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ロッテリア消滅で何が変わったのか - 全店転換後に見えた、ゼンショー傘下の“意外な強み”とは

Updated FEB. 02, 2026 09:25
Text : 松原好秀
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「ロッテリア、54年の歴史に幕」「国内全店を閉店」「ゼッテリアへ転換」といった報道があって、驚きや悲しみの声にあふれる2026年1月の終わりですが、実は、筆者は3年前からこの動きを"予知"していました。

「すき家」でおなじみの「ゼンショーホールディングス」がロッテリアを買収すると発表されたのが2023年2月16日。既存のロッテリアを改装した「ゼッテリア 田町芝浦店」が同年9月20日にオープンして、これがゼッテリアの第1号店です。以来、「ロッテリアからゼッテリアへ」と置き換わる動きが全国各地で起きました。

  • 数寄屋橋交差点の一角にあり、長らくシンボリックな存在だった「ロッテリア 銀座クリスタルビル店」は、「ゼッテリア 銀座数寄屋橋店」に変わった

    「ゼッテリア 銀座数寄屋橋店」

その様子を筆者はじっと見守っていたのですが、昨年25年3月に「ロッテリア 銀座クリスタルビル店」が「ゼッテリア 銀座数寄屋橋店」へ変わった時には、さすがに思うものがありました。数寄屋橋交差点の一角にあって、長らくシンボリックな存在のロッテリアでしたので。

そしてついにロッテリアというブランドそのものが3月末までになくなるとの報道……やはり淋しいですね。

定番メニューや独自メニューはゼッテリア転換でどうなる?

ロッテリアからゼッテリアへの大転換の中、人気メニューの行方は当然、気になるところです。大好きだったあのバーガーは一体……。まずは「絶品チーズバーガー」から見てみましょう。

  • 2016年撮影のロッテリア「絶品チーズバーガー」(当時380円)と、2026年現在のゼッテリア「ダブル絶品チーズバーガー」(890円)

    2016年撮影のロッテリア「絶品チーズバーガー」(当時380円)と、2026年現在のゼッテリア「ダブル絶品チーズバーガー」(890円)

2007年、突如"彗星"の如くバーガー界に現れたフレンチシェフ・嶋原博氏が開発した「絶品チーズバーガー」は、パティとバンズとチーズだけからなる、生野菜なしの実にシンプルなバーガーでした。「スマッシュバーガー」と呼ばれる、よく似た傾向のシンプルなバーガーが昨今大流行していることを考えると、「時代の先を行くバーガーだったな」と、今にして強く思います。

  • 当時の販促資料。開発当初の「絶品」は、9mm挽きの牛モモ肉・肩肉に豚の背脂を加えた80gパティに、手丸め工程を採用した酒種バンズ、熟成期間4~10ヶ月のスイス産グリュイエールとNZ産レッドチェダーの2種類のナチュラルチーズを使用。エビバーガーに続く"第2"の看板商品としてみごと定着した

その後、幾度かの改良を経た現在最新の絶品チーズバーガーは、生野菜が加わり、バーガーソース、チーズソース、オーロラソースの"トリプルソース"が華麗にかかった、味わい豊かでジューシーなバーガーに仕上がっています。当初の「トンガッタ」ものとはだいぶキャラの違うバーガーに進化しているようですが、果たしてこの先は……。

  • 2020年撮影のロッテリア「エビバーガー」(当時374円)。1977年発売以来、売り上げ1位を長らく続けた、ロッテリアの大看板商品

    2020年撮影のロッテリア「エビバーガー」(当時374円)。1977年発売以来、売り上げ1位を長らく続けた、ロッテリアの大看板商品

「絶品」が登場するまで、ロッテリアと言えば「エビバーガー」が代名詞でした。剥き身のエビがそのまま入った"エビパティ"に千切りキャベツと特製タルタルソースを合わせた、ロッテリアを代表する一品ですが、ゼッテリアでは「えびバーガー」と表記が変わり、さらにサウザンソースが加わって、一層にぎやかな内容で続いている模様です。

「半熟タマてりバーガー」もロッテリアの伝統芸。今でこそ「半熟風たまご」(たまご加工品)を使ったバーガーが、秋の月見の季節に各社から多数販売されていますが、ロッテリアでは、独自製法による"半熟タマゴ"のバーガーを他社に先駆けて2005年から売り出していました。この伝統の"半熟"はどうなる……。

  • 2026年現在のロッテリア「リブサンド ポーク」(540円)。1984年発売。創業40周年を記念して開催された"ハンバーガー選挙"で1位に輝き、2012年に期間限定で復活。2020年からレギュラーメニューとして販売されている

    2026年現在のロッテリア「リブサンド ポーク」(540円)。1984年発売。創業40周年を記念して開催された"ハンバーガー選挙"で1位に輝き、2012年に期間限定で復活。2020年からレギュラーメニューとして販売されている

ロッテリアならではのユニークなメニューが「リブサンド」です。リブ(あばら肉)に見立てたポークパティをソフトフランスパンに挟み、BBQソース、ハニーマスタード、粗挽きコショウで派手に味付けした"傑作"ですが、今のところ、ゼッテリアには継承されていない模様……。

あとは、ロッテリアと言えば「シェーキ」ですね。「100円シェーキ」のセールをたびたびやっていましたが、お菓子メーカーのグループである強みを活かして、ロッテ「ガーナチョコレート」を使ったシェーキとか、「パイの実」を乗せたシェーキとか、「コアラのマーチシェーキ」とか、そうした「駄菓子屋」的な楽しさもロッテリアの魅力のひとつでした。ロッテのグループを離れたことで、その辺りの要素はどうなっていくのか……。

バーキン、フレッシュネスに先駆けた全国制覇も目前

  • まだ多く残っているのは、愛知県と大阪府の10店、北海道と東京都の7店、福岡県の6店の辺り

    まだ多く残っているのは、愛知県と大阪府の10店、北海道と東京都の7店、福岡県の6店の辺り

そんな去りゆくロッテリアの、現在の店舗数を見ておきましょう。26年1月23日現在、22都道府県に「79店」が残っています。買収の発表があった直前の、23年1月1日時点の店舗数は「358店」だったので、2割程度にまで減少しました。

一方、1月23日現在のゼッテリアは、オープン予定の店も入れて「186店」。多くの店がロッテリアから転換したものです。ここで注目は店舗数「0」の県。全部で8県ありますが、ゼッテリアはこの空白の県をすべて埋めて、47都道府県全県に店を出すのでは――と、筆者は読んでいます。

  • 2026年1月23日時点での全国のゼッテリアの店舗数

    2026年1月23日時点での全国のゼッテリアの店舗数

他の店舗からポツンと離れて1軒だけ店があるような出店の仕方は、食材や資材などの配送コストの面から一般的に"非効率"とされていますが、ゼッテリアの場合、ゼンショーグループの牛丼チェーン「すき家」が既に全国に展開しているので、そうしたグループの物流網を活かせば、ポツンと1軒だけの出店も難しくはないでしょう。

国内336店の「バーガーキング」が"ない県"は14県、国内156店の「フレッシュネスバーガー」が"ない県"は21県。それら競合チェーンより、目下186店のゼッテリアの方が47都道府県全県出店の道は近いように思えます。もしそうなれば、ゼッテリアの認知度は上がるでしょう。

  • 上記8県のうち、奈良県・岡山県・沖縄県には計8店のロッテリアがあるので、残り5県=福井県・長野県・鳥取県・島根県・高知県に出店すれば、ゼッテリアの全国制覇は達成される

    上記8県のうち、奈良県・岡山県・沖縄県には計8店のロッテリアがあるので、残り5県=福井県・長野県・鳥取県・島根県・高知県に出店すれば、ゼッテリアの全国制覇は達成される

問題は、ゼッテリアがどんなポジションのハンバーガー店であるか――です。

ハンバーガーを扱う店が増えて、その質も技術も格段に高まっている今日、ハッキリとわかりやすい特徴・特色がゼッテリアには求められます。果たしてゼッテリアはどんな店を目指し、どこへ向かおうとしているのか。

その答えは、これまで見て来た「絶品チーズバーガー」や「えびバーガー」の中に表れている、かも知れません。よく味わって下さい。よく確かめて下さい。ゼッテリアの今後が知りたければ……すべてはハンバーガーの中に!


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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