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日中貿易戦争、いわば“中国版トランプショック”──70%急騰した「レアアース株」の裏で、プロが恐れる最悪のシナリオ

JAN. 20, 2026 17:30
Text : 西脇章太
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年明け早々、日本の株式市場が大きく動いている。中国政府による「レアアース輸出規制」の可能性が報じられたことで、関連銘柄が急騰しているからだ。

これは単なる一時的なニュースなのか、それとも日本経済に深刻な影響を与える「貿易摩擦」の始まりなのか。

今回は、投資スクール「Financial Free College(FFC)」CEO・松本侑氏(X:@smatsumo0802)に緊急インタビュー。急騰するレアアース相場の現状と、個人投資家が今知っておくべきリスクについて詳しく解説してもらった。

思惑によって上がった株、急落は一瞬

年明けの株式市場で、急速に注目を集めている分野がある。レアアース(希土類)関連の銘柄だ。具体的には、第一稀元素化学工業(4082)や東洋エンジニアリング(6330)などが挙げられる。これらは普段、取引量も少なく、値動きの小さな銘柄だった。

しかし、中国が輸出規制の可能性を示唆して以降、状況は一変。連日のストップ高や乱高下を繰り返し、特に第一稀元素化学工業は、わずか数日で株価が3倍近くも上昇している。市場は「有事」を織り込み、過熱気味だ。この上昇は、本当に実需に基づいたものなのだろうか。

「チャートを見れば明らかですが、これは企業価値が再評価されたわけではありません。『輸出が止まれば価格が高騰する』というシナリオに賭けた、極めて投機的な資金の流入です。普段は取引が少ない銘柄だけに、一度資金が集中すると、実態とかけ離れた価格まで上がってしまう。仕手戦的な動きと言えます」(松本氏、以下同じ)

当然、このような急騰には急落のリスクがある。実態の伴わない株価上昇は、前提が崩れた瞬間に暴落する可能性が高いからだ。「もし明日、『規制は行わない』という報道が出れば、上昇分は一瞬で吹き飛ぶでしょう。現在の相場は、それほど不安定な状況にあるのです」と松本氏。

  • 今回に限らず、普段の出来高から桁違いに増えて急騰している銘柄は、投機資金で値動きが振れやすい。短期の勝負になりやすいため、とくに投資初心者は手を出さないほうが無難だろう

    今回に限らず、普段の出来高から桁違いに増えて急騰している銘柄は、投機資金で値動きが振れやすい。短期の勝負になりやすいため、とくに投資初心者は手を出さないほうが無難だろう

「輸出停止のブラフで十分」中国が本当に欲しいもの

そもそも、なぜこのタイミングで中国は輸出規制に動こうとしているのか。メディアでは半導体規制への報復とも報じられているが、その背景にはより政治的な意図があるようだ。

それは、台湾問題で強硬な姿勢を見せる高市早苗首相への強い牽制だ。

中国にとって譲れない一線に踏み込もうとする日本の首相に対し、日本経済の弱みを握っている事実を示して圧力をかける。まさに外交的な交渉材料として利用していると言えるだろう。松本氏は、この政治的な背景こそが今回の騒動の本質だと分析する。

「現状では、まだ明確にレアアースの規制が決まったわけではありません。あくまで『検討』の段階です。これは高市政権に対する政治的なメッセージの色合いが濃いでしょう。『日本がその気なら、こちらにも考えがある』と、規制の可能性をほのめかして揺さぶりをかけている状態です」

だが、これが単なる駆け引きで終わらなければ、事態は深刻だ。日本はレアアース輸入の多くを中国に依存しており、供給が止まれば自動車産業にとって大きな打撃になりかねないからだ。

「実害は計り知れません。レアアースはEV(電気自動車)のモーターに不可欠な素材です。これが手に入らなければ、完成車メーカーはもちろん、関連するサプライチェーン全体が連鎖的に操業停止に追い込まれます。過去にフォード(F)やスズキ(7269)が製造停止を余儀なくされたように、その経済的ダメージは非常に大きなものになるでしょう」

市場は今、外交的な駆け引きに過ぎないという期待と、実体経済への深刻なダメージという懸念の間で揺れ動いているのだ。

次ページ→レアアースの輸出が止まるとどうなる?


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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