ホンダが新たなヘリテージサービス「Honda Heritage Works」を2026年4月に開始する。まずは初代「NSX」を対象にレストアサービスを実施する予定だ。ホンダがレストアするとNSXはどう生まれ変わるのか。実物を見ながら担当者に話を聞いた。
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基本レストアは1,155万円から
「Honda Heritage Works」は、販売終了となった一部の純正部品を復刻して新たに供給する「Honda Heritage Parts」(ホンダ ヘリテージ パーツ)と、その部品を一部に活用した新たなレストアサービス「Honda Restoration Service」(ホンダ レストレーション サービス)の二本立て。いずれも初代NSX(NA1-100型)を対象にサービスを開始し、将来的には他の旧型スポーツタイプの車種にも対象を広げていく予定だ。NSXのレストアはすでに受け付けを開始している。
メニューは「基本レストア」が1,155万円から。そこにオプションとして「外装レストア」(660万円から)、「内装レストア」(374万円から)が追加できる。各メニューの内容は以下の通り。
基本レストア:車体からエンジンを降ろしての各部部品の交換、清掃、内部点検、サスペンション関連部品の交換、ドア等の各開口部関連の経年劣化する部品の交換、調整
外装レストア:ホワイトボディ―状態に分解した上で全塗装
内装レストア:シート、インパネ、ドアライニング、操作系の表皮張替
ホンダでは、「当時のHondaが創り上げたドライビングフィールを徹底的に追及する」をコンセプトに、1993年から初代NSXを対象とする「NSXリフレッシュプラン」を実施してきたが、同サービスを「Honda Restoration Service」として一新する。
「東京オートサロン2026」の会場では、ホンダがレストアを実施したNSXの実物を見つつ、担当者に話を聞くことができた。
儲けるよりも大切なこと
――どんなレストアサービス何ですか?
ホンダ担当者:NSXを長く使ってもらえるように、復刻部品などを使ってレストアを実施します。必要な復刻部品を改めて、しっかりと洗い出して、サプライヤーさんにも協力を仰ぎながら、本格的にやっていきます。
――復刻部品って、当時のサプライヤーさんに、もう一回作ってもらうんですか?
ホンダ担当者:基本的には、純正部品のサプライヤーさんに再生産を相談します。金型がもうない、ということであれば、もう一度作っていただけないか、違う手法でできないかなどについて相談したり、あるいは別の調達方法を検討したりします。
――部品を3Dプリンタで作ったりはできない?
ホンダ担当者:それもひとつの手法ですが、品質とのバランスが大事になってきます。
――レストアの対象になり得るNSXって、保有台数といいますか、今はどのくらいの台数があるんですか?
ホンダ担当者:国内だと、5,000台以上は残存しています。
――こちらの展示車両はホンダさんが実際にレストアしたんですか?
ホンダ担当者:そうです。レストアのプロトタイプで、外装も変更しました。
――こういうクオリティで仕上げられるという象徴的な車両なんですね。なるほど。
部品を復刻する、という話ですが、初代NSXであれば残存する個体が5,000台以上あるとのことなので、注文がたくさん入りそうな気がしますが、クルマによっては、部品を復刻してもレストアの注文があまり入らない、という事態にもなりかねないので、大変ですね。
ホンダ担当者:そういう意味では、レストア事業と並行して、部品販売の事業も考えています。
――年に何台くらいレストアできるものですか?
ホンダ担当者:これは、中身によりますね。1台につき半年以上かかる場合もあります。
――レストア事業には、何人くらいの方が携わるんですか?
ホンダ担当者:それは、精鋭と言いますか……。
――少数精鋭で?
ホンダ担当者:少数、と言えるかどうかはわからないですけどね。
――この「Honda Heritage Works」はビジネス的な視点での取り組みですか、それとも、ヘリテージを大事にするという視点で、事業としては「トントンでもいい」というような取り組みですか?
ホンダ担当者:我々はビジネスとしてやっているので、事業性を考えてはいますが、ただ、部品販売もレストアもそうなんですけど、「これでべらぼうに儲けよう」というよりは、お客様に長く使っていただけるようにという思いでプロジェクトを始めています。
――ホンダとしても、思い入れのあるクルマでしょうしね。
ホンダ担当者:もちろんです。
――初代NSXに乗っている人には、大事に長く乗ってもらいたいし、クルマがずっと残っていってほしいと。
ホンダ担当者:そうですそうです。初代NSXの残存率が高いのは、皆さんが大事に乗ってくれているからです。だから、部品に困るようになってくる。そこをホンダとしても本格的にサポートしたいと思っています。
――海外からも注文が入りそうですね。
ホンダ担当者:そうですね。アキュラブランドでNSXが出ていますし。
――日本から出ていった個体もありそうです。
ホンダ担当者:北米はどうするか、そこも検討していきます。


















