フォルクスワーゲン(VW)が電気自動車(EV)の「GTI」を準備中だ。その名も「IDポロGTI」で、本国ドイツでは2026年中に発売予定だという。「東京オートサロン2026」でコンセプトカーを見ながら話を聞いてきた。
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電気のホットハッチに期待大!
写真はVWが東京オートサロン2026に参考出展した「ID. GTI Concept」というコンセプトカーだ。今回が日本初公開となる。
フォルクスワーゲンではEVの車名に「ID」を付けるのが通例になっている。日本で売っているモデルでいうと、「ID.4」「ID.Buzz」もその例に則ったクルマたちだ。
これまでVWでは、コンパクトなEVとして「ID.2all」というモデルを開発中だと発表していたが、このクルマ、「IDポロ」という車名で発売することになったそうだ。「ポロ」はVWの小型車としてなじみのある名前。ポロのサイズ感、乗りやすさを持つEVが「IDポロ」だと考えればわかりやすい。ちなみに、正式な車名は「ID. Polo」でIDとポロの間にドットが入る。
IDポロはドイツで2026年中に発売予定。その高性能バージョンとして登場するのが、「IDポロGTI」というクルマだ。こちらも2026年中の発売を予定しているという。
「フォルクスワーゲンは内燃エンジンの『走る楽しさ』と電気自動車の『サステナビリティ』を2本柱に掲げています。それらをコンバインして体現するのがIDポロGTIです」。こう語るのは、東京オートサロン2026の会場で話を聞いたフォルクスワーゲン グループ ジャパンの担当者だ。今年で50周年を迎える「GTI」の称号は「VWのアイコン」であり、IDポロGTIは「ファントゥドライブを電気でも楽しめること」を体現したクルマになる、とのことだった。
IDポロからIDポロGTIになると、具体的にどう変わるのか。担当者は「数値はまだ出ていないのですが」としつつ、「パワーがアップする」「フロントにデファレンシャルロック、トルク配分を変える機構が付く」「DCC(アダプティブ・シャシー・コントロール)が付く予定」といった情報を教えてくれた。
VWのIDシリーズはこれまで、リア駆動のクルマばかりだったが、IDポロはフロント駆動になる。さらにIDポロGTIには、前輪の左右でトルク配分ができるシステム(トルクスプリッターと呼ばれる機能だという)を装着するそうだ。速くて回答性がよく、キビキビ曲がって、さらにはアンダーステアやオーバーステアが出にくく、思い通りのラインで曲がれるクルマになりそうな予感がする。
EVで面白いクルマは作れる?
「EVは面白くないでしょ」というクルマ好きの意見も耳にするので、「電気のポロGTIって、面白いクルマになるんですか?」と率直に聞いてみた。担当者の回答は以下の通りだ。
「すごく面白いクルマになるはずです。MEB(VWのEV専用プラットフォーム)の開発者は、『IDポロGTIの1台目は自分で買う!』といっているくらいです。スポーツ走行とEVは相性がよくて、踏んだ瞬間から出るトルクの力強さ、リニアなアクセルコントロール、思い通りの操縦性などが特徴になります。ファントゥドライブに特化したIDポロGTIは、EVの新しい価値を提案できるクルマになると思います。それと、VWにとってGTIはすごく大事なブランドですから、『変なクルマ』を作るわけがないともいえます」
日本でもGTIはなじみ深いブランドで、クルマ好きの間ではIDポロGTIの上陸を待ちたいとの声もありそうだが、日本導入の予定はあるのだろうか。そのあたりについて担当者は、「ドイツではIDクロス、IDエブリワンといったEVも発売予定になっています。どのクルマが日本市場に合うかを検討して、早いタイミングで導入モデルを決めたいと考えています」と話していた。
とはいえ、これは個人的な印象に過ぎないのだが、IDポロとIDポロGTIについては、ぜひとも日本に持ってきたいというような雰囲気が伝わってきた。わざわざコンセプトモデルを日本に持ってきたのも、日本でのニーズが知りたいという思いからだろう。そこで、「VWファンから、GTIについての熱い思いをよく耳にします。IDポロGTIが日本に不要なクルマだとは思えないんですが……」と水を向けてみると担当者は、「『楽しみ!』という声が大きければ大きいほど、持ってくるうえでは後押しになります」と話していた。
このクルマが欲しいという声が大きくなれば、インポーターとしては、日本導入を決断しやすくなるに違いない。













