日本の高級、いや「超高級」ミニバン市場は今、レクサス「LM」が独り勝ち状態だ。かなり高価格なクルマなのに、都心を歩いているとびっくりするほどよく見かける。そんなLMに最大のライバル出現? メルセデス・ベンツ「ビジョンV」を見てきた。
VIP送迎車の大本命?
「ビジョンV」と聞くとメルセデス・ベンツのミニバン「Vクラス」の次期モデルを示唆するコンセプトカーなのかな、と思ってしまうところなのだが、どうもこのクルマ、別の未来を見据えているらしい。JMS2025のメルセデス・ベンツ日本ブースで話を聞いた説明員によると、メルセデスは現在、「VAN.EA」という電気自動車(EV)のプラットフォームを開発中で、2026年からさまざまなモデルを展開していく方針であるとのこと。ミニバン=大衆車というよりも「ラグジュアリー、リムジン仕様に振り切って」バンタイプのクルマを作っていく計画らしい。
ビジョンVはコンセプトカーだが、メルセデスが作ろうとしているバン型リムジンの姿を予想するヒントにはなる。このクルマはEVで、車内のシート数は4座。つまり、後席に広々とした空間を割り当てた究極のショーファーカーだ。
後席に座ると、目の前には65インチの大型ディスプレイが広がる。車内には42個のスピーカーを搭載しているそうなので、動画配信サービスとつなげれば「動く映画館」になるのは間違いないだろう。
日本のラグジュアリーミニバン市場で覇権を握るレクサス「LM」にも4人乗り仕様がある。「LM500h EXECUTIVE」というクルマで、価格は2,010万円だ。こちらはハイブリッド車で、後席に座って見るディスプレイのサイズは48インチだ。
メルセデスが「VAN.EA」で作ったバンタイプのクルマを日本に導入するのかどうか、導入するとすればいつなのか、そのあたりは現時点で未定とのことだったが、LMがこれだけ売れている日本なのだから、メルセデスのラグジュアリーバンにも当然、勝機はあるはず。直接対決を楽しみに待ちたい。もっといえば、日産自動車の新型「エルグランド」にも4人乗りの豪華版が登場すればいいな、などとひそかに期待している次第だ。































