三菱自動車工業が「デリカ D:5」の大幅改良モデルを発表した。予約注文の受け付けは2025年10月30日に始まっている。今回の改良は内外装の変更と「S-AWC」の搭載が見どころ。S-AWC搭載による効果は? なぜ今、デリカ D:5に同機能を載せた? 担当者に聞いてきた。
大幅改良で何が変わった?
デリカ D:5は三菱自動車が誇る「オールラウンドミニバン」。ミニバンの利便性と悪路走破性を両立させた唯一無二のキャラクターが人気で、現行型は昨年、フルモデルチェンジ以来で最高となる販売台数を達成し、今年は昨年を上回る勢いで売れているという。
このほど予約の受け付けが始まった新型は、現行型デリカ D:5の「大幅改良モデル」という位置づけ。発売は2025年の冬、価格は約450万円~495万円となる。主な改良点は以下の通りだ。
フロントグリル、フロントおよびリアバンパーのデザイン変更、ホイールアーチモールの追加などにより、エクステリアで力強さと走破性を表現
8インチカラー液晶メーターの採用やインストルメントパネル、シート生地の変更による内装の質感向上(先進性、ギア感、プレミアム感が向上)
四輪制御技術「S-AWC」の追加。NORMAL/ECO/GRAVEL/SNOWの4つから選べるドライブモードの追加。走破性、操縦安定性を向上
運転支援技術「e-Assist」の強化で安全性能と利便性が向上
ボディカラーに「ムーンストーングレーメタリック」と「ブラックマイカ」の2トーンを追加
まずは内外装がどう変わったか、写真で見比べてみよう。
S-AWC導入が今になった理由
性能面での大きな変更点は「S-AWC」の追加だ。
S-AWCは「Super All Wheel Control」の略。四輪を自在に制御することで車両運動性能を飛躍的に向上させる三菱自動車独自の車両運動統合制御システムだ。
デリカ D:5にS-AWCを搭載すると、何が変わるのか。JMS2025で話を聞いた三菱自動車の担当者はこう解説する。
「緻密な制御を入れることによって、砂利道、グラベル、雪道などで、より安定性が増します。例えば雪道を走っていてタイヤが滑り始めたり、挙動が乱れ始めたりするときは、制御が少し遅れただけでも滑り量が違ってくるんです。コンマ1秒でも早く、緻密な制御を入れるためにS-AWCを搭載しました」
S-AWCは完成したばかりの技術ではなく、以前から三菱自動車の武器となってきた技術だ。なぜ今、デリカ D:5に搭載したのか。これまで搭載してこなかった理由は? 別の担当者はこう語る。
「デリカ D:5を購入されるお客様は、技術に詳しい方が多いんです。そういう方からは、一部ですが、『二駆(二輪駆動)と四駆(四輪駆動)を自分で切り替えられた方がいい』というお声が、少なからずあったんです」
デリカ D:5ではこれまで、ドライバー自身が駆動方式を選んで走ることができた。車内のダイヤルを操作することにより、「二輪駆動」「四輪駆動」「4WDロック」を切り替えられたのだ。駆動方式を選択できる機能は悪路走破性の高いクルマでけっこう見かけるもので、三菱自動車であれば「パジェロ」にもこの手の機能が付いていた。往年の三菱自動車ファン(の一部?)には、同機能の愛好者がいるらしい。
S-AWC搭載のデリカ D:5大幅改良モデルでは「二輪駆動」「四輪駆動」「4WDロック」をドライバー自身で選択する機能はなくなったものの、車内のダイヤルで「ドライブモード」を選ぶことができるようになっている。具体的にはNORMAL/ECO/GRAVEL/SNOWの4つから選択可能だ。路面に合わせてドライブモードを選択すれば、駆動方式(どのタイヤにどのくらいの駆動力を配分するか)は自動で制御してくれる。例えばECOなら、燃費をよくするため、なるべく二輪駆動(前輪駆動)で走ろうとする、といった具合だ。
デリカ D:5担当者によると、前回の改良でもS-AWCを入れようという議論は出たそうだが、駆動方式を切り替えられる機能にはファンもいるし、いい機能ではあるので「いったん、そのまま残してみようか」という話になったのだという。今回のS-AWC導入については、「安全安心を皆様にお届けするというポリシーを掲げているので、そういう信念に基づけば、S-AWCはお客様へのかなりの提供価値になるのではないかと思っています」とのことだった。
























