ホンダが小型EV「スーパーワン」のプロトタイプを世界初公開した。軽自動車のプラットフォームに中身はパワフルな電気自動車(EV)という楽しみな1台で、乗車体験を豊かにする多彩な仕掛けを備えているらしいが、いったいどんなクルマなのか。ジャパンモビリティショー2025(JMS2025、会期は11月9日まで)の会場で実物をチェックしてきた。
EVなのにギアチェンジを体験できる!?
スーパーワンの外観を見て、どこか見覚えがあると感じた方がいらっしゃるかもしれない。すでに発売されている軽EVの「N-ONE e:」がベースとなっているからだ。ヘッドライトを見ても、ほぼ同じものが使われているのがわかる。
軽自動車ベースではあるが、オーバーフェンダーを採用して車幅が拡大しているので、区分としては軽自動車ではなく登録車(乗用車)となる。そのため、軽自動車に適用される最高出力64PSという自主規制は適用外に。乗用車として、性能をフルに引き出すことが可能になったのだ。単純な話、軽のような小さな車体に高出力な(馬力の大きい)モーターを積むことができるのである。
リアを見たときのデザインもN-ONE e:を彷彿とさせるが、テールランプの間にあるピアノブラックのパネルに「Honda」の文字が浮かび上がっていて引き締まった印象だ。リアの下部で赤く光るバックフォグランプもカッコいい!
スーパーワンのグランドコンセプトは「e:Dash BOOSTER」。乗車体験を豊かにする多彩な仕掛けを採用しているという。その象徴となるのが、専用開発の走行モード「BOOSTモード」の搭載だ。このモードを使えば出力が拡大し、鋭い加速が可能になるという。
担当者はスーパーワンの魅力を次のように話す。
「EVなのにガソリンエンジン車を運転しているかのような体験が得られるのが最大の魅力であり、このクルマの特長です。アクセルの踏み込み加減によって変化するエンジンサウンド(アクティブサウンドコントロール)が車内に響き渡り、マニュアル車でギアチェンジをしているかのような感覚(仮想有段シフト制御)を楽しむことができるような設計を行いました」
さらに、3連のタコメーターで(架空の)エンジンの回転数を表示させることで、視覚的にもアクティブな運転操作を体験できるようになっているようだ。他社を含めて、このようなEVはこれまでなかったのではないだろうか。
「EVはつまらない」という固定観念に挑戦
なぜ、このようなEVを開発したのか。そもそもの意図を聞いた。
「そろそろEVに乗り換えてもいい、もしくはEVが気になっているものの、ガソリンエンジンの楽しさも忘れたくない。そんな思いを抱いているアクティブなシニア世代の男性をイメージして開発しました。実際、ガソリン車のオーナーにEVを勧めても、『どうせEVはつまらないんでしょう?』という声をいただくことがあります。そう感じている方にこそ刺さる1台ではないでしょうか」
EVにはEVならではの良さがある。ただ、エンジンサウンドやギアチェンジといった、ガソリンエンジン搭載のマニュアル車でしか味わえない魅力もたくさんある。スーパーワンはEVでありながら、ガソリン車のような操る喜びを追求した結果生まれた1台だ。
会場で展示されたスーパーワンはプロトタイプのため、詳細はまだ明らかになっていないが、量産モデルを2026年中に日本で発売する予定。また、小型EVのニーズが高い英国やアジア地域でも販売するという。
N-ONE e:で最も高いモデル(e:L、319.88万円)より高くなることは間違いないとは思うが、価格を含め、スペックの詳細など続報を楽しみに待ちたい。






















