そこに最高出力98PS、最大トルク122Nmの1,498cc 直列4気筒エンジンを組み合わせる。EV走行換算距離(バッテリーに充電した電気だけで走れる距離)は100km。

クラウン エステートが搭載するモーターは、フロントとリアを合わせて最高出力236PS、最大トルク391Nmを発揮。そこに最高出力177PS、最大トルク219Nmの2,500cc 直列4気筒エンジンを組み合わせる。EV走行換算距離は89km。

  • BYD「シーライオン6」

    シーライオン6の車内はかなり質感が高い。15.6インチの改良型マルチタッチスクリーンは視認性が良く、タッチ操作のレスポンスも素早くて操作性は抜群だ

  • トヨタ「クラウン エステート」

    車内の質感を比べると、「クラウン エステート」の方が一段上か。ナビのモニターはこうして比較すると小さく感じるが、不足はない

パワートレインを数値で比べると、クラウン エステートの方がハイパワーだ。

ただし、ガソリンエンジンを使わずモーター駆動のみで加速感などを比較すると、そこまで大きな差は感じない。数値的に劣るシーライオン6が速くないのかといえば決してそんなことはないし、アクセルを踏み込めば、ガソリンエンジンでは得られない圧倒的な瞬発力を体験できる。厳密に比較すれば違うのかもしれないが、シーライオン6でも充分に満足できる走行性能を有していた。

安全装備は両車とも充実?

近年のクルマでは欠かすことができない安全性能に関する装備についても比較してみる。

シーライオン6は、3つのミリ波レーダーと1つの高解像度カメラを搭載する「3R1V ADAS」を全車で標準装備している。これによって、前方の車両や歩行者を高度に検知し、衝突の可能性がある場合は自動で緊急ブレーキを作動させることができるほか、アダプティブクルーズコントロール作動中にカーブの速度を調整する機能なども付いている。

対するクラウン エステートも、単眼カメラとミリ波レーダーによる衝突回避支援機能「トヨタセーフティセンス」を全車標準装備だ。さらに、歩行者の飛び出しなどのリスクを先読みし、減速や回避に必要な操作をサポートする「プロアクティブドライビングアシスト」(PDA)なども装備する。

  • BYD「シーライオン6」

    「シーライオン6」はブラックの19インチホイールがボディ全体を引き締めている。フロント周りの複雑な造形はスポーティーな雰囲気だ

  • トヨタ「クラウン エステート」

    「クラウン エステート」は従来のクラウンにはない近未来的な顔つき。フロントのデザインだけでいえば「シーライオン6」の方が好みだ

細かい違いはあるが、両モデルとも高速走行時のレーンキープアシストや駐車時の支援システムなど、安全装備は充実している。

そのほかの装備でいえば、シートの座り心地は両モデル共に良好だった。シートヒーターはもちろん、シートベンチレーションも付いているので快適性は抜群だ。

  • BYD「シーライオン6」

    BYD「シーライオン6」のシート

  • トヨタ「クラウン エステート」

    トヨタ「クラウン エステート」のシート

細かい部分だが、センターコンソールも比較しておきたい。

シーライオン6には、スマホ2台を同時にワイヤレスで充電できるスペースがある。このスペース、スマホを充電していなくても、長財布を置いたり、ちょっとした小物スペースとして使ったりと、間口が広く使い勝手がいい。

クラウン エステートのセンターコンソールも同じように収納スペースは充実しているが、スマホの充電スペースは1台のみとなる。ただ、走行モードなどのスイッチの押し心地はどちらもしっかりとした押し込み感があり、操作性は悪くない。

  • BYD「シーライオン6」

    BYD「シーライオン6」

  • トヨタ「クラウン エステート」

    トヨタ「クラウン エステート」

両モデルの圧倒的な違いとは?

個人的に、試乗した印象として圧倒的な違いを感じたうちのひとつが、ラゲッジスペースだ。

シーライオン6は容量425L(通常時)のラゲッジスペースを確保。後席を倒してフルフラットにすれば、1,440Lの広大な荷室空間が出現する。もちろん、これだけあれば十分ではある。

  • BYD「シーライオン6」

    「シーライオン6」のラゲッジスペースは必要十分。ただ、地面から開口部までが高く、重い荷物の積み下ろしはちょっと大変かも

一方のクラウン エステートは、荷室容量が570L(通常時)と広大。フルフラットにすると、通常時で1,430mmの奥行きを2,000mm(容量1,470L)まで拡張できる。全長が長い分、当然といえば当然なのだが、クラウン エステートの荷室は特筆すべきポイントだ。

後席を倒したシーライオン6の荷室で足を伸ばして横になることはできなかったが、クラウン エステートなら余裕で車中泊ができるのはありがたい。ラゲッジスペースで役立つデッキチェアやデッキテーブルも、クラウン エステートのPHEVなら標準装備なところもうれしい。

レジャーシーンだけでなく、災害時などにクルマでの避難を余儀なくされても、車中泊しやすいのはメリットだ。

  • トヨタ「クラウン エステート」

    フルフラットにした「クラウン エステート」のラゲッジスペースはミニバン並に広い

ただ、シーライオン6にも圧倒的な優位性がある。それは価格だ。クラウン エステート(4WD)が810万円であるのに対し、シーライオン6は2WDで398.2万円、4WDでも448.4万円。4WD同士で比べても価格差は361.6万円で、実に2倍近い開きがある。

同じPHEVとはいってもキャラが全く違うし、一方は日本では新顔、もう一方には“クラウン”という長い歴史に裏打ちされたブランド力とステータスがある。

ただ、クルマを購入するにあたって、重視すべきはデザイン、性能、使い勝手だと思う。その上で、世界的な物価高騰などを考慮し、自分に最も合っているモデルを選ぶのが最適解だろう。

今回の2モデルはどちらを買っても大正解だが、2倍近くの価格差を考えると、シーライオン6の満足度はかなり高い。あとは実際に試乗してどう感じるか、そこにかかっている。

【フォトギャラリー】シーライオン6

【フォトギャラリー】クラウン エステート


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