スバルのSTIが手掛けたスポーツカーをマニュアルトランスミッション(MT)で走らせてみたい……。そんな願いがスバルに届いたようだ。「東京オートサロン2026」に登場した新型車「WRX STI Sport #」(プロトタイプ)は、STIがWRXをMT化して各部を鍛えた期待の1台に仕上がっている。
なぜMT車を開発?
スバルは「東京オートサロン2026」(幕張メッセにて1月11日まで開催中)でスバルテクニカインターナショナル(STI)の手によるコンプリートモデル「WRX STI Sport #」のプロトタイプを公開した。
STIのコンプリートカーは、スバルが量産工場で生産したベース車両をSTIが専用工場に持ち込み、後加工を施して完成させる特別仕様の車両だ。
2025年のオートサロンで公開された「WRX S4 STIスポーツ」ベースの「S210」は、Sシリーズとしては初のCVT搭載2ペダルモデルとして開発したSTIコンプリートカーの最高峰で、ニュルブルクリンク24時間レースで培った技術や知見をふんだんに投入したモデルだった。意のままに操ることができる操縦性能については、試乗したメディア関係者だけでなく、抽選倍率10倍超の難関を乗り越えて購入したオーナーたちからも高い評価を受けているとのことだ。
その一方で、MT車を乗り継いできたユーザーからは、「WRX」のMT車を国内展開して欲しいという要望が多く寄せられた。スバルとしても、パフォーマンスシーンを際立たせる商品を強化していくというブランド戦略を打ち出したこともあって、今回のWRX STI Sport #の開発に着手したのだという。
どこを鍛えた? 追加のパーツは?
WRX STI Sport #プロトタイプのベース車両となったのは、スバルが国内で展開しているWRXだ。同モデルに海外向けに展開しているマニュアルトランスミッションを搭載した。
エンジンは水平対抗4気筒の「FA24型」。これに、STIがニュルブルクリンク24時間レースで培った知見や技術に基づくパーツを追加する事で、軽快でスポーティーな走りを実現したという。
具体的には、フロントには右ハンドルMT車専用として新開発したフレキシブルドロータワーバーを装着。ボディのストラットタワーバーを内側に引っ張り込むプリロード機能を有するタワーバーで、車体構造が持つ剛性の“遊び”(=荷重伝達の遅れにつながる要素)を改善する機能を持つ。
さらに、フロントの床下とリアバンパー内側にはフレキシブルドロースティフナを搭載し、ハンドル切り始め時の応答性を強化。MTによる軽さがもたらすコーナリング時の頭の入りの良さや、ストレスを感じる事なく素直に曲がることができるハンドリングをさらに向上させた。
タイヤは245/40R18から245/35R19インチにサイズアップし、ホイールは同サイズのマットグレータイプに。サスペンションは「ノーマル」「コンフォート」「スポーツ」の3つのモードを持つ電子制御サスペンションとし、ブレーキはドリルドローターにフロントが対向6ポット、リアが対向2ポットのキャリパーを採用した。
エクステリアではトランクスポイラーが異彩を放っている。大人のスポーツカーとしての見た目と空力性能を両立させるアイテムだ。インテリアはブラックで統一。その中で存在感を主張するMTのシフトレバーとレカロシートが、一目で走りの楽しさを予感させる仕様になっている。











