ダイハツ工業が軽オープンカー「コペン」の生産を2026年8月末で終了すると聞いて、寂しい気持ちになったファンは多いのではないだろうか。次のコペンは出るのか! 出るとしたらどんなクルマなのか! 「ジャパンモビリティショー2025」(JMS2025、会期は11月9日まで)に登場したコンセプトモデル「K-OPEN」について話を聞いてきた。
軽でFRはかなりの難題?
ダイハツはJMS2025に「K-OPEN」を名乗る2台のコンセプトモデルを出展した。グレーの個体がデザインのスタディモデル、赤の個体は実際に走行を行っている「ランニングプロト」だ。
コペンは「ダイハツにとって特別なクルマ」(ダイハツ広報)。現行型は2026年8月に生産終了となるものの、「今後も知見を貯めながら続けていきたい」(同上)との思いから、今回は2台のコンセプトモデルを出展したそうだ。
ダイハツは2023年のJMSに「ビジョン・コペン」というコンセプトモデルを出展していた。こちらは軽ではなくて小型車で、FR(フロントエンジン、リア駆動)のスタイルを採用していた。今回のK-OPENはビジョン・コペンの進化版、市販車により近づいたモデルだと考えて良いのだろうか? ダイハツの担当者はこう語る。
「ダイハツの立ち位置、このクルマの立ち位置として、『軽にこだわるべきだよね』とは思っています。そして、前回(ビジョン・コペン)で好評だったのは、FRというところでした。今回は軽のFRということで、プロポーション、デザインのスタディモデルを作りました」
市販化するかどうかは、まだ決まっていない。今は内燃機関搭載でFRの軽オープンカーという方向性で研究を続けている段階だ。
小さなクルマでFRにするのは技術的にかなり難しいと聞く。軽自動車となればなおさらだ。具体的に、どんな難しさがあるのだろうか。
「フロントにエンジンを横に倒して搭載すると、室内(人が乗るところ、キャビン)に長いものが入ってくる形になります。そうすると、人が乗るところが後ろに下がります。その方が走りとしては面白いんですが、全てが後ろ下がってきてしまうと、軽自動車は規格で長さが決まっていますから、いろいろと『つまって』きてしまうんです」
リアの狭いスペースに屋根をしまう仕組みを入れ込んだり、後輪を駆動するためのパーツを据え付けたりするのは、確かに大変そうだ。ちょっとした荷物入れも欲しいし……。
今回のデザインスタディモデルでは「クルマの全長が短い中で、FRの力感については、リアを持ち上げたり、タイヤの作り方を工夫したりして表現できた、という段階です。これを生産できるのか、市販車として必要なハードが中に入るのか、そのあたりは検証中です」とのことだった。
念のためにお伝えしておくと、デザインスタディモデルは「中身」のことを全く考えずに作ったものではなく、どんなハードを搭載しなければならないかを想定しながら作ったモデルではあるとのことなのだが、実際に市販車として作れるかどうかについては、まだまだ検討が必要、という段階らしい。
これまでのコペンはFF(フロントエンジン、フロント駆動)のクルマだった。初代コペンが登場した当時は、「スポーツカーといえばFRだよね」という意見が多かった時代。そんな中でダイハツは、「FFで、電動格納式の屋根(ハードトップ)の付いたスポーツカーを作ることができれば面白いよね」という感じで、初代コペンを開発した。
それが今では、FRのクルマはどんどん減っていき、むしろ、FRであることに希少価値が付く時代になった。「なので、FRの方が面白いよね、ダイハツはやっぱり、面白いことをやらないとね、という思いもあります」と担当者は話す。
コペンが「オープンカー」であることも、市販化に向けたハードルが高くなる要因だという。
「今はオープンカーが出にくい状態になっています。法規的に『側突』(側面からの衝突)に関する要件がかなり厳しくなっていまして、オープンカーには、なかなかあてはめにくい状況なんです」
軽でFRでオープンカー。こんな大変な組み合わせで次期コペンを作ろうとするダイハツはかなり野心的だ。市販化に向けて解決すべき課題は「かなりある」のか、それとも「あと一歩のところまで来ている」のかと聞くと、ダイハツ担当者は「かなりある」とはっきり答えた。ただ、市販化に向けて「我々は本気です」との言葉も聞けたので、楽しみに進展を見守りたい。
「皆さまのお声が頼り、というところもあります。反響が大きければ、声援があれば進めていけます」(ダイハツ担当者)















