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自動車の大変革期は揺り戻しの時代へ? 日本は軽EV戦国時代到来! 2026年を展望する

JAN. 03, 2026 11:00
Text : 佃義夫
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自動車業界は「100年に一度の大変革期」と言われて久しいが、2026年は“揺り戻し”の年となるかもしれない。日本では中国からの“黒船”到来で「軽EV」の戦国時代が幕を開けそうだ。2026年の自動車業界を展望する。

  • ホンダ「N-ONE e:」

    2026年は軽EVのシェア争いが本格化?

自動車メーカーに求められる「全方位開発」

自動車業界はおしなべて、環境課題の解決を大義として掲げ、脱炭素、カーボンニュートラルに向けた取り組みを急いできた。“脱内燃機関”(内燃機関=エンジン)の掛け声のもと、急激なEV(電気自動車)シフトに舵を切る政府やメーカーが相次ぎ、この流れは不可逆的に見えた。

その流れが、ここへきて変わり始めている。

具体的に言うと、「長期的なカーボンニュートラル実現に向けた自動車のEVシフト」は減速しており、自動車メーカーは当面の間、環境政策の変更など眼前の課題への対応が迫られることになる。

  • 日産自動車のEV「リーフ」

    EVシフトが急速に進むとの見通しは後退した(写真は日産自動車のEV「リーフ」)

欧州連合(EU)は2035年にエンジン車の新車販売を原則禁止するという方針を掲げていたが、2025年末に撤回を発表。EVの普及が想定よりも遅れたためだ。

米国では第2次トランプ政権が誕生。EV購入時の税額控除を2025年9月末で廃止し、12月にはEV普及を後押ししてきた排ガス規制の緩和を決めた。

長期的な観点で考えると、自動車のEVシフトの動きは変わらないだろう。ただ、当面の課題として自動車業界は、EVとエンジン車(ガソリン、ディーゼル、ハイブリッド、プラグインハイブリッド)の「全方位開発」を強いられることになる。

EVシフトが減速している米・欧の動きに対し、中国は自国のEVメーカーを国策で後押しする姿勢を崩しておらず、海外展開も含めEV攻勢を強めている。内燃機関に再び注力し始めた欧、米、日の歴史ある自動車メーカーとEVで世界覇権を狙う中国勢の勢力争いは、2026年に激しさを増しそうだ。

トランプ関税への対応に苦慮

2025年は「トランプ関税」に自動車業界が“翻弄”された年だった。日本車メーカーは、濃淡の差こそあれ収益面で大きな影響を受けた。

2026年も関税対応は続く。部品メーカーも含めたサプライチェーンでの価格転嫁の動向は、各社の米国におけるブランド力に左右されることになる。“値上げ”で対応できるのか。米国市場でのブランド力が試される。

トヨタ一強は2026年も続く?

日本の自動車産業界の“総本山”である日本自動車工業会(自工会)では、2026年1月1日付で佐藤恒治トヨタ自動車社長が新会長に就任した。前任の片山正則いすゞ会長の後を受け、再びトヨタから自工会会長が出た形だ。片山会長の前は豊田章男トヨタ会長が自工会の会長を務めていたのだ。

佐藤新会長による自工会は、新たに7つの課題を挙げている。以下の通りだ。

  • ①重要資源・部品の安全保障

  • ②マルチパスウェイの社会実装

  • ③サーキュラーエコノミーの仕組みづくり

  • ④人材基盤の強化

  • ⑤自動運転を前提とした交通システム確立

  • ⑥自動車関連税制抜本改革

  • ⑦サプライチェーン全体での競争力向上

2025年6月には、豊田章男トヨタ会長が日本自動車会議所会長に就任している。やはり、激動期にある日本の自動車業界は“一強”のトヨタがリードしていく流れなのだろう。

日本は軽EV戦国時代が到来?

2026年における日本国内の自動車市場で最も注目されるのは、軽自動車のEV化に関する動向であろう。2026年夏には中国のBYDが、日本市場向けに専用開発した軽EV「ラッコ」をいよいよ導入する。

  • BYD「ラッコ」

    BYD「ラッコ」

日本車の軽EVとしては日産自動車・三菱自動車工業の「サクラ/eKクロス」にホンダ「N-VAN e:」「N-ONE e:」があり、スズキとダイハツ工業も軽EVの発売を検討している。

  • 日産「サクラ」

    日産「サクラ」

  • ホンダ「N-ONE e:」

    ホンダ「N-ONE e:」

軽自動車は日本独自の規格であり、これまでは“ガラパゴス化”といわれることもあったが、EUが軽自動車規格を参考にした小型EV「Eカー」を新設する動きを見せれば、米トランプ大統領も「小さくてかわいらしいクルマだ」と発言し、世界からの注目度が俄然、高まっている。

軽自動車は生活の足としての利用が多く、EV化しても航続距離が少なくて済む。地方では自動車を複数台所有する例が多く、ガソリンスタンドが減っていることもあるので、軽EVが普及する素地は整っているといえる。

中国のBYDが日本の軽市場に穴を開け、かつ日本車がこれに対抗する形で軽EVの市場形成が本格化するのか。2026年の動向を大いに注視していきたい。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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