宙と時が共鳴する25周年記念コレクション
シチズン時計の「カンパノラ」は、ブランドの誕生から25周年。これを記念し、限定コレクション「星響(ほしのひびき)」が登場した。メカニカル、ミニッツリピーター、グランドコンプリケーションの3モデルをそろえ、価格は45万1,000円〜132万円、発売は11月13日(NZ0004-57E)および12月4日(AH7064-52E、AH4084-51E)を予定している。
夜空に輝く星々が互いに響きあうように、時の流れと宇宙の調和を表現したデザイン。ブランド初となるケースとバンドのデュラテクトDLC加工によって、深い漆黒の中に星光のようなゴールドカラーが映える。3本の時計が奏でるのは、音・光・時の三重奏だ。なお、デュラテクトはシチズン独自の表面硬化技術で、加工された素材の表面が非常にキズ付きにくくなる。
星響 メカニカル(NZ0004-57E)- 会津塗の宇宙、輝く螺鈿の瞬き
スイス・ラ・ジュー・ペレ社製ムーブメントを搭載した機械式モデル。大きな特徴は、会津塗の伝統工芸士・儀同哲夫氏による漆塗り文字板に施された螺鈿細工だ。ひとつとして同じ模様のない螺鈿の輝きは、まるで宙に浮かぶ星のきらめきを閉じ込めたような幻想的な光を放つ。
儀同氏は昭和23年生まれの会津若松市出身で、平成14年からカンパノラの漆塗り文字板制作に携わってきた。令和元年には瑞宝単光章を受章し、その技は後進育成にも受け継がれている。
ムーブメントは手巻きつき自動巻き機械式の「キャリバー Y513」で、パワーリザーブは約42時間、平均日差−5~+10秒。ダイヤルにはビッグデイトとパワーリザーブ表示を備え、ケースの裏ぶたはサファイアガラスのシースルーバック仕様となる。
- ケース/バンド素材:ステンレススチール(デュラテクトDLC)
- ケースサイズ:径42.0mm/厚さ14.0mm(設計値)
- ガラス:デュアル球面サファイアガラス(クラリティ・コーティング:光の透過率を約99%まで高めたシリコン化合物の多層コーティング)
- 防水性能:日常生活用防水
- ムーブメント:Cal.Y513(自動巻き/手巻き対応)
- パワーリザーブ:約42時間
- 精度:平均日差−5~+10秒
- 限定数量:150本
- 価格:132万
星響 ミニッツリピーター(AH7064-52E)- 音の響きを形にした調べ
針やリングパーツに配されたゴールドが、艶やかなブラックケースに美しいコントラストを描く。2時位置のプッシュボタンもゴールドカラーで統一し、ミニッツリピーターの“音の広がり”を視覚的に表現。さらに、音波をモチーフにした電鋳パターンの文字板が、このモデルならではの個性を際立たせる。
ミニッツリピーターとは、音によって時刻を知らせる仕組み。機械式時計における複雑機構の1つに数えられる。
ムーブメントの「キャリバー 6762」は、月差±20秒の高精度クオーツ。ミニッツリピーター、パーペチュアルカレンダー、デュアルタイム、ローカルタイムアラームなど、多彩な機能を搭載している。
- ケース/バンド素材:ステンレススチール(デュラテクトDLC)
- ケースサイズ:径42.5mm/厚さ15.5mm(設計値)
- ガラス:デュアル球面サファイア(クラリティ・コーティング)
- 防水性能:日常生活用防水
- ムーブメント:Cal.6762(クオーツ)
- おもな機能:ミニッツリピーター、パーペチュアルカレンダー、デュアルタイム、ローカルタイムアラーム、24時間表示
- 電池寿命:約2年
- 限定数量:250本
- 価格:45万1,000円
星響 グランドコンプリケーション(AH4084-51E)- 複雑機構が奏でる宇宙のハーモニー
ミニッツリピーター、ムーンフェイズ、パーペチュアルカレンダー、クロノグラフ(1/4秒・12時間計)という、4大複雑機構を持つグランドコンプリケーション。これらを備えるムーブメントは、月差±20秒の高精度クオーツ「キャリバー 6772」だ。
2時位置のプッシュボタンやインデックス、針に配したゴールドパーツが、漆黒のケースと呼応し、星々の調和を象徴。見返しリングには、リピーター音の高低2音をグラデーションで表現し、“音の広がり”を視覚化している。
- ケース/バンド素材:ステンレススチール(デュラテクトDLC)
- ケースサイズ:径43.0mm/厚さ16.5mm(設計値)
- ガラス:デュアル球面サファイア(クラリティ・コーティング)
- 防水性能:日常生活用防水
- ムーブメント:Cal.6772(クオーツ)
- おもな機能:ミニッツリピーター、ムーンフェイズ、パーペチュアルカレンダー、クロノグラフ(1/4秒・12時間計)、24時間表示
- 電池寿命:約2年
- 限定数量:250本
- 価格:50万6,000円
25年を経てなお進化するカンパノラ
2000年に誕生したカンパノラは、「雄大な宙(そら)に想いを馳せ、今という時を愉しむ」というテーマを掲げる。時計を単なる計時器ではなく、いわば時を感じる芸術として追求してきた。ガラス越しの限られた空間に無限の宇宙を閉じ込める「宙空の美」をデザインコンセプトとして、多重構造の立体的デザインを確立している。
今回の「星響」は、その哲学を漆黒の宙に昇華した記念碑的なコレクションといえる。時が流れ、音が響き、光が瞬く──。25周年を迎えたカンパノラの世界観を凝縮した“宙の交響曲”だ。





















