コーンズ・モータースは10月19日、富士スピードウェイで開催したオーナーズイベント「コーンズ・デイ2025」でシンガー・ヴィークル・デザインが手がけた最新サービス「ポルシェ911カレラクーペ リイマジンドby Singer」を日本初公開した。2025年7月の英国「グッドウッドフェスティバル・オブ・スピード」、8月の米西海岸「モントレー・カーウィーク・ザ・クエイル」に続き、日本が世界で3番目のお披露目の場に選ばれた同モデルは、世界限定100台でレストアを行う予定だという。
シンガーが手掛ける911のレストアとは
シンガー・ヴィークル・デザインはポルシェ「911」専門にレストアを手掛ける米国の会社だ。最新サービス「ポルシェ911カレラクーペ リイマジンドby Singer」は、「ターボもいいけど、ちょっとNA(自然吸気)が欲しい」というユーザーの声を反映して始めたもので、1980年代のポルシェ911にインスパイアを受けている。当時の911は筋肉質なターボ型ボディにNAを積んでいた。そんな名車にオマージュを込め、現代ならではの最適化を施すのが同サービスの内容だ。
コーンズ・デイで展示された個体は、ポルシェ911(タイプ964)のシャシーをベースに、オーナーが希望したパーソナライゼーションを具現化した一例だ。オーナーから送られてきた車両は、インテリア、外装パネル、全てのメカニカルコンポーネントを取り外し、露わになったスチール製モノコック(シャシー)には徹底した検査、洗浄、準備を実施。その後、レッドブル・アドバンスト・テクノロジーズとの協業で開発した複合材とスチール補強を精密に配置するシャシー強化システムによって、車体全体のねじり剛性を大幅に向上させたという。
パワートレインの詳細は?
シンガーが15年以上にわたって培ってきた経験と知見の集大成とされるパワートレインは、オリジナルのタイプ964に搭載されていた自然吸気のメッツガー型フラット6エンジンを基に排気量を4.0Lに拡大。コスワース社との初コラボで再設計・再構築したエンジンは、水冷式4バルブシリンダーヘッドと電動式冷却ファンを採用した空冷シリンダーのハイブリッド構造、シンガー初の可変バルブタイミング機構などを盛り込んだことにより、従来のようにエンジンから駆動力を奪うことなく冷却性能を向上でき、最高出力の420馬力を発生しつつ低エミッション化を実現。6速マニュアルトランスミッションを介して後輪を駆動する。
そのパワーを路面に伝えるのは、カーボンセラミックローターのブレーキシステムを備えた18インチセンターロックホイールに装着したミシュラン・パイロットスポーツ4Sタイヤ(F225/40R18、R265/35R18)だ。
内外装はどう変わったのか
今回お披露目されたボディはツーリング仕様だが、1台で2台分楽しむためのスポーツバージョン用として、ダウンフォースを増大させるフロントバンパーとリアスポイラー、ミシュラン製スポーツタイヤを用意。これらは専用のフライトケースに収めることができ、サーキットに到着したら30分ほどで取り替えることができるという。
ボディはカーボンファイバー製。ボディカラーは「Celeste Passalacqua」だ。フロントボンネット上の補助灯やエンジンルームに冷却空気を取り入れるリアホイールアーチに施されたエアインテーク、スペシャルコートのカーボンアクセント、速度感応式のリアスポイラーが目を引く。
インテリアはマーズピンクレザーの表皮を持つトラック志向のカーボンファイバー製シートを採用し、シートインサートにはベルベットコーデュロイを使用。全体のレザーシーム(縫い目)は手作業で磨かれ、彩色されている。
走行性能は?
ドライバーエンゲージメント(走る喜び)は常に最優先事項とされ、レッドラインの8,000rpm超を楽しむために露出型シフトリンケージ付きのハイマウントシフトレバー(6速)を搭載。ドライブモードはRoad/Sport/Track/Off/Weatherの5つが選択でき、ドライバーのスキルや路面状態に合わせてトラションコントロールとスタビリティコントロールの介入レベルを調整することが可能になっている。
足回りには電子制御ダンピングコントロールを備えた4ウェイ・リモート調整式ダンパーを備え、あらゆる路面状況で精緻でスポーティーなハンドリングを提供するとのことだ。
価格は138万5,000ドルで、ドナー車両代や輸送など、そのほかにかかる費用は別途。ビスポークによるパーソナライズはさまざまなパターンで対応可能だという。100台限定だが、今回のサービスはすでに完売してしまったそうだ。

































