ルノーが日本市場に「グランカングー」を投入する。おなじみ「カングー」の全長(主にホイールベース)を伸ばし、シートを1列追加した3列シート7人乗りの新タイプだ。なぜ今、多人数乗車が可能なグランカングーを日本で発売するのだろうか。
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後ろが観音開きのグランカングーは世界初!
「カングー」はルノーの「MPV」(マルチ・パーパス・ビークル)で、現行型は通算3世代目。日本では2023年3月に発売となった。後席に乗り込むドアがスライドドアになっている背の高いクルマで、日本車でいえばミニバンのような乗り物だ。日本では現在、2列シート5人乗りのタイプのみを販売中。パワートレインは1.3Lガソリンターボエンジンと1.5Lディーゼルターボエンジンの2種類となっている。
「グランカングー」はカングーの全長とホイールベースを伸ばし、広くなった車内に3列のシート(7つの独立した座席)を備えたロングバージョン。日本に導入するのは特別仕様車「クルール」の1種類で発売日は2026年2月5日、価格は459万円だ。ボディカラーは「ベージュ サハラ」の1色のみとなる。
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こちらが「グランカングー」。ボディが伸びたことに合わせてスライドドアも新調しており、ドアの開口幅は5人乗りの650mmに対し180mmアップの830mmに拡大している。ちなみに、スライドドアの開け閉めは電動ではなく手動だが、ドアが大きくなったからといって、そこまで重くなっているわけではない。閉める際の力は「7kg」程度とのことだった
カングーのアイコンとなっている「ダブルバックドア」(観音開きの荷室ドア)と「ブラックバンパー」はグランカングーにも健在。特に、ダブルバックドアは日本専用の機構で、乗用のグランカングー×ダブルバックドアの組み合わせは日本でのみ選べる仕様だ。
輸入MPVの世界で「3列シート」のシェアが急伸
ルノーがグランカングーを日本に持ってくるのは、「輸入車CセグメントMPV」(CMPV)の世界で「3列シート車」のシェアが伸びているからだ。
カングーのライバルと目されるフィアット「ドブロ」、プジョー「リフター」、シトロエン「ベルランゴ」の3モデルには、すでに3列シートのタイプが用意されている。最近では、CMPVを選ぶ人の多くが2列(5人乗り)ではなく3列(7人乗り)を選ぶようになっていて、2列のみのカングーをのぞいた全体の販売台数を見ると、3列のシェアは57%に達するという。
普段は5人乗りで全く問題ないけれど、たまに(例えば親族が集まる際などに)7人で乗れたほうが嬉しい。その際には、3列目に座る人にも窮屈な思いをしてほしくない。こんなユーザーのニーズに、3列7人乗りのCMPVはピタリとはまる。
グランカングーの2~3列目シート(計5席)は折りたためるし跳ね上げられるし、使わないなら取り外すことも可能。シートアレンジの幅はルノー・ジャポンの説明によると「全1,024通り」と幅広く、2列目以降の座席を取り外せば荷室容量は驚異の3,050Lまで拡大できる。7人乗りタイプの登場により、カングー全体の売れ行きに弾みがつくかどうかに注目したい。
ちなみに、7人乗りCMPVが人気なのであれば、なぜ、本国には以前からあったグランカングーをもっと早く日本に持ってこなかったのだろうか。そのあたりについてルノー・ジャポン担当者は、「(日本専用の)ダブルバックドア仕様を作るのに時間がかかったため」だと話していた。単純に観音開きのドアを取り付ければいいという話ではなく、センサー類や配線を見直したり、カメラの位置を調整したりと手間がかかるそうだ。
グランカングー導入に時間を要したことによる「機会損失」は多少なりともあったはずだが、それでも、日本のカングーファンのためを思ってわざわざ観音開きバックドアを取り付けたルノーの姿勢には、ちょっと感動だ。





















































