マイナビニュースマイナビ マイナビニュースマイナビ
Index square
( Car )

なぜ今まで日本未導入? 乗り味は変わる? ルノー「グランカングー」の素朴な疑問

JAN. 15, 2026 15:30
Text : 藤田真吾
Share

ルノーが日本発売を決めた3列シート7人乗りの新型車「グランカングー」について、気になったことをルノー・ジャポンに聞いてみた。

  • ルノー「グランカングー」

    「グランカングー」に関する疑問をルノー・ジャポンに聞いてみた

ほかの写真はこちら

7人乗りカングーが日本に入ってこなかった理由

ルノーが日本で3列7人乗りのカングーを販売するのは今回が初めて。欧州には前からあった多人数乗車可能なカングーを今まで日本に入れなかったのはなぜなのだろうか。日本車でいえばミニバンに近い「MPV」(マルチ・パーパス・ビークル)のカングーには、昔から多人数乗車のニーズがあったと思うのだが……。

その理由は、これまで欧州で販売していた3列7人乗りのカングーには「ディーゼルエンジン」と「マニュアルトランミッション」(MT)の組み合わせしかなかったからだ。ルノー・ジャポンとしては日本に導入したいという思いがあったそうだが、こんな特殊な(?)組み合わせのクルマを日本に入れるのは、ハードルが高かったに違いない。

もっといえば、欧州で販売していた3列7人乗りカングーのディーゼルエンジンは少し型が古く、日本の排ガス規制をクリアするにはそれなりのコストをかけて調整をする必要があった。コスト面からも、日本導入は難しかったそうだ。

そして今回は、通算3世代目となる現行型カングー(日本では2023年3月に発売)に「ガソリンエンジン」×「オートマチックトランスミッション」(AT、いわゆるオートマ)×「3列シート7人乗り」という仕様が登場したため、満を持して日本で発売の運びとなった。日本導入に時間がかかったのは、日本仕様のための特別な装備である「ダブルバックドア」(観音開きの荷室ドア)仕様を作るのに時間がかかったから、とのことだ。ドアを単純に取り付ければいいという話ではなく、センサー類を見直したり、カメラの位置を考えたりと、いろいろな対応が必要だったらしい。

  • ルノー「グランカングー」

    3列7人乗りの「カングー」が日本で発売となるのは今回が初めて

5人乗りとの違いは?

グランカングーのボディサイズは全長4,910mm、全幅1,860mm、全高1,810mm、ホイールベースは3,100mm。高さと幅は2列5人乗りのカングーと変わらないが、全長は420mm、ホイールベースは約390mmも伸びている。重さは1,690kgで5人乗り(ガソリンエンジン搭載モデル)比120kgの増加だ。

サイズと重さ以外にも、5人乗りカングーとグランカングーでは違うところがある。5人乗りが17インチアロイホイールを装着しているのに対し、グランカングーは16インチスチールホイール+オールシーズンタイヤ(ミシュランのクロスクライメート)なのだ。

一方で、搭載するガソリンターボエンジンの排気量(1,333cc)と性能(最高出力131PS/最大トルク240Nm)は、5人乗りと全く変わらない。

さて、この2台、乗り比べると走りはどう違うのか。

  • ルノー「カングー」

    こちらが2列5人乗りの「カングー」

  • ルノー「グランカングー」

    こちらが3列7人乗りの「グランカングー」

まだ自分では運転していないので、このあたりもルノー・ジャポン広報に聞いた話にはなってしまうのだが、7人乗りは5人乗りに比べ、「直進安定性は向上」「高速道路の合流などでのダッシュは少しマイルドになったが、巡航速度に乗ると快適」「最小回転半径が大きくなっているので、キビキビというよりはゆったり、どっしり方向に」変わっているという。とはいえ、カングーの走り味が根本的に変わっているわけではないそうなので、カングーファンが乗ってもそこまで違和感は感じないはずだ。

それと燃費だが、ガソリン5人乗りは15km/L、グランカングーは14.7km/Lとなる。

今後は7人乗りカングーが増えていく?

カングーが属する「輸入車CセグメントMPV」(CMPV)市場では今、3列シート7人乗りタイプがシェアを伸ばしている。フィアット「ドブロ」やプジョー「リフター」など、カングーのライバルたちは皆、すでに7人乗りをラインアップしており、順調に販売を続けているそうだ。これまで2列のみだったカングーをのぞいたCMPV全体の販売台数を見ると、3列7人乗りのシェアは57%に達するという。

だとすると、カングーの販売構成も7人乗りが主流になっていくのだろうか。そのあたりについてルノー・ジャポン広報は「何とも言えない」とする。というのも、カングー(5人乗り、ガソリンエンジン)が419万円であるのに対し、グランカングーは459万円と価格差があるからだ。

今の円安や他社の動向などを見ると、ルノーもクルマの値上げに踏み切りかねない情勢。グランカングーが500万円に近づいていくと、売れ行きは果たして……という懸念もある。ミニバン大国の日本であえてCMPVを選ぶ人は「スタイル」に一番の魅力を感じて購入を決めるそうなのだが、スタイルを手に入れるために国産ミニバン比でいくらまでプラスアルファを払えるか、というのは重要な問題。そのあたりも踏まえると、カングーの販売内訳が単純に「5人乗り4割:7人乗り6割」といった感じに動いていくわけでもなさそうだ。

【フォトギャラリー】グランカングー


Share

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

  • Pick Up
    Index.iapp
    PR
    飾りはいらない。大人が選ぶべき「機能美」という答えーータフネスとハイエンドを両立する一台「arrows Alpha」