ホンダはSUVの「CR-V」を日本市場で復活させる。発売は2026年2月の予定。日本に導入するのは通算6世代目となる現行型のCR-Vで、先代モデルに比べサイズが大きく、見た目の上質さが向上している。ライバルとなりそうなのはトヨタ自動車「ハリアー」だ。
輸入車とも戦えそうな上質感
ホンダが日本で発売する6代目CR-Vは、先代の5代目に比べ、やや大柄な車体寸法となっている。米国では2022年に販売が始まっていた車種であり、日本では2024年、燃料電池車(FCEV)でプラグインハイブリッド車(PHEV)の「e-FCEV」を先に導入していた。今回、日本導入を決めたのはハイブリッド車(e:HEV)だ。グレードは「RS」と「RS BLACK EDITION」の2種類。e-FCEVも併売する。
競合車となるのはトヨタ自動車「ハリアー」ではないか。車体寸法も、ほぼ同等だ。輸入車ではメルセデス・ベンツ「GLC」やシトロエン「C5」などが近いところで、BMW「X3」は若干大きめとなる。
日本に入ってくる6代目CR-Vの実物を見ると、前型よりもサイズが大きくなったことに加え、外観の造形が新しくなったこともあり、見た目に上質さと高級感が加わって、車格がひとつ上がったという印象を受けた。ハリアーや輸入車が競合になると思えた所以だ。
「CR-V」という車名は「Comfortable Runabout Vehicle」(快適で自由に走り回る乗り物)に由来する。1995年に登場した初代モデルは、軽快で身近な使い勝手のよい新しいクロスオーバーSUVであり、車名を体現したクルマだった。
その後は世代を重ねるに従って、主力市場となる米国での要望に応え、車体が大型化していく。それでも、上級になったとはいえ、身近で親しみのあるSUVだったと記憶している。
しかし今回の新型は、佇まいの質がより高まり、上質さを伝える外観が魅力だと思う。デザイナーの言葉によれば、「CセグメントのSUVとして王者となる造形」ということになる。
造形の特徴のひとつとして、フロントウィンドウを支える支柱(ピラー)を前型に比べ後ろ寄りにし、ボンネットフードを長く見せる外観としている。クルマが伸びやかで立派に見えるデザインだ。
なおかつ、フロントピラーが後ろ寄りとなったことで、運転席に座ったときの前方の見晴らしがよくなった。サイズが大きくなっても手の内にあるという、運転のしやすさへの配慮が感じられる部分だ。
サイドウィンドウは下端が後へ向かって水平になっている。これには、車庫入れなど駐車の際に、駐車枠とクルマの向きを合わせやすくする効果があるという。
インテリアの完成度は?
室内は水平基調のダッシュボードが特徴。近年のホンダ車と共通する造形で、乗り込むと解放感があり、車幅感覚もつかみやすい。
座席は本革製。シートヒーターと送風機能の両方を備えており、四季を通じて快適に座れそうだ。座席自体も大柄で、しっかりと体を支えてくれる。
座席位置の調整は前後のスライド幅が十分で、乗る人の体格の差にしっかりと配慮していることが感じられた。これにハンドル位置の調整を加えると、適切な運転姿勢がとれるのではないか。日々、快適に運転できそうだ。
後席の座り心地も申し分ない。座席と床の高低差が十分で、座席が腿を支えてくれる。同乗者も疲れず移動できるはずだ。また、前席の下には、つま先を差し入れられる凹みが設けられており、足元のゆとりも不足なし。後席の背もたれの角度は8段階で調整できる。
荷室にアクセスするためのリアゲートは、足先を床下に差し入れると自動で開閉できる機能を備える。荷室の床はリアバンパーとの段差がなく平らで、重かったり大きかったりする荷物を床に乗せさえすれば、滑らせるように奥へ押し込める。
ハイブリッドは新機能を追加
動力はホンダの2モーターハイブリッド「e-HEV」のみ。駆動方式には前輪駆動(FF)と4輪駆動(AWD)の選択肢がある。
ハイブリッドシステムは基本的に従来通りで、モーター駆動を主体に、急加速時や高速走行時にはガソリンエンジン走行になる仕組みだ。これに今回、新たな機能として「ロックアップLow」が追加となった。低い速度でも、急坂を登る際や、だらだらと続く長い登り坂を走行する際にはエンジン駆動になる。特にボートやキャンピングカーなどを牽引する際など、より大きな力を必要とする場面で、エンジンの力を活用できるようにするための機能である。
車体色は5色。「ブレイジングレッド・パール」はホンダ初の色で、「スレートグレー・パール」と「キャニオンリバーブルー・メタリック」はCR-Vでは初採用となる。あとの2色は「プラチナホワイト・パール」と「クリスタルブラック・パール」だ。
室内は基本的に黒で、「RS」と「RS BLACK EDITION」で加飾に若干の違いがある。
これまでに比べ上質さが増した新型CR-Vは、輸入車を含めた上級SUVの選択肢のひとつに加わるのではないか。そのくらいの魅力を感じた。






























