ホンダが2025年9月12日に発売した軽自動車の電気自動車「N-ONE e」は実際のところ、売れているのか。先行して世に出た日産自動車の軽EV「サクラ」との売れ行きの違いは? 販売状況を調べてみた。
スタートダッシュは思ったほど伸びず?
N-ONE e:はホンダが作った乗用車タイプの軽EVだ。ガソリンエンジン搭載の軽自動車「N-ONE」がベースとなっている。センターディスプレイと急速充電ポートを標準装備から外したシンプルなグレードを用意したり、アクセルペダルだけでクルマの加減速と停止ができる「シングルペダルコントロール」機能を採用したりしていて、見どころの多い軽EVだ。実際に乗ってみたが、軽なのに静かで素早い加速が気持ちよく、一般道でも高速道路でも快適かつ安心して運転できたということをご報告しておきたい。
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「N-ONE e:」は「e: G」(269.94万円)と「e: L」(319.88万円)の2グレード展開。「e:G」(写真)はオプションなしだとセンターディスプレイレスで急速充電口も付いていないシンプルなタイプ
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N-ONE e:より3年以上も前に登場し、軽乗用EVの市場を開拓したのが日産「サクラ」/三菱自動車工業「eKクロスEV」だ。N-ONE e:とサクラについては以前、いくつかの観点で比較してみたことがあるので、ご参照いただきたい。
新車が発売となった場合、メーカーに販売状況を聞いてみるのはいつものことなのだが、N-ONE e:の売れ行きについてホンダでは非公表としている。なので、軽自動車の販売データを取りまとめている一般社団法人の全国軽自動車協会連合会(全軽自協)に問い合わせてみた。すると、「軽自動車通称名別新車販売速報」の「電動車内訳台数」というデータを送ってくれた。
このデータを参考にしてN-ONEとN-ONE e:の販売状況を見ていきたい。
N-ONEの販売台数(N-ONE e:を含む、全軽自協の軽自動車通称名別新車販売速報より)
2025年8月:798台
2025年9月:4,344台
2025年10月:2,812台
2025年11月:2,094台
N-ONE e:単体での販売台数(軽自動車通称名別新車販売速報の電動車内訳台数より)
2025年8月:7台
2025年9月:2,508台
2025年10月:1,141台
2025年11月:1,058台
同じ時期の日産「サクラ」の販売台数
2025年8月:860台
2025年9月:1,432台
2025年10月:704台
2025年11月:594台
こうして見ると、N-ONE e:のスタートダッシュは思ったほど伸びていないようだ。ちなみにサクラは2022年6月に発売となったが、同年5月20日の発表から約3週間で受注1.1万台を突破し、約1年で累計5万台の注文を獲得。2024年度まで3年連続で「国内市場における電気自動車(EV)販売台数No.1」を獲得した実績がある。
やはり、サクラがN-ONE e:より3年以上も前に発売となったのは大きいのではないか、という気がする。軽EVがライフスタイルにぴったりと合う人たちには、すでにサクラがゆきわたってしまったのかな、などと思った。ただ、N-ONE e:がいいクルマであることは間違いないと実感を込めて言えるので、今後の動向には注目しておきたい。
来年の夏には、中国のBYDが「スーパーハイトワゴン」の軽EV「ラッコ」を日本に投入する予定。軽で最もよく売れる、背が高くて両側にスライドドアの付いたタイプの新型車なので、このモデルが軽EV市場を広げる可能性もある。
軽自動車は日本のお家芸(というか、日本にしかない自動車の規格)なのだが、スーパーハイトワゴンの軽EVという、けっこう可能性のありそうなクルマを、BYDに先んじて日本のメーカーが発売できないのはなぜなのか。そんな素朴な疑問も浮かんできた次第だ。






























































